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印象派展2024 東京旅行④

先日東京に行った際、行けたら良いなと思っていた展覧会を観に行くことができました。

どの作品も素敵だったのですが、その中でも特に印象に残った作品について書かせてください。

訪れることが出来たのも1ヶ月以上前のことですが、何卒ご容赦くださいませ。


印象派について

印象派は19世紀後半のフランスで起こった芸術運動のこと。

明るく鮮明な色調とそれによる光の表現が特徴の1つ。色彩に重きを置いていました。
また、制作を戸外で行い移ろう景色を自分の感覚のままに描き出し、その際にパレット上で絵の具を混ぜるのではなく、筆に直接絵の具を乗せて描くことで一瞬を捉えていたそうです。

印象派の画家たちが活動していた時代、フランスではアカデミーが幅を利かせていて、評価を得られたのは古代ギリシャ的な理想の美を追求した作品でした。

色彩よりも正確なデッサンと陰影表現が重視され、題材も神話や歴史が好ましいとされていた。反対に自然画や個人の肖像画は低俗と看做され、その地位は低かったそう。

印象派の作品はアカデミーが好む作品の対極に位置しており、アカデミーが開催する展覧会にも出展を拒否されるなど、冷遇されていました。

一時は落選した作品だけの展示会が政府主導で開催されたものの、同様の展覧会の開催を希望する請願が通ることはなかったため、モネやルノワール、ブーダン、セザンヌなどおよそ30人の画家が独自に展覧会を開催。


後に第1回印象派展と呼ばれるこの展覧会は大きな議論を巻き起こしました。
批評家の1人はモネの『印象・日の出』という題の作品を用いて、「印象派の展覧会」と皮肉ったのですが、この「印象派」という言葉は画家や市民に受け入れられ、定着していきました。


展覧会について

印象派の作品は海外の画家にも様々な影響を与えていきます。

この展覧会では、ドイツや北欧、日本などフランス印象派の影響を受けた海外の画家とその作品、特にアメリカ印象派にスポットが当てられています。

そして、展示作品の多くはウスター美術館が収蔵しているもの。

アメリカのボストン近郊に位置するこの美術館では印象派の作品の収集に注力しているそう。

その殆どはこれまで来日したことがなく、今回の展覧会はそれらを観ることが出来る貴重な機会となります。

特に素敵だなと感じた作品たち

ここからは作品についての感想を書かせてください!

1. 《花摘み、フランス式庭園にて》


写真掲載元⤵︎ ︎


アメリカの画家、チャイルド・ハッサムの作品。

展覧会のポスターにも使用されている作品です。

あたたかい光が差す庭園で、ロング丈の白ワンピースを着たブロンドの女性が花を摘む様子を描いた作品です。

女性は赤と薄桃、白の花のブーケを作っているみたい。

花や女性、光の描写も素敵なのですが、バックには白い壁に水色の扉のお屋敷も描かれていて、それもすごく可愛い!

あとはお屋敷の前にはベンチが置かれていて、そこに男性が腰掛け読書に耽っています。

この男性は女性の付き人なのか、父親なのか、それとも想いを寄せているのか…。もしかしたら女性とは何の関係もない通りすがりの読書家なのかも。
ハッサム本人とかでも面白いですよね!想像が膨らみます〜!


2.《朝食室、冬の朝、ニューヨーク》

(左)  写真掲載元⤵︎ ︎     


こちらもハッサムの作品。

カーテンの向こうに高層ビルが並ぶ朝食室の風景。

窓に背を向けるようにしてテーブル横の椅子に腰掛ける女性は水色のアジア風のガウンを着ています。

膝の上のお皿に乗せたオレンジに手を伸ばしており、窓際には山積みのフルーツ。丸ごと置いてあるというのがアメリカらしいですね。


タイトルにある通り、描かれているのは冬の朝の風景。
窓の向こうに広がるビル群は雪を被っている様子。
女性が着ている水色のガウンも相まって冬の空気を感じられるのと、その中でテーブルの上に置かれた黄色の花瓶の華やかさも一層引き立って感じられるのもとても素敵!


この女性はオレンジの他にも何か食べたのでしょうか。
スクランブルエッグやベーコンエッグ、エッグベネディクトのような卵料理?
ヨーグルト?
それともフルーツだけ?


3.《りんご園》


写真掲載元⤵︎ ︎



アメリカの画家、ジョセフ・H・グリーンウッドの作品。
彼の地元であるニューイングランドのりんご園の風景が描かれています。


りんごの花が咲き始め、緑と淡い桃色のコントラストが綺麗!

画面全体から感じられるのどかな雰囲気と、林檎の実がところどころに見えるのが好き。


実際にはアメリカとカナダなので違う地域だけれもど、『赤毛のアン』の舞台にもなっているプリンスエドワード島にもこんな場所があったのかなって思ったり。


作品のモデルになった場所には現在でもりんごの木があるそう!
いつか行ってみたいな。


4.《街の風景,チュニス》


最後はウィラード・メトカーフの作品。

北アフリカの国、チュニジアの首都であるチュニスの風景を描いた作品。

左右に建物が並ぶ路地の正面には、下半分がアーチ造りの建築があり、抜けた先にも建物のようなものが。

人々が行き交う路地の右側では商人らしき男性が座り込んでいます。

乾燥した空気を表すようなタッチやキャンバス地の質感、建物の隙間から覗く青空が印象的で。

彼がチュニジアを旅した際にはこんな風景の中を歩いていたんですね。

おわりに


これまでも印象派の作品を観る機会は多々ありましたが、フランス国外で活動されていた方の作品となるとあまりなく。まとまった点数となると尚のこと。

アメリカの摩天楼や広大、あるいは雄大な自然、日本の庭園や小川沿いの道といった各国々の風景など、印象派の特徴と共にその国らしさも感じることが出来ました。

私が行った東京展はつい昨日、4月7日で閉幕したのですが、4月20日からは福島県の郡山市立美術館で開催されます!
その後も八王子や大阪を回ります。来年の始めまで行われることになるので、興味のある方は機会がありましたらぜひ!

少しでも感想を聞かせてくれたら嬉しいです!

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