2-教える技術ヘッダ

相互評価は、良い評価者を増やし、コミュニティ全体のレベルを上げる。【後半】

火曜日は「教えること/学ぶこと」のトピックで書いています。前回は「相互評価は「評価は教員がするもの」という常識を壊す」というトピックの前半を書きました。今回はその後半です。

前回は、受講生同士がお互いのレポートなどを相互評価することについては、信頼性・妥当性とも担保されているということを言いました。しかし、評価は教員がするものという常識の中では、受講生同士が相互評価をすることは抵抗はあるかもしれません。

相互評価が可能になるのは、授業の中で、ただ1つの正解がないようなことを扱う場合です。そうではなく、ただ1つの正解があるような授業内容であれば、受講生同士がお互いに答え合せをして、その上で「教えあい」をするとうまくいくでしょう。

正解がない授業の、代表的なものは「創作」です。創作はこれまでにないものを作り出すわけですから、正解はありません。またその中に創作的なものが入っているものはすべて相互評価を運用することができます。たとえば、レポート、プレゼンテーション、スピーチ、プロジェクトベースの製作などです。正解がないとはいっても、その基礎となるスキルと知識は身につけておくことは必須です。

このように見ていくと正解がない授業とは、新しいものを工夫して作り出す能力を伸ばしていくものだとわかります。そうした能力が21世紀に必要となっているのです。そのために既存の知識とスキルを習得するのです。

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