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共同親権関連文献紹介4

文献紹介がんばっていたのに、少し忙しくなり、昨日は告知にとどまっていた

大阪共同親権セミナー内容も見えてきた

いい天気なのに、書面づくりの日曜日で、いろいろ振り返り

発見もしたり

せめて、文献紹介しておこうかな、って

【座談会】論説 親族法の改正(二)
「法制審議会民法部会小委員会における仮決定・留保事項(その二)」に関連して


久々に我妻氏と闘おう!

三 父母の共同親権

(1)父母の意見と一致しないとき

我妻 それでは親権の内容の話はこのくらいにして、共同親権(第四十)に入りましょう。さっきもちょっといわれたように、戦後の立案のときには非常に問題にした。男女の平等とか父母の平等という立場からいうと、旧法のように母が親権者である場合に、親族会の制限を受けるということは、むろんやめなければいけない。しかしそれだけでは足りない。父母が結婚している、普通の場合には共同親権でなければならないというので、共同親権に踏み切ったのです。その共同で行うという文句をいかに解釈すべきかは、これは解釈の問題として残るだろうと思います。しかし、それは別として、一番大きな問題は、意見が一致しないときにどうするかということなんです。あの立案のときに多少は考えたですね。(※ 親権と後見ー(一)親権者の決定は最後まで問題となる「民法改正の経緯」一六三頁以下。)

奥野 父母の意見が一致しないときの規定がスイス民法などにあるし、司令部でもその場合の規定を設けてはどうかという話もあった。

我妻 スイス民法は、父母の意見が合わないときは父の意見に従うという、これほど原則と「例外」のくいちがうものはないといわれている。

 ドイツの新規定も、不一致のときは、父が決定する、母の意見を考慮にはいれろという訓示規定はついているし、また例外的に母が決することもありますが。

小沢 あのときは、一致しないことはまずなかろう。まあ一致しないときには、それはその事態が子のために利益でないものだからできないということでけっこうなんだというようなところまで、しいて徹底して考えたのですけれども、しかしそれでいいのかなという疑問はあったのです。ただ、原案を説明するために、あれくらいのところまでは内部でも相談し、司令部にもいった。

我妻 たとえば子の財産を売るという場合に、父親が売るといっても、母が売らないといえばできない。しかし実際は、反対しても父親はやるだろう。

小沢 司令部自体も、その規定がなくてもすむというのが、非常にふしぎそうな様子でしたね。それていいのかという・・・。

我妻 それはそれですまないというのがほんとうだろうが、日本の場合はすんでいるのだね。

小沢 しかしその後だいぶ事情もかわってきましたから・・・。

我妻 小委員会では、だいぶ問題にしたでしょう。

 小委員会で何か救済規定を設けようというふうな気持では一致していたと思うのですが、ただ、それを具体的にどういうふうにするか、家裁をそこにもってくるというのもだれでもが思いつくわけですが、それを家裁が一体その事態について何か自分できめるのか、それとも家庭裁判所が父の意見によれとか、母の意見によれとかいうふうなことをきめるのか、その辺をどうするのかということがだいぶ議論になって、結局はっきりきまらないままだったと思います。

我妻 むずかしい問題ですね。

小沢 新民法になってからだいぶ年数もたったわけですが、いまになって考えれば、何か手当をしておかなければいけないという気がするのです。

我妻 ひにくな言い方をすれば、何とか手当をしなければならぬ事情になったということは、それだけ母の意思が重んじられるようになったことだから社会の進歩だ、非常に喜ぶべきことだといえる。だから、何とか立案しなければならぬが、さて立案がむずかしい。

奥野 実際問題としてそういうことがあるのか。

我妻 実際問題としてあるのかというのは、多くの場合、父親のいうことにきまるだろうということじゃないですか。どうです君の考えは。

奥野 妥協をして適当にいくのじゃないかな。まあそういうこまかいことも規定しておくのいいけれども・・・。

中川 家裁へいくことにしても、子供を東大に入れるか、慶応に入れるか、あるいは法学部にするか芸大に入れるかということで、細君が家裁にかけ込むというようなことがありうるかどうかということであって・・・。

我妻 だから家裁がきめるという規定を置いたところで、利用されるかどうかとなると問題なんだけれども、しかしとにかく百人に一人か千人に一人そういう例がでてきたら、やはり道だけは開いておくということは考えられるだろう。

村上 問題になるのは、財産管理だけですか。身上監護についても不一致ということは考えられますか。

中川 それは考えられますね。いまの学校選択みたいなことは、実際もちょいちょいあるんです。ただ、それが家裁にいくほどの争いになるかどうかは問題でしょうけれどもね。

我妻 それからドイツでも男女同権法の制定の際に非常に問題にしたのです。わが国で考えれば家裁が関与する他に途がなさそうだが、その関与の仕方に二つ考えられる。その一つは、甲か乙かといって具体的に家裁にきめてもらうことで、もう一つは、その事項については父親にまかせるとか、その事項については母親にまかせる、というふうにやや包括的に家裁がきめることです。その二つ方法が考えられる。そして、財産管理のほうですと、この不動産を売ったほうがいいか、売らないほうがいいかという個別的な問題について、家裁がきめることもできると思うが、中川君がいったように慶応に入れるか早稲田に入れるかという問題や、女の子の場合に、大学に入れるかそれともお嫁にやるかという問題になると、それは母親が決定しなさいとか、父親が決定しなさいとかいう包括的なこと以上にはやれないと思う。

村上 子供を慶応にいれるか早稲田に入れるか、家庭裁判所にきめてもらうというのもこっけいですね。家庭裁判所の関与すべき問題ではないでしょう。

中川 それはこっけいといえばこっけいで、こっけいでないといえばこっけいでないといえるでしょうね。つまり、法は家庭に入らずというような一種の封鎖的家族観念からくるのでしょうが、子供にとっては非常に重大な問題なのですからね。ことに美術をやるとか音楽をやるかというような場合は、ね。

我妻 まず調停にかけるのだから、調停で話をして説得すれば…。

中川 しかし子供のことで人さまに手数をかけるなんていうおやじは情ない奴だという、そういう考え方が根本に一つあるのだと思いますね。

奥野 十五歳未満の子供を養子にやるときの代諾なんていうものは、親権の中に入るのですか。法定代理人というのは、親権の中に入るのですが。

中川 そういうふうにしようという…。

奥野 そういう場合には分かれるでしょうな。おやじは養子にやりたいというし、おふくろはいやだというようなことは…。

中川 婚姻の場合は同意権者が父母になっているけども、父母の意見不一致の場合は一方の同意だけでもいいということを規定したので、問題がなくなったわけですが、養子の場合はそういうことになるでしょう。

 今度は、婚姻も親ではなくて法定代理人にしようという意見が強いわけです。

奥野 そうすると、婚姻の場合にまた分れますな。

70年前に、難しい問題ですねーといってまさか70年以上放置するとはね

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