014 [アドラー心理学] 葛藤場面の中で自分のライフスタイルがわかる
ファーストコンタクト・ライブラリの [アドラー心理学] のここまでの話は、
003 [アドラー心理学] 自己肯定感、自尊心、そして劣等感
007 [アドラー心理学] 教育から仕事、そしてウェルネスへ
011 [アドラー心理学] ポジティブ心理学の起源としてのアドラー心理学
とつなげてきました。
今回は、「劣等感とその補償」と並んで、アドラー心理学の中心概念の1つである「ライフスタイル」を取り上げます。ライフスタイルは今で言えば性格やパーソナリティと言い換えられる概念です。しかし、その人が「何に向かっているか」という「動き movement」として定義づけているところが、アドラー心理学の特色です。
・コーヒーを頼んだのに、カフェオレが来てしまったとき、あなたはどうしますか
普通に暮らしているときには、自分のライフスタイルは目立った形では現れません。顔を洗ったり、歯を磨いたりする行動は単なる習慣であり、そこにその人独自のライフスタイルを見ることはありません。
しかし、生活場面で何か問題が起こり、それを解決する必要が生じると、そこにライフスタイルが現れてきます。たとえば喫茶店で普通のコーヒーを頼んだのに、カフェオレが来てしまったとき、あなたはどうしますか。これを問題解決と呼ぶのは大げさかもしれませんが、自分が何らかの決断をして行動をしなければならないような事態はすべて問題解決と呼ぶことにします。
コーヒーを頼んだのにカフェオレが来てしまったときに、どのように問題解決をするかについてはいくつかの選択肢があります。
(A) 店員に言って作り直してもらうのも面倒なので、そのまま飲む。
(B) 同席の友だちに「これ違うけど、いいよね」と言って、そのまま飲む。
(C) 同席の友だちに「これ違っている。ひどいよね」と言って作り直してもらう。
(D) すぐに店員に「これ頼んだのと違います」と言って作り直してもらう。
さてあなたは(A)から(D)のどの対応をするでしょうか。あるいはそれ以外の方法の対応をするでしょうか。そこにあなたのライフスタイルが現れているのです。
・カフェオレと店員と友人が形成する「場」の中で葛藤を解決しようとする
コーヒーを頼んだのにカフェオレが来てしまったときに、どのような判断をして行動するかということを取り上げました。このように何らかの判断をして問題解決をしなければならない場面を「葛藤(かっとう) Conflict」と呼びます。私たちの日常生活はこのような大小さまざまな葛藤を解決していくことにほかなりません。
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