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法制審議会家族法制部会第15回会議議事録3~大石委員・畑委員・木村幹事・青竹幹事・北村幹事・久保野幹事・窪田委員・池田委員

 もういよいよ

あとは、毎日共同親権アクションをするばかり

議事録も読んでいきます

○大石委員 


千葉大学の大石です。ありがとうございます。私も、小粥委員がおっしゃったことに賛成です。それから、年齢が低いといいましても、子どもに判断力や意見がないというような扱いになってしまうのは、やや納得がいかないところがあります。事務局からお示しいただいた養子に関する調査では、比較的幼い年齢で養子縁組をしたとかいう例も多くあります。そうした子どもにとっても、また養親になる人にとっても、この制度についての必要な情報というのが余りに知られていないのではないかなというのは、事務局からお示しいただいた調査を見ても思います。また、先ほど小粥委員がおっしゃったように、一定の年齢、例えば15歳に達した段階で、意思確認をするような、一種のレビューが行われてもよいのではないかと思います。
 また、家裁の関与については、行政負担や家裁の負担の増加を理由に、選択肢からなくなってしまうのは、やはり子どもの立場からは問題であると思いますので、もう少し関与の方法などを議論していただきたいと思います。
○大村部会長 ありがとうございます。大石委員からは、直前の小粥委員の御意見に、基本的な方向として賛成であるという御意見を頂戴いたしました。あわせて、年齢は低くても、子どもが判断できないわけではないという御指摘、あるいは、制度について十分な情報が得られていないので、親だけでなく子どもにも、情報提供して判断の機会を与えるべきではないかという御指摘を頂きました。

常識的なことを言ってくれている


○畑委員


 畑でございます。1ページの(5)の養子の必要的聴取というところですが、まず、言葉の問題として、これは、必要的陳述聴取とする方が分かりやすいし、法律用語的にもよいのではないかと思います。それから、その中身、内容ですが、6ページの説明ですとか、9ページの(注1)などに記載がありますが、家事事件手続法を作る際に、一定の考え方に基づいて15歳以上としておりまして、かつ、15歳未満であっても、子の意思の把握はすべしということになっております。現状で余り大きな問題が生じていないということであれば、現状を維持してもよいのかなということを思います。
 ただ、代諾縁組の基準となる年齢と陳述聴取の対象というのは、資料の6ページにあるように別問題ではあるのですが、もし代諾縁組の基準となる年齢を引き下げるのであれば、それは実体法的にその一定の年齢の子どもにはそれだけの判断能力があると、それも定型的にあると判断するということだと思いますので、そうすると、必要的陳述聴取の年齢の方も引き下げる方が、整合的ではあるのかなという気はいたします。
○大村部会長 ありがとうございます。畑委員からは、(5)の養子の必要的聴取と書かれている項目について、まず用語についての御指摘があった上で、内容について、現状に問題がなければ、現状維持でもよいのではないかと思われる一方で、代諾の方について、年齢を下げるのであれば、それと平仄を合わすというのがよいかもしれないという御指摘を頂きました。

実際、聴いたところでっていう懸念はあるんだけどね


○木村幹事

 最高裁木村でございます、ありがとうございます。家裁の許可の関係でございますけれども、連れ子養子や孫養子につきましては、類型的に子の利益が相当程度確保されているということが、現行法の規律の背景にあると考えられますところ、子の利益が害される場合というのはどのような場合であって、そのような事案というのはどの程度あるのか、また、合理的な許可要件というのはどのようなものか、例えば、部会資料の4ページに家裁の許可に係る考慮要素及び許可基準として、現在の家裁実務において考慮されている事情等が幾つか記載されておりますけれども、連れ子養子や孫養子といったことを考えたときに、それぞれ何を裁判所として見るべきなのかということ、あるいは、養子縁組をしようとする側から消極方向の資料の提出が期待できない中、家庭裁判所がどのような審理、判断を行うかなど、様々具体的に検討される必要があろうかと存じます。
 部会資料にもありますとおり、本来子の利益を慎重に見極めなければならない事件が埋没し、結果として、子の利益を損なう危険性があるといった懸念もあることも踏まえ、制度を設ける目的と、これにより得られる効果や手続的な負担のバランスが取れたものとなっているのかといった観点からの検討も必要と存じます。得られる効果という観点からは、一読の際にも御指摘ありましたが、裁判所が却下したという場合に、その後どうなるのかといった、同居状態が防げるのかとか、そういったことも御指摘があったと承知しております。
 いずれにしましても、現行法制を変更すべき立法事実がどのようなものであるかということを踏まえつつ、具体的な許可要件や考慮事情等にも踏み込んで御議論を頂きたいところでございます。
○大村部会長 ありがとうございます。木村幹事からは、家裁の許可について2点、一つ目は、連れ子や孫養子については、現行法は子の利益を害しないという建て付けになっていると思われるけれども、子の利益を害する場合というのはどういう場合なのか、その場合に、どのような許可要件を定めるのか等を詰めて考える必要があるのではないかという御指摘と、それから、今までの委員、幹事から既に御指摘のあるところですが、負担と効果の見合いということも考える必要があるだろうという御指摘を頂きました。

連れ子養子、孫養子、愛があればいらないんじゃない?


