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本人のテーマは中華だったんだけど、これは中華…なのか?

キッチンに立つ。ふと、料理をしたくなった。最近、マミィから料理の刺激を立て続けにもらったせいだろうか。

今、思い立ったのでキッチンへ。ではない。事前にシミュレーションして、買い物から調理から食べるところまで頭の中でぐるぐると考え、「いけそう」となった。で、キッチンに立つ日が決まる。

構想3日。手際が良いとは言えないので、時間に余裕がある週末。できれば、翌日にゆっくり休める日。古川家は土曜日が大体それ。

構想初日に戻る。割と雑多に作るのだが、今回は中華にしたい。中華をベースにした何かにしたい。その決め手となったのが夫婦でスーパーへの買い出し中に見つけた牛イチボ。1パック250〜300gほどの塊肉。これは奮発して今回は2パック!

作りたいレシピが、思いついたレシピがそこにあるなら、この出費は投資である。

よくわからない自己理論を言い訳に、他にも使えそうな食材を物色。
ボイルいか発見。いい。いいね。いか大好き。ゲソも入ってるじゃないか。いかで一番うまいのはミミとゲソよ。いえ、全部好きです。

今回のレシピ、自分の中にはテーマがある。中華だけではない。

(できれば)低脂質、高タンパク。
Protein(プロテイン、たんぱく質)・Fat(ファット、脂質)・Carbo(カーボ、炭水化物)の3つからなるPFCバランスのコントロールに取り組み始めて1ヶ月ちょっと。せっかく気づいたこと、見えてきたものもあるので、そのバランスを意識しながら。

今回は5品を作る。


豆苗とザーサイの和え物

和えるだけ。今回、娘のイチオシこれらしい。
  • 豆苗はざっくり3~5cmに切る。ザーサイは千切りに。ひとつかみぐらい。

  • 豆苗を耐熱ボウルにいれ、軽く塩を振ってレンジ600wで3分ほど加熱。後は火の通り加減を見ながら30秒ずつ増やしてみる。

  • 粗熱をとったらザーサイと和え、白だし 小さじ半分、ナンプラー 小さじ1。白だしとナンプラーがすごく合う。

  • 味の濃さは最後に塩で調整。煎りゴマを加えて混ぜたら完成。

豆苗の食感が心地よく、ザーサイの塩気がちょうど良い。完全にビール案件。
野菜は、もやしでもキャベツでも大根でも好きなもので代用できる。
ザーサイの千切りを食材の大きさや歯応えに合わせて調整するのと、商品によって塩加減が変わってくるところに注意か。

桜エビと豆腐の炒り煮

白だしとナンプラーがマッチ
  • 豆腐を耐熱ボウルに入れ、レンジで600wで3分ほど加熱。出た水分を切ったら、油をしかずフライパンへ。

  • 中火で崩しながら水分を飛ばしていく。水気がなくなったら、白だし小さじ1と桜エビを入れて味が馴染むまで混ぜつつ炒める。

  • 豆腐の表面にところどころ焼き目がついたら十分。味の濃さは塩で最後調整。

  • トッピングのことを考えてなくて、煎りゴマを振ってみたが香菜(パクチー)があれば、もっと中華っぽくできたかも。

今回は色を活かすため白だしに。豆腐自体にクセがないので味付けはどうとでも。豆板醤やオイスターソースも良さそう。
豆腐は絹が扱いやすく、食べ応えを出すなら木綿か。桜エビの他に刻んだえのき、豚ひき肉を加えてボリュームを出すのもあり。

ボイルいかのエビチリ風

火を使わずに作れるエビチリ
  • ボウルでエビチリ風タレの材料を混ぜ合わせる

    • ケチャップ 大さじ1

    • ねぎ みじん切り 大さじ1

    • 豆板醤を少し

    • 生姜 すりおろし少量

    • にんにく すりおろし少量

    • 酢 小さじ1

  • ボイルいかを入れてタレを絡めたら完成

  • タレのバランスは好みで調整。甘さが欲しければケチャップ追加か砂糖を。

マミィ発案のエビチリ風ソース。混ぜるだけでエビチリでしょ!?っていう味になる優れもの。今回はアレンジでネギを加え、生姜を多めに。
タレを混ぜる、具材を和える。これだけ。生の海老で作ってもおいしそうだし、お刺身の盛り合わせを混ぜちゃってもいいだろう。

ローストビーフのりんごみぞれ添え

妻のイチオシ。この「みぞれ」を缶で売って欲しいとか。
  • りんごみぞれの材料を混ぜ合わせ冷蔵庫に。

    • りんご 1個

    • 大根 約4分の1本(300gほど)

    • にんじん 約2分の1本

    • 生姜 1かけ

    • にんにく 1かけ

    • しょうゆ大さじ2

    • めんつゆ大さじ2

    • 酢 大さじ2(好みで醤油と同量)

