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美の視点 #3(そのゴミは誰のゴミ)

2022年5月。

男は山に入り続けていた。
奥深く、知りたい場所、誰も通らない道を目指して。
辿り着く先々で痕跡を見つけ、気になって調べる。
たった1つの山の中に無数の歴史とその痕跡と美が在る。

面白い、興味深い。
山の中にいれば空気は澄み雑音もほぼ無い。
頭は冴え、ただ幸せな気持ちが満ちているのが分かる。この時間を持てて良かった。山に入るたびそう思う。それが何度も何度も来たことのある場所でも。

が、一連の動きの中、見て見ぬふりできないものがある。
知ってしまったのだ。


解釈が追いつかない。

ちょっとしたゴミなら道中いくつかは毎回落ちている。飴やガムの包み紙、ちり紙、マスク。
拾って帰れば綺麗にできたと完結するゴミ。

でもこれは、今、何なのか。
ただ湧き上がる怒り と 刹那
男の審美眼が「美しい」と。




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