○青竹幹事

 代諾縁組について少し確認をさせていただきます。代諾縁組の場合は、常に家裁の許可が必要となっているのではないかと思います。そうしますと、未成年者を養子とするには家裁の許可を得なければならないとなっていますが、代諾縁組は15歳未満ということになりますので、家裁の許可が必要ということになります。代諾縁組の年齢を引き下げるという方向ももちろんあるのですけれども、家裁の許可の中で、子どもが拒否している場合には認めないといった、その子どもの意思をやはり尊重するといった方向で、そういう規律の仕方もあり得るかと思います。
○大村部会長 青竹幹事の今の御意見ですけれども、代諾縁組の場合について、法定代理人が代諾する。それについて、家裁の許可が常に必要であるというのは、どの規定を指していますか。
○青竹幹事 798条で、未成年者を養子とするにはとありますので、代諾縁組だと15歳未満が養子になりますので、家裁の許可が必要なのではないかと思います。
○大村部会長 それはそうですが、配偶者の子どもを養子にする場合のことを、皆さん想定されて発言されていると思うのですが。

子どもが拒否を示せるかっていうこと
そうすると、子どもを守るのは、親よねぇ


○北村幹事

 今の御質問について、民法797条では養子となる者が15歳未満であるときは、その法定代理人がこれに代わって縁組の承諾をすることができるという規定がございまして、また、民法798条で、未成年者を養子とするには家庭裁判所の許可を得なければならない、ただし、自己又は配偶者の直系卑属を養子する場合はこの限りでないとされており、連れ子養子の場合が一番問題となり得るのかなということで議論させていただきました。
○青竹幹事 それに限定しているということですね。分かりました。
○大村部会長 ほかにいかがでしょうか。

連れ子養子にフォーカス


○久保野幹事

 ありがとうございます、幹事の久保野でございます。父母の関与についてでございます。父母の関与につきましては、関係性の実質によるのであって、状況に応じて関与を検討していくのがよいという御意見の方向になっておりまして、その価値判断自体には私も賛成ではございますけれども、ただ、今後に向けての考え方としましては、もう少し、父母である、あるいは親であるということから、原則としては通知だけはするといったような可能性について、一つの考え方としては残して検討していく方がよろしいように思います。
 その理由は3点ほどあるのですけれども、一つは、佐野幹事の御発言の中にありましたとおり、親権変更の可能性がなくなるという効果に、今のところ結び付いているわけですので、そのことをどう考えるか、あるいは先ほど佐野幹事から御提案があったように、むしろそこを、関与に問題があるのであれば、そちらを見直すというような可能性についても考えながら見ていくということが、よろしいように思います。
 もう1点が、同じような発想から、つまり親権者の変更の可能性が奪われるということと似たような発想から、民法797条の2項の後段で、親権を停止されていても、この場合は同意まで認められており、同意となっているのは、やはり関与がないうちに親権を再び行使する可能性がなくなるということを考慮して、このような条文が入っていると思います。この条文から、直ちに父又は母の同意を必要とすべきだと申し上げるつもりはないですけれども、この条項との関係といったことを考えていく必要があるのかなと思います。
 三つ目が、資料の方でも9ページで、部会資料12、13との関係を踏まえての引き続きの検討について触れてありますけれども、それらの議論のときに、何らかの形で共同関与を認めるときの最も軽い関与の在り方としての重要事項について知らせることについては、親である以上は知らせるという考え方がありうるという御指摘が出ていたところでして、そのことを踏まえますと、養子縁組はやはり知らせるだけは知らせるというのが原則だと考えた上で、例外的に長年の無関心といったような事情がある場合には、親としての最低限認められるべきものさえも奪われることがあるとして例外と位置づけるといったような考え方もあり得ると思うところです。
○大村部会長 ありがとうございます。久保野幹事からは、父母の関与について、先ほどから場合によるといった御意見出ていますけれども、原則通知という選択肢をベースに置いて考えるというのはどうかということで、先ほどの佐野幹事の意見及び現行法及びここでの議論との整合性という観点から、それが望ましいのではないかという御説明があったと受け止めました。