    • ごま油 大さじ1

  • ローストビーフは牛イチボを今回使用。冷蔵庫から出して30分ほど常温におく。その後、肉の1%ほどを目安に塩を全体にすり込む。

  • 中火に熱したフライパンに米油とオリーブオイルを多めに入れ、表面に焼き色をつけていく。その後、1面あたり1分程度で返しながら火を入れていく。

  • 2周ほど各面を焼いたらアルミを敷いたバットに取り出し、アルミホイルをかぶせて5〜10分ほど休ませる。その間に他の工程を進めておき、また中火に熱したフライパンで各面を焼いていく。その際、フライパンの奥側に肉を置き、手前にフライパンを傾けてスプーンで流れてくるオイルを全体もしくは肉が厚い部分、脂肪が多い部分に回しかける。

  • 肉の厚さと脂肪分によって、焼いて休ませてのセット数は変わる。目安としてはトングで肉を押し込んだ時に押し返してくる弾力を各面から感じられたらやめ時。ゆっくり火を入れると、肉が膨張して全体が丸みを帯びてくる。狙うのは断面全体がロゼになるミディアム。レア感は残さない。

  • フライパンから上げたら再び10分〜15分ほど休ませる。手で直接つかめるぐらいの温度に切り分けて盛り付け。

大根はスーパーで葉に近い部分をカットしたものがちょうど良い。りんごと大根は1:1でブレンド。りんご大根の総量に対して、にんじん10%、5%の生姜、5%のにんにく。
甘さはりんごのみ。あとは塩で好みの濃さに。混ぜ合わせたら、盛り付けのタイミングまで冷蔵庫に。
野菜にただかけてもおいしいし、めんにも合う。焼き肉のタレっぽい雰囲気もあるのだけど、おろしポン酢のようなサッパリ感。万能タレと思う。

今回はイチボを使ったが、少し脂感を抑えつつ、パサつかないようしっとり食べたいなと。先日、試しに作ったら好評だったりんごみぞれをソースに。
ローストビーフにも塩はすり込んであるので、酸味があるとさっぱり食べられておいしい。

魚介に合わせたバージョンも考えてみたい。

牛イチボとたまねぎの豆鼓煮込み

中華のつもりが…オニオングラタンスープ?
  • ローストビーフで一緒に焼いた肉のうち、1つは1セット目で完了。最終的に煮込むので焼き目で香ばしさを出しておけばOK。

  • 玉ねぎは4等分にしたのち、繊維を断つように5mm幅ほどに切る。火が入りやすく、ある程度は溶けて食感が少し残るように。

  • 肉を焼いたフライパンに玉ねぎを入れて弱火で火を通す。軽く塩をして水分が出てきたら肉が焼き付いたところをそぎ落としてまぜながら。うまみをまとわせていく。火を完全に入れる必要はない。

  • たまねぎの上に煮込み用の肉を置き、蓋をして弱火で蒸し焼き。玉ねぎの水分だけで。焦げ付きそうになったら水を加える。

  • 30分ほどでたまねぎから水分が出て外側が溶け始める。酒、醤油、みりん、豆鼓醤、醤油を加えてよく混ぜる。肉を玉ねぎソースに絡めて、蓋をして更に煮込む。味はほぼ決まっているので好きな濃度まで煮詰まればOK。仕上げにすりおろしのにんにくを加え、塩で味を調える。

  • 更にソースを入れ、ブロックカットした肉を盛り付ける。ネギの青い部分を薄い斜め切りにして添える。

豆鼓醤で中華に寄せたかったのだが、オニオングラタンスープのような玉ねぎの甘さを活かした一品に。狙い通りと言えば嘘になるが、これはこれで美味。

ほぼ野菜の水分だけで調理すると出汁が濃厚な割に下が疲れないところが好き。ダッチオーブンなど無水調理に向いた器具もあるが、できればフライパンだけでとか鍋ひとつでとか、シンプルさを追求したい。

トッピングもネギより香菜が良かったかもしれない。次は香辛料も含めて、中華らしさを演出できればベター。

今回の振り返り

テーマは中華と妻と娘に告げたら、中華というよりオリジナルの何かみたいな感じだったらしい。

気持ちは中華、ということにしておいた。

ジャンルは大事じゃなくて、手に入る材料、かけられる予算と時間、調理の環境が大きな要因となる。それ以上に食べる人の体調と好み、提供する食事以前にどう過ごし、どういう食事をしていたのか。提供する食事以後はどういう過ごし方になるのか。

まるでシステム開発の要件定義だ。かかる期間と成果物が異なるだけで思考の過程は非常に近いといつも感じる。

良きプラグラマーとは、良き料理人である。

改めて自分のモットーというか料理に対する意識を確認できた気がする。

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