4-お勧めの本

【本】ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史(下)』:そして現代の私個人の生き方について示唆を与えてくれる。

木曜日はお勧めの本を紹介しています。

ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史(下)』(河出書房新社, 2016)

■要約

人類は統一に向かった。統一のための要素は、貨幣と帝国と普遍的宗教であった。宗教は特定のものを信じるように求め、貨幣は人々が特定のものを信じていることを信じることにより人類の統一を方向付けた。帝国は文化的多様性と変更可能な国境によって定義される。帝国の支配からは逃れられず、固有の文化は消化された。現代は多民族からなるエリート層に支配されたグローバル帝国になりつつある。

宗教は超人的な秩序の信奉に基づく人間の規範や価値観の体系である。私たちの信念は、神を中心とする宗教と、自然法則に基づく神不在のイデオロギーに区分できる。500年前から科学革命が始まった。それは政治・経済が科学研究に投資し、科学研究が政治・経済に資源とテクノロジーのお返しをするというループによって達成された。

■ポイント

貨幣はその転換性と信頼性という性質によって見知らぬ人同士が効果的に協力することを可能にした。その一方で、市場の世界における貨幣は、コミュニティや家族の中で信じられている愛と道徳といった価値の領域を侵食しようとしてきた。

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