見出し画像

【道具と工夫】(8) 席の指定とグループ分けに大福帳を使う

2024年11月23日(土)

学生と教員のコミュニケーションカードである大福帳については、次の2つの記事でその作り方と使い方について解説しました。

私の授業や研修では、最初から4人のグループを編成して席を決めておきます。大学の授業では自由席であることがほとんどだと思います。自由席の場合、教室の前の方の席が空いていて、後ろの方の席が詰まっているという光景をよく目にします。そして、仲の良い友人同士で座ることが多いため、ついつい授業中の私語も多くなります。私はそれを避けたいので、あらかじめランダムに席を決めておく指定席システムをとっています。

私の授業・研修では4人のグループを編成して(人数が足りない場合は3人のグループも可)グループワークを取り入れています。グループワークの一番シンプルな方法は、10分間でメンバーに話をしてもらうことです。話のテーマを決めることもありますし、レクチャーの感想を言ってもらうこともあります。レクチャーをただ聞くだけではなく、それについて自分の言葉で話すことによって内容が整理され、自分ごととしてレクチャーを捉えることができます。

このように指定席による4人のグループを作ろうとするとき問題になるのは、どのようにして学生にグループを割り振り、その指定席についてもらうかということです。ここで、大福帳が活躍します。あらかじめ大福帳の欄外にその学生に割り当てるグループ番号を書いておくのです。授業開始時に自分の大福帳を受け取った学生はその回の欄外に書いてあるグループ番号を確認して、指定された席に着きます。

各グループがどの位置の席になるかは、次のようなスライドを作ってスクリーンに提示しておきます。このケースは、5席・7席・5席の教室で150人規模のクラスです。40グループまで対応できます。前後2列でひとつのグループを作っています。1列目を空けておくのは、ここに大福帳を広げて、学生が自分の大福帳を探すためのスペースだからです。

授業が14回で完結する場合は、グループは3回ごとに編成し直しています。毎回編成し直していると、顔を覚えるまでには至りませんし、3回を超えて同じメンバーだと飽きるからです。なお、授業の1回目は自由席です。このときに大福帳を配付して、記入してもらい2回目から指定席となります。

このように大福帳は、授業で指定席システムを使おうとする場合に便利なツールとして活躍します。

ここから先は

0字

向後千春が毎日読んだり、書いたり、考えたりしていることを共有しています。特に、教える技術、研究するこ…

学生割引プラン

¥150 / 月
初月無料

みんなのプラン

¥300 / 月
初月無料

ゼミプラン

¥600 / 月
初月無料

ご愛読ありがとうございます。もしお気に召しましたらマガジン「ちはるのファーストコンタクト」をご購読ください(月500円)。また、メンバーシップではマガジン購読に加え、掲示板に短い記事を投稿していますのでお得です(月300円)。記事は一週間は全文無料公開しています。