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法制審議会家族法制部会第28回会議議事録読む7~原田委員・柿本委員・佐野幹事・井上委員

婚姻制度は壊されている

実子誘拐の闇本はすごいよね

さて議事録~

○原田委員

 認知の場合について発言しようと思ったのですが、共同親権の場合の居所指定権については、また別に話す機会があるのですか。
○大村部会長 前に共同親権の場合について、監護者を決めたらどういうことになるのかということが議論されて、それは親権と監護の切り分けということとも関わるので、そこでまた意見を頂戴したいと申し上げておりましたので、今日は、ここでの固有の問題であるところの親権者と監護者の間での切り分けの問題と、それから共同親権の場合にどうなるかという問題、そのどちらについての御発言であっても、どちらを念頭に置いているのかということを明示していただければ、御発言いただいても結構です。
○原田委員 私は、分属した場合は監護者になるというのを先ほど申しましたけれども、共同親権の場合で監護者を指定していない場合にどうなるのかという問題が残っているのだろうと思います。
 それで、現在、離婚ができていない場合の共同親権下でどちらかの親がこどもを連れて出た場合、もう一方の親がそれに不服があれば監護者指定の申立てをして引渡しを求めるという手続になっていると思います。その場合に、片方の親が協議なく出ていった場合について、先ほど戒能委員から緊急避難というお言葉がありまして、前に親権者のできる行為の中で日常行為と緊急行為という言葉があって、緊急行為の中に含めるのかどうかという話が少しあったと思いますが、私はDVや虐待といわれないようなものでも、父母間の紛争が非常に激しくなって、お父さんとお母さんがいつもけんかしているような状況の中でこどもが生活せざるを得ないというときに、主たる監護者であったどちらかの親がこどもを連れて出る、こどもを置いて出れば、それはもうネグレクトに近い状態になりますし、そういう状態で、どちらがこどもを連れていくかということについて協議が調わなければ、それは連れて出るしか仕方がない、それを緊急避難という範囲に含めるのであれば、それでいいのではないかと思っていて、それに不服がある場合は、現行のように監護者指定を求めて引渡しを求めるという手続に入ればいいのではないかと思います。しかし、緊急避難と言えるのかどうかの問題もあり、規定として、例えば速やかにそれをするとか、申立権者をどちらにするかという問題があるかと思いますけれども、不服がある方がすればいいのではないかと思います。
 でも、私の曖昧な耳学問で、窪田先生からは御注意があるかもしれませんが、ドイツ法でも単独の監護者指定権を得た後に引渡しを求めるというような手続になっているというふうにある研修会で聞いたことがあります。共同親権下でもそういう手続をとっているという国もあると伺っておりますので、現行法のやり方でいいのではないかと思っております。
 あと、言おうと思っていた認知の件ですけれども、弁護士会では、認知した場合に共同親権を認めるかどうかについては賛否両論分かれていて、まとまりませんでした。でも、現行法では、母親の単独親権から協議で父親に変更することはできるとなっていて、当事者の協議によって定めるということになっておりますが、もしここで共同親権を入れるというのであれば、離婚の際の親権の定めのときのように、第三者の関与、私の意見では家庭裁判所で決めるという手続ですべきだと思います。
○大村部会長 ありがとうございます。原田委員からは2点あって、一つは、居所指定については、監護者が定まっているときには、それは監護者が行うと、これは親権行使が単独であれ双方であれ、そう考えるべきである。定まっていないときについては、基本的には現在のやり方をベースにして考えるということでよいのではないかという御意見だったかと思います。それからもう一つ、認知については、もし共同行使を認めるのであれば、それに御提案のような規律を掛けていく必要があるということだったかと思います。

連れ去りがあると監護者指定になるのよね

○柿本委員

 柿本でございます。第1の1(1)のところの、父母の一方が親権者、そして他方が監護者のときの身上監護に関する事項は、基本的に監護者が行うというところでございますが、そこから派生して、子の居所の指定が親権の内容に含まれることを定めているということでございますが、これが離婚後の父母の一方を親権者と定め、他方を監護者としたときの居所指定についても、監護者が子の日常的な身の回りの世話をする場所であることから、監護者が単独でこれを決定すべきであると考えます。
○大村部会長 ありがとうございます。柿本委員の御意見は、居所指定権について、監護者が単独で決めるというのがよろしいのではないかという御意見だということですね。

