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共同親権離婚,という治療

親権制の議論が沸き,単独親権制を改め共同親権制へと法改正すべきではないかというテーマについて,いつも考えているがさらに考えたところを記し始めて途中になってしまったので,つづき

共同親権論でいえば,非婚差別の解消にこそ本質にあり,それは,もはや忌むべき非嫡出差別との結びつきもあり,テーマが離婚に限らない

とはいえ,当事者性として多いのは離婚をきっかけに,親子の問題に直面して,世界が標準装備している共同親権制を日本が未整備であることに気づき議論になっている

そうすると,親権制の問題に思うと,共同養育・連れ去り,面会交流,養育費,片親疎外,子どもの貧困・・・いろいろなテーマも巻き込んでいくことになってしまう

親子の問題,親子はどうあるべきか,子どもの福祉の観点から,という世界に滑り込んでいく

が,実は,単独親権離婚か共同親権離婚か選べない(前者しかない)という離婚の自由の狭さという問題に整理すると,新たな視点に出会う

幅広い離婚の概念

昨日の発信で,離婚の幅広さに気づく

おそらく共同親権が標準の国では,ベッドを共にしなくなった時点で,それを離婚と呼ぶことが受け入れられているように感じられる

夫婦とて男女の情愛を基盤にしているというもの

でも,子どもを想う日本は,男女の関係が冷めても父母としても夫婦であるべきという圧力があるし,現にそうやって,家庭内別居,あるいは,セックスレスの極み,性的コミュニケーションは婚姻外で叶える(=不倫)ことさえ文化にもなっている

共同親権が標準だと離婚も破綻主義が完遂していて,不倫する前に夫婦関係を解消することも躊躇しないだろう

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単独親権か共同親権か,親権者がひとりかふたりか,という問題ではない

有責主義を原則として,協議離婚は楽だけど,ひとりでは離婚できない仕組みを採る日本では,かつて愛し合っていたはずの夫婦が完全に破綻し,憎しみあい,もう絶縁状態,という究極の段階までにいかないと,裁判所は離婚を認めない(上記図でいうところの乙の点)

そこまでの関係だからこそ,離婚は限定的な意味で,もはや共同養育なんぞ観念しえず,単独親権が望ましい,ということになる

だが,共同親権制を標準とするのならば,愛の失われた男女はもはや夫婦ではなく,離婚と呼ぶべきポイントが前倒しになる(甲の時点)

日本では,甲から乙の間も,我慢して夫婦として共同親権の下子育てを続ける場合がある

あんたがいるせいで離婚ができなかった,なんていうセリフほど呪いめいたことはないが,共同親権制の意味は,憎しみが深刻化する以前で夫婦関係を解消するので,ライトな人間関係を継続することができ(そのためのサポート体制もある),だから,共同親権となって,共同養育が可能になるのである

実は,甲から乙の間の共同親権という意味では,単独親権制でも共同親権制でも共通するといえる

違いは,共同養育ができる関係にある親を父母としか呼べないのか,夫婦と呼ぶのか,という差になる

乙移行の絶縁が相応しい状態というのは,暴力や虐待のあるケースにおいては,親権がどうあるべきかについても,実は共通しているといえることになる

むしろ,乙まで待つことなく甲の段階で,夫婦関係を解消できることが,怨みや憎しみの増長を回避し,結果暴力のある関係に至ることも予防できることに貢献するのである

共同親権制の本質は離婚の前倒し

離婚がしやすい,とも増えるとも違う

共同養育ができる程度には協力できる関係性において,夫婦であるかどうか拘束しない自由の獲得である

破綻主義の意義がそこにある

そして,ひとりでは離婚できない仕組みから,一方的に離婚できる仕組みにシフトする

好きな人ができた,であっても,離婚できるのである

一見裏切られたようにも思いがちだが,不倫が遊びであれば,誰をも不幸にするものに他ならないが,時に男女の縁は不思議なもので,本気の愛ということもあるだろう・・・その場合においては,せめて手続きにのっとって誠実に対応するのであれば,特段責めることなく,より良い関係性へ構築し直した方がどれだけ有意義であろう

正妻の座は譲らないと固執したところで,幸せは満たされない

裏切られたと思うほどに愛が残るのであればこそ,相手の幸せを祝福したっていいし,実は愛が残っていなかったと気づくのであれば,それこそ幸いなチャンスとなるだろう

憎しみを残さずに他人になる仕組みが求められるのである

その分,子どもの福祉は社会が責任をもって配慮することになる

それが子どもの権利に由来する共同親権制の真相である

子どものために我慢することなく,親も幸せになっていい

共同親権制を知ればしるほど,親も子も幸せになるために必要な治療薬なのだとよくわかるのである

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