バランス感覚ー


○窪田委員

 神戸大学の窪田でございます。もう随分議論が出ていた年齢に関してなのですが、現時点で、選択肢を増やすというのは適当ではないのかなと思って、ずっと発言しませんでした。ただ、基本的には、この問題については、自分自身で養子縁組ができる年齢についての問題と代諾の対象となる年齢の問題という二つの問題があり、現在は15歳というのが、15歳までは代諾だし、15歳以降は自分でということなのですが、本当にその二つをリンクさせた上で議論する必要があるのかなというのは、ちょっとよく分からないという気がしております。
 例えば、家庭裁判所の関与という条件の下で12歳という年齢に引き下げるというのは、ある意味で十分に合理的な選択肢なのかもしれないという気もするのですが、他方で、一般論として、12歳という年齢が、それほど成熟しているのかというと、私自身はまだちょっと悩んでいる部分があります。その点では、15歳というのは、やはり一定の意味を持った年齢だったのではないかという気がします。ただそれに対して、15歳になるまで、親が言わば専権的に代諾という形で、子どもの意思を介入させずに養子縁組についての判断をするということに対する、多分疑問というのも出ていたのだとすると、もちろん家庭裁判所の許可という要件を重視した上で12歳に下げるというのもありますが、例えば、15歳という年齢を維持した上で、12歳以上については子の同意が要るといったような形での別の組合せというのもあり得るとのかなと思いました。
 この二つの問題をセットにして、12歳がいいか、15歳がいいかという議論の仕方とは別のやり方もあるんではないかなということで、ご検討いただければと思って発言させていただきました。
○大村部会長 ありがとうございます。窪田委員からは、年齢の問題について、自身が養子縁組を行うときの適齢の問題と、代諾について子が関与する場合の年齢とは分けて考えられるのではないかという御指摘を頂きました。
 池田委員、赤石委員の順番でお願いいたします。

一律廃止案もいいよね

○池田委員

 弁護士の池田でございます。2点申し上げたいと思います。まず1点目は、養子縁組した後、元の親権者で、今、親権者でない者が親権者の変更の申立てがもうできなくなってしまうという点についてですが、これは、できるような可能性を開くべきではないかと考えています。佐野幹事がおっしゃったことと理由は同じです。実親の関与をどのように認めるのか、あるいは認めるか認めないのかも含めてという議論がありますが、そことの関連性ということにおいても、重要性を持ってくるのではないかと思いますので、その可能性を検討すべきだと考えています。
 それから、2点目ですが、家裁の許可を必要とする場合に、どのような場合に不許可とされ得るのかとか、不許可となった場合でも、養親になろうとした者と子どもとの生活というのが実態として続いていくとすればどうなるのかという御指摘が、最高裁の方からあったかと思いますので、その点について少し述べたいと思います。許可の基準というほどのものではないかもしれませんけれども、不許可の具体例を考えてみます。例えば、養子縁組が何度も繰り返されている場合があると思います。直前に頂きました養子縁組のアンケートを拝見しますと、7回くらい繰り返しているようなケースも複数あったかと思いますけれども、そこの中身を見てみないと分かりませんが、仮にそれが、親権者である親が再婚、離婚を繰り返して、その中で養子縁組も縁組、離縁、縁組、離縁と繰り返しているのだとすれば、恐らく、夫婦関係と子どもとの関係を混同しているのではないかということも考えられますので、そういったチェックを入れることで、これ、本当に必要なことですかというふうな問い掛けができるのではないか、その中で除外されていくというケースもあるのではないかと思っています。
 それから、二つ目の例としては、養親となろうとする者が、非常に虐待傾向のある、それを公言してはばからないというようなケースなどがあって、やはりこの親に親権を与えると非常に危険なのではないかというようなケースも、考えられなくはないと思います。そんな具体例があり得るのかなと思いました。
 それから、とはいえ、養子縁組を許可しない場合でも、なお同居関係が続くというときにどうなるのかということですけれども、これは、継親子関係ということで、今でも養子縁組を選択しない場合にはそうなるわけですから、そうなるだけの話ということですね。例えば、虐待傾向の非常に強い、虐待を公言してはばからないような親が仮に継親として残ったような場合、それでも不許可に意味があるのかということですけれども、例えば、そんなケースで、親権者の方が継親の虐待を止めないとか、あるいはその虐待に加担をするようなことがあれば、児童相談所が介入することになります。それで、例えば里親委託、あるいは施設入所というときに、誰を親権者として相手にするかとなると、やはり継親は飽くまで継親でしかないので、法的な手続においては、位置付けが非常に低いわけですね。その意味で、親権を持っているか持っていないかというのは、その場面で非常に重要になってきますので、そこで養子縁組を認めないという選択肢というのは、重要な重みがあると考えています。
○大村部会長 ありがとうございます。池田委員からは2点御意見があったかと思います。1点目は、佐野幹事もおっしゃっていたことですけれども、親権変更申立ての可能性を開いておく必要があるのではないかということ、2点目は、家裁の許可に係らしめた場合に、不許可とされる場合の例を挙げていただきました。また、不許可とされた後どうなるのかということについては、継親子関係とおっしゃったかと思いますが、姻族1親等の関係が生ずるにすぎないという御発言があったと理解をいたしました。

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