【教える技術】#15 あなたの知識と経験を次の人に伝えることは確実にあなたの仕事の一部です【最終回】
火曜日は「教えること/学ぶこと」のトピックで書いています。早稲田大学エクステンションセンター中野校での「教える技術」講座の内容を連載しています。
1月から続いてきたこの連載も今回で最終回です。
教える仕事は、それを専門にしている人でなくても、誰でも担うことになる仕事です。そして上手に教えられるようになると、自分の専門の仕事もうまく回るようになります。つまり、自分の専門の仕事とそれを教える仕事とはワンセットなのです。
あなたが専門にしている仕事、あなたが得意としていること、あなたが経験を積んできたこと、それを次の人に教え、伝えることは、あなたにしかできない仕事です。ですから「教えることは私の専門でもないし、仕事でもない」というのではなくて、あなたしかできないことを教えることは確実に「あなたの仕事の一部」なのです。
次の人に教えるためには、まず教える内容を自分が習得していることが必要です。これはすでにあなたの専門になっているはずですので問題はありません。そして、他の人に教えるときに、その内容を精査することになりますので、そのときに自分のスキルと知識の再点検をします。ですので、他者に教えようと決断した瞬間、自分に対してのご利益があるのです。
内容以外に必要な知識は「教授・学習の理論」です。これはどのように伝え、教えれば効果が上がるかということの理論です。ここまでの連載で扱ってきた内容です。
教える人が持つべきスキルにはどのようなものがあるでしょうか。エンゲストロームは「指導者モデル」として次の4つのスキルを挙げています。
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