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共同親権セミナー@初心者向け

期日がほぼ全取消になって、その連絡ラッシュ、幼稚園休業で保育が必要な子の受け入れも条件つけるということでその対応、うっかり引き受けた新件相談、ZOOMの練習、と何となく慌ただしいなか、光栄にもセミナーのご依頼を受けました!

共同親権弁護士、語る

これまでいろいろな機会はあったとはいえ、弁護士向けか、当事者向けか、共通土台が最低限ある中での解説ではあったけども、今回は、非当事者、非法曹向けに「共同親権の話って何なの?」を手短く語るというもの

ああ意外と難しいー手短くできるのか?

そんな折に、ちょうどのタイミングでこの報道

話題の切り口として、いいよね

昨年秋の報道もメモ

その前の夏のことは、記事にしてある

このときの共同親権研究報道は、実は、ハーグとの関係での外圧だったとも聞く

ハーグ条約っていうのは、子の連れ去りはよくないっていうことを趣旨として、連れ去っても、原則戻すというものではあるけども、そういう連れ去り禁止は、国境を跨ぐ場合の連れ去りに限定して、日本も条約を批准していたとしても、日本国内の連れ去りは無規制という運用がある

そんな無法地帯でいいわけがない、ということで、今年、連れ去り違憲訴訟が提訴されている

国家賠償請求の集団訴訟は去年、共同親権訴訟として提訴され、裁判が始まっている

国会でも、よく話題になっているので、文字起こしされたもの

何が問題?単独親権と共同親権

日本の民法は単独親権制を定めている

第818条
成年に達しない子は、父母の親権に服する。
子が養子であるときは、養親の親権に服する。
親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。

非婚は単独親権になるということ

第819条
父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない。
裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の一方を親権者と定める。
子の出生前に父母が離婚した場合には、親権は、母が行う。ただし、子の出生後に、父母の協議で、父を親権者と定めることができる。
父が認知した子に対する親権は、父母の協議で父を親権者と定めたときに限り、父が行う。
第1項、第3項又は前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、父又は母の請求によって、協議に代わる審判をすることができる。
子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の親族の請求によって、親権者を他の一方に変更することができる

このために何が起きているかというと、婚姻関係にある父母が離婚をするとき、必ず親権者を父母のどちらか1人に決めなければいけない

(婚姻をするとき、必ず氏を夫婦のどちらか1つに決めなければいけないことと似ている)

単独親権者の指定も氏も戸籍記載事項

ただそれだけのことなので、戸籍=公的な窓口としての親権者を記載することだけであれば、譲り合えるかもしれない

対立が煽られていく実情

親子の関係は、戸籍に記載される以上に実態が多様にある

一緒に暮らすかどうか

子どもにかかる費用=養育費
子どもと過ごす時間・そのあり方=面会交流

養育費や面会交流を取り決めて、両方続くことは子どもにとって利益

どちらも子どもの権利として大切

しかし、9割がた協議離婚となる日本では・・・

戸籍に記載する親権者を決めるだけで、養育費や面会交流は必ずしも決めなくてもいい

決めていない養育費が払われること・・・・ない→子どもの貧困

面会交流の権利性の乏しさ・・・→親子断絶

面会交流や養育費の議論はあえて切り離しておく

親子の交流が続き、子育てにかかる費用の分担も適切に行われ、幅広い意味で父母が協力している状況を共同養育という

戸籍の記載事項にかかわらず共同養育をすることは可能(夫婦別姓が法制化されていない中で、通称使用が認められているのと似ている)

それでも、選択的夫婦別姓制度の議論が終わらないのと同様に・・・

法制化されていない共同養育は、実現することがとっても困難

(理由)

支援が乏しい
離婚に区別がない~DVも不貞したも不貞されたも全部同じ?
共同養育が子どもの福祉であり親の責任であるという周知不足
協議離婚ができないときの裁判所の利用と弁護士への相談が葛藤を招く
悪名高き調停制度・・・どの立場も不満があるが調停委員は頑張っている
別席調停による伝言ゲームが感情の対立を深めていく
調停前置主義だから、調停がないと訴訟もできない
破綻主義ではない有責主義→誹謗中傷合戦→離婚判決確定時にはズタボロ

どうやって、父母協力するというのだ?