議論についてこれているのやら

○佐野幹事

 1点だけ、先ほど言うのを忘れました。認知の件です。認知に関しては、いろいろなケースがあるとは思うものの、やはりこどもの出生によって共同親権下で養育されるすべが全くないというのに合理性があるのかという点がありますので、認知の場合も一応、共同で親権というのを選択できる道を残すというのは必要ではないかと思います。
○大村部会長 ありがとうございます。認知の場合に、共同を全く認めないというのは適切ではないという御意見を頂戴いたしました。
 そのほか、いかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
 赤石委員、認知について、後で御発言があるとおっしゃっていたかと思いますが。
○赤石委員 しんぐるまざあず・ふぉーらむの赤石です。今日、去年皆さんに御提出した2,500人の調査のうちに未婚・非婚のお母さんの調査がありましたので、それを皆さんにお配りしました。特別集計なので、未婚・非婚のお母さんだけを特化して聞いているわけではないので、若干不十分なところもあると思うのですけれども、この議論をするときに、全く結婚しないでこどもを産んだ後の状況についてデータがないところで議論するのも非常に不十分な議論になるかなと思って、お伝えしたところです。
 やはり結論的には、選択制であれば共同の親権というのはあり得るかなと思います。認知手続というのは胎児認知を除けば一方的にできるということになりますので、それをもって共同ということにはならないわけであります。だけれども、なぜ未婚・非婚で産んだのかというところでは、本当にいろいろなケースがあるのですけれども、私が予想していたよりもDVや暴力によって別れたとか、あったという方は多かったと思いますし、単独親権を望む方は半分以上で、分からない方が大変多かったとは思います、去年の段階ですので。やはりこの方たちのニーズをきちんと把握した上での議論がいいとは思います。
 その上で、事実婚の方が望んでいるからここで認めるべきだという議論は、少し私は賛成しかねると思います。事実婚の方にも多種多様な方がいらっしゃると思います。そもそも婚姻制度にのっとらないで子育てをしたいというような方たちもかなりおられると思いますし、一方では婚姻障害というのですかね、夫婦別姓選択制で別氏を望んでいるけれども、それで婚姻届を出せないですとか、同性婚が現行法では認められていないとか、いろいろな形で事実婚にならざるを得ないというような方もいらっしゃいました。この方たちが、5人ぐらいの方に聞いたのですけれども、若干笑えるような不便はあるけれども、共同親権制度を望むことはないという方が結構いらして、一方で、非嫡出子を産んで非常に不安定な状況であること、あるいは差別をされていることから共同親権を望むという方もいらっしゃいました。とはいえ、よく聞くと、共同親権で解決できるのか、非嫡出子の差別ですとかそういったこと、心ない言葉ですとかそういったものがまず解消される方が望んでおられるのかなという感じもしたので、ここで、事実婚の方が望んでいるから、認知の後に、どんな手続になるかも分からないのですけれども、弥縫策として共同親権制度をやるのは、少し納得がいかないというのが私の思いです。
 やはり、これは別に法務省のせいでもなく、法制審議会のせいでもありませんけれども、1995年に法制審議会が答申した後、夫婦別姓選択制は28年、国会で実現していないわけですので、私も望んで活動したこともありますので、非常に残念だと思っておりますけれども、それが優先されるべきであって、共同親権にしたら何か認められるのではないか、みたいに思っておられる方がいることはいらっしゃるとは思うのですけれども、少し趣旨が違うとは思っておりますし、未婚・非婚の方の議論というのはほとんどできていない状況の中で、その中には性暴力やDVで妊娠されて、お父さんとの関係を望まない方もおられる一方、お父さんとの関係を望む方もいる。また、お父さんに御家族がいる方もいる、それから出産に全く否定的だったお父さんもいる、こういう状況の中で本当にどういう議論をしていくのがいいのかというのは、もっと丁寧な議論はすべきだと思っております。パッケージとしてフランスとかパックス法など、民事連帯契約などあるかに聞いていますけれども、そういう議論とともにやるべきであって、今この離婚後のこどもの養育のところでやるべき議論ではないのかなとは思ったところです。
○大村部会長 ありがとうございます。赤石委員からは認知の問題について、事実婚の人々が望んでいるからという議論の仕方については疑問がある、議論するのであれば、現在やっている問題とは別の問題として議論すべきではないかという御意見を頂きました。
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、部会資料28の第1についてですけれども、1の(1)と(2)とがありますが、(1)の現在の身上監護あるいは財産管理については細かいところで様々な解釈はありますけれども、一応こういうことだとして、これをベースに考えるということ自体については大きな反対はなかったのかと理解しております。その上で(2)は、ではこれをベースにしてどのように動かすのかということについてですけれども、この点につきましてはいろいろな御意見あるいはアイディアを頂きました。そうしたものを踏まえて、更に(2)の問題を考えていくとことになろうかと思って伺いました。個別の問題について、特に居所指定につきましては賛否両論がありましたので、なお考えなければいけないと理解をしております。
 それから、2につきましては、認知の場合につき御意見を頂きました。離婚後についてやるのであれば、認知の方についてもやる必要がある、それが整合的であるという御意見を頂く一方で、認知の場合には事情が異なるところがあるのではないかという御意見も頂いておりまして、これも更に検討する必要があると理解しております。
 以上のようなことで、この第1につきましては一応御意見を伺ったということで、第2に進ませていただきたいと思いますけれども、よろしいですか。
 ありがとうございます。それでは、残りの時間で、「第2 未成年者を養子とする普通養子縁組に関する規律の見直し」、ゴシックの「1 親権者に関する規律」と「2 未成年者の利益を損なうような未成年養子縁組に対する対応をするための規律」と二つありますけれども、区別をせずに、双方併せて御意見を頂戴できればと思います。どなたからでも結構ですので、お願いをいたします。

夫婦別姓の議論に突入しちゃうね

○井上委員

 委員の井上です。2の未成年者の利益を損なうような未成年養子縁組に対応するための規律について、発言させていただきます。
 過去の部会における議論で、全ての未成年養子縁組について裁判所の関与を要する制度の必要性を指摘する意見もあったかと思いますが、必ずしも養育が主の目的でない、家名の継承や節税などが目的の養子縁組なども現に存在する中で、全件の是非を裁判所が判断するのは、やはり現実性に欠けるのではないかと思っております。一律に若しくは限定的に裁判所が関与するにしても、件数の多さに起因して形式的な確認しか行われなかったり、確認の過程で子に心理的な負担を負わせたりするような事態を招かないよう、子の福祉や人格の尊重という観点から、必要な人材の確保を含めた家庭裁判所の体制構築の必要について留意すべきではないかと考えております。
○大村部会長 ありがとうございます。第2の2について御意見を頂きました。未成年養子縁組については家裁の関与を必要とするという意見がこれまでにも出ておりますけれども、様々な目的で養子が利用されるということに鑑みると、一律関与というのは必ずしも適切ではないし現実的でもない、もしそういうことを考えるのであれば、適切な関与がなされるような体制整備を講じていく必要があるという御意見として承りました。
 ほかにはいかがでしょうか。

養育目的外養子は禁止しようよ


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