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つながりは木工ボンドのごとく

次男が夏休みの宿題で作った工作を持って帰ってきた。展示コーナーに置いてあったから乱暴に扱われたんだろう。部品が一つ取れていたので週末に木工用ボンドで修理をした。
「もうくっついたかなぁ?」
気の早い次男は早く確認したくてウズウズしている。

「いま触ったらはがれちゃうよ。木工用ボンドは、一日かけてゆっくり乾かすんだ。ほら、まだ白いだろ? ここが透明になったら、ちゃんとくっついたサインだよ」
ふ~ん、と言って次男はマンガを読みに子供部屋に戻っていった。

note や twitter で仲良くさせてもらっている友だちが増えた。会ったことがない人も多いけど、コメントやツイートでの会話は楽しい。

楽しい投稿は、コメントしやすく "いいね" も押しやすい。誰かのnoteに初めてコメントするときは、楽しい話題を選ぶ人は多いだろう。

相手のことをよく知らないときは、木工用ボンドだとまだ白い状態だ。白いボンドに隠れて相手のことは良く見えていない。くっついてはいるけど、変に触ったら簡単に剥がれてしまう。
会話を重ね、時間が経つにつれて、ゆっくりと白から透明に変わっていく。相手のことも少しずつ見えてくる。楽しい話だけでなく、愚痴を言ったり聞いたりできるようになる。くっついていることを実感できて嬉しくなる。

更に会話を重ねると、悲しみや痛みも分かってくる。その頃には、ボンドは完全に透明でガッチリくっついて、ちょっとやそっとじゃ離れない。ボンドが透明になった関係だからこそ、できるコメントもある。

相手との信頼関係の上に語られるコメントは、どんな言葉でも温かい。一見、軽口のように見えるコメントは信頼の裏返しだ。
今週、TLに流れてくる、そんなやりとりをいくつか目にした。


「あぁ、 いいな」と思う。


ボンドが透明になって、相手のことがしっかり見えて、ガッチリとくっつく。ゆっくりと、時間をかけて作られた関係はとっても素敵だ。

瞬間接着剤のように一瞬でくっついて、信頼関係をつくれる人もいる。羨ましいなと思うが、それは人それぞれ。
アロンアルファも黄色のパッケージだけど、僕のボンドはどうやら黄色と赤の木工ボンドみたいだ。時間をかけないと、ちゃんとくっついたのか自信が持てない。どうか剥がれませんように、と不安に思う気持ちも大きい。自分の接着力に自信がないのかもしれない。

でも、大切に扱えば、いきなり剥がれ落ちることもないはずだ。ヒビが入ったら修復すればいい。透明だったボンドの中に白いわだかまりができてしまっても、ゆっくり時間をかければまた透明になっていく。相手のことがしっかりと見えるようになっていく。

相手の悲しみや痛みに寄り添えるくらいにガッチリと。
noteの中で、そういう関係を僕はつくっていきたい。





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