共同親権制のある国

夫婦であることと親子であることを切り離す
婚外子でも認知による父子関係があれば共同親権になることがある
非婚差別がない
婚外子でも子どもは平等
共同養育は親の責任:子どもの権利条約を遵守する
親教育
離婚時に親権者を決めるのではなく、養育計画を定める
協議離婚ができない
養育計画がなければ裁判所は離婚を認めない
ただし、破綻主義(不貞相手からの離婚請求も認める)
養育費の強制徴収制度・面会交流不履行に対する制裁(法廷侮辱罪)
フレンドリーペアレントルール

結果、原則として、共同親権(養育計画のもと単独親権になることはある)

離婚しても・・・というか、父母の婚姻関係の有無にかかわらず、両親ともに親として、子どもの養育の責任を果たしていく

交代監護や潤沢な面会交流(日本の裁判所は、月に1回数時間)

父母が対等だからこそ、子育てシェアも対等になる効果

性別による固定的役割分業の解消に貢献する

日本のジェンダー指数が低い要因ではないか?

冒頭の調査結果によると、24か国中22か国が共同親権

単独親権はトルコとインドだけ

いずれも共同養育理念に基づく司法の働きかけが始まっている

調査対象外の北朝鮮と日本は、拉致国家と呼ばれている

世界からの眼差し

国連子どもの権利委員会から、日本に対する勧告がある

共同養育が徹底できるよう法改正をすべきである

DV・虐待のケースにおいては、親権制限制度の活用により、適切に規制する

共同親権制に改めないということは、DV・虐待の問題も放置することに通じる

現に、単独親権制の一番の問題は、DV加害者が単独親権者になることを許すことにある

連れ去り・親子断絶は、DVと言っていいだろう

国連には、児童虐待国という指摘もある

児童虐待についても単独親権制が絡んでいる

統計資料に寄らずとも、報道から感じるとおり、母の内縁・再婚相手による児童虐待が問題となっている(もちろん、実親子関係によることもあるし、ステップファミリーが円満なこともある)

上述の共同親権検討報道のきっかけとして、目黒女児虐待死事件があることがわかり、昨年の秋の裁判報道からは、DVの指摘もあるが、主犯たる養親の「親になろうとしてごめんなさい」という最後の言葉が印象的である

単独親権制が、他人なのに親になろうとしてしまう

再婚養子縁組の場合、代諾養子縁組といって単独親権者の独断で養子縁組ができてしまう

しかも、裁判所のチェックがない(普通養子縁組で未成年者を養子とする場合には、原則として裁判所の許可がいる)

血縁関係のない他人の子の子育てについて適格性も問われず、また、適切な指導もない中で「親にさせられていく」

児童相談所も問題

ここでは省略するとして、あまりにも安易に親権者となり、懲戒権も持つことになる

他方、非親権者となった親は、面会交流ができなければ、わが子の成長を知ることもできず、児相に相談をしても、親として扱われない

継続的に定期的に面会交流があれば虐待があっても発覚しやすい、子ども相談して逃げ場がある、それゆえ、そもそも虐待抑止に貢献する(だから、世界は共同親権を選んでいる)

アメリカでの親教育

子どもにとってスラム街より危険な場所がある

それは、ママとその彼氏のいるところ

男女差別、子育ては母親のものという潜在意識

アンコンシャスバイアスが根強い男社会の法曹・裁判所

子どものことを愛するパパ(最近はママも多い)がわが子に会えなくなっている

イクメンの星でもわが子に会えなくなる


共同親権制について、正しく知ってほしい

子どもの命と心と未来を守るために

一緒に考えて欲しい

(セミナー用メモ)


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