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がん光免疫療法の話

静岡新聞2024年3月17日からのお話です。
アメリカ国立衛生研究所の小林久隆さんは、がん細胞を発光させる色素についての研究をしていました。
がん細胞だけが光色素を導入することができれば、きれいにそこだけ切除することができるという仕組みです。
確かに、がん細胞だけを光らせられれば、そこだけ切除が容易になります。余分なところを切り落としたり、がん細胞が残ってしまうことがないわけです。
今までこういう研究があることを知りませんでした。

PET検査というものがあります。
がん細胞が糖を取り込む性質を利用して、ブドウ糖を体に入れる検査で、ブドウ糖が取り込まれた部分を確認し、がんの存在や転移の有無を確認します。この話だけでは、PET検査はあくまで、検査という事です。

がん光免疫治療は、がん細胞自体を光らせる事で、患部を明確にすることを目的としていました。

小林さんの研究の中、業者から持ち込まれたIR700という色素で実験をしたところ、光るどころか、がん細胞は死んでいったのです。

光ると思っていたものが光らない、、、

これって失敗ですね。

でも、小林さんは、いや、これって。
と、気づいたのです。

治療に使えるんじゃね?

光る代わりにがん細胞がブチブチ壊れている。

おまけに、壊れたがん細胞から、内容物が飛び出し、 

それを異物と判断した免疫細胞が、それを攻撃し始めている。

アメリカ国立衛生研究所の、この研究が人のがんに応用できれば、すごい発見である。

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