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ちはるのファーストコンタクト(2017年1〜3月)

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ファーストコンタクトは相互理解への第一歩。このマガジンでは、私が考えていることの第一歩をできるだけそのままの形で公開していきたいと思います。話題は、アドラー心理学、教える技術、研…
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#研究

せわしない雰囲気の3月という時期に心を落ち着ける。

2017年3月11日 (土曜日は昔のブログ記事を振り返って書いています) ショートレター論文投稿へフル回転2月は28日しかないからかどうか、あっという間に終わる。そして、3月のこの時期は、卒業式を頂点とする祝賀ムードと新年度への準備とが、双方入り交じった微妙な雰囲気で充満する。 この落ち着かない空気の中で、しかし論文は書く。というか書いてもらう。卒論と修論の良いものは投稿論文にしておきたい。日本教育工学会は、毎年この時期にショートレター論文特集号への投稿を受け付ける。

【お題拝借】教授との信頼関係を作る方法

2017年2月26日 日曜日は「お題」の日なのですが、今回は質問がないのでフリーテーマで書きます。 「かやのみ日記帳」というブログで「研究室の教授との付き合い方を変えてうまくいった話。教授を共同研究者に引きずり込む」という記事の中にこんなことが書かれていました。 そして、こんなことも。 そういえば5年前のブログにこんな記事を書いていました。 院ゼミコラム(9):指導教員はあなたの研究を覚えていないあなたの指導教員は、あなたの研究を覚えていない。テーマくらいは覚えてい

学ぶだけでは不十分。何を学ぶべきかということを検討することを学ばなければならない。

2017年2月25日 (土曜日は昔のブログ記事を振り返って書いています) 「週末研究者」というカタチ「博士を増やす施策は間違いだった」の記事を引用したのをきっかけに、muto先生から、「週末研究者」のアイデアをいただいた。 学部からストレートに大学院に来るのではなく、すでに働いている人が、何年か休んで、大学院で学び、再び仕事に戻るようなパターン。あるいは、仕事を辞めずに、週末に研究を続けるパターン。このような人たちが増えれば、日本は文化的に豊かになれる、と。 さらには

「習作」の意味

2017年2月21日 (火曜日は「教えること/研究すること」のトピックで書いています) 絵画や作曲で、練習のために作品を作ることを「習作」と呼びます。小説でも習作はあるようです。 習作はあくまでも本番の作品を作る前の練習ですので、プライベートなものとして表に出ることはあまりないのですが、有名な作家であれば、習作も公開されます。絵画の企画展示ではときどきその作家の習作が展示されることがあります。そこには作家の努力の痕跡が見えてきて興味深いものがあります。 本番の作品を作

カスタマーレビューには、その本が「どのように読まれたか」ということが端的に反映されます。

2017年2月11日 (土曜日は昔のブログ記事を振り返って書いています)  「認知科学」誌から書評を依頼された。それで東京に行っている間にその2冊の本を全部読んだ。考えてみれば、本全体に目を通すということはあまりない。ほとんどの本は流し読みであり、本当に読んだといえるところは自分の興味のあるところだけである。通常はそれで不都合はない。しかし、書評を書くとなると、始めから終わりまで読むのがマナーである。取り上げるところはそのごく一部であるとしても。  書評を書くのはこれが

研究テーマを「自分のもの」にすること

2017年1月31日 (火曜日は「教えること/研究すること」のトピックで書いています) 先日今度退職される教員の歓送会が開かれました。それぞれのスピーチが面白かったのですが、その中で次の話は特に印象的でした。 大学教員がゼミで果たすべき重要な仕事のひとつは、ゼミ生に「ここを深く掘れば意味のある研究ができるよ」というような研究テーマを提供できることです。その目標が明確に決まりさえすれば、学生は一連の研究プロセスに乗せることができるのです。 というわけで大学教員の資質は石