【本】『10代のうちに知っておきたい折れない心の作り方 』/『使える行動分析学 じぶん実験のすすめ 』/『スタディスキル図鑑 自ら学習する力をつける 』
木曜日はお勧めの本を紹介しています。今回は2017年6-7月に取り上げた本を再録します。
水島広子『10代のうちに知っておきたい折れない心の作り方 』:大人にも役に立つ内容。
島宗理『使える行動分析学 じぶん実験のすすめ 』:自分に意味のある行動を習慣化する着実な方法を学べる
キャロル・ヴォーダマン『スタディスキル図鑑 自ら学習する力をつける 』:学ぶことの全体を見渡すことができる
水島広子『10代のうちに知っておきたい折れない心の作り方 』:大人にも役に立つ内容。
■要約
自分らしく生きるための6つの「心の原則」を知って生きづらさを乗り越えていこう。
原則1 イヤな感情には役割がある/それは、自分にとってよくないことが起こっていることに気づくこと。
原則2 怒っている人は「困っている人」/その人は、相手を変えようとして相手の領域に踏み込んでいる。
原則3 人にはそれぞれの事情がある/どんな人でも、その状況の中でできることは全てやっている。
原則4 自信をなくしたときは「衝撃」をさがそう/そのときは、ただじっとしていること。深掘りをしないこと。
原則5 決めつけられても決めつけない/「相手はそう思っている」という事実だけを確認する。自分の意見を言うときは「そう見えるかもしれないけど……」で。
原則6 「自分」を主語にして話す/「あなたは……だ」という言い方は相手の領域に踏み込む決めつけになる。「私は……」で話してみよう。
■ポイント
タイトルは『10代のうちに知っておきたい……』となっていますが、大人にも役に立つ内容です。
著者は対人関係療法の専門家です。この本を読むと、いくつもの部分でアドラー心理学との類似性を見つけます。たとえば、以下のようなところです。
私がよく使う言葉に、「縦の比較」と「横の比較」があります。「横の比較」とは他人との比較。……一方「縦の比較」というのは、一年前と比べて自分はどれだけ進歩しただろう、というように自分を時間軸に見てみる比較のことです。
対人関係療法とは、その名の通り、対人関係に焦点を当てて治療を行なっていく方法です。配偶者、恋人、親、親友のいう「第1層」、友人、親戚などの「第2層」、職業上の人間関係である「第3層」に分け、これらが逆転していることが不健康な状態として治療を進めていくものです。この分類もアドラーの「仕事/交友/愛」に似ています。
対人関係療法の歴史を見ると、1930-40年代の精神医学者アドルフ・マイヤーからスタートして、その後、サリヴァンによって基礎づけられました。サリヴァンは新フロイト派ですが、新フロイト派はフロイトよりもむしろアドラーに影響を受けています。アドラーを知っている人は対人関係療法の本を読んでも、まったく違和感がないだろうと思います。
対人関係療法について知るには下記の本がお勧めです。
島宗理『使える行動分析学 じぶん実験のすすめ 』:自分に意味のある行動を習慣化する着実な方法を学べる
■要約
成功したい/人格を高めたい/人生を充実させたいなら、自己啓発本や著名人の自伝や宗教・スピリチュアル本よりもこの本を読もう。人の幸せは一人一人違うけれども、それを達成する原理と方法は同一である。この本は、個人の意思や能力に原因を求めない行動分析学の理論を使って、個人にとって意味のある行動を習慣化できるようにしてくれる。
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