マガジンのカバー画像

私家版写真集『flows』(2022)

6
●私家版写真集『flows』 著:小金沢智 写真:吉江淳 アートディレクション・デザイン:平野篤史(AFFORDANCE) 発行日:2022年3月24日 印刷・製本:株式会社 八… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

映像「『flows』を見る/読む」のこと④

今回の映像では、シンガーソングライターの前野健太さんのこんな言葉が編集で抜き出されている。これは、トークからライブに移り、私から前野さんのご紹介をしたほとんどすぐ後のもので、映像では「戦争が夏でよかった」が続いているが、実際には、このあと、「夏が洗い流したらまた」、「東京の空」、「天気予報」、「戦争が夏でよかった」、「虫のようなオッサン」と5曲を歌っていただいた。「戦争が夏でよかった」は私からのリクエスト、「虫のようなオッサン」は予定時間を超過する中でのアンコール。そして合間

映像「『flows』を見る/読む」のこと③

◉映像「『flows』を見る/読む」 https://youtu.be/FacHmillP5k 出演:小金沢智、平野篤史、吉江淳、前野健太 会場:iwao gallery 撮影・編集:岡安賢一 スペシャルサンクス:山本直彰 収録:2022年8月19日・20日 公開:2022年12月10日0時0分 32分13秒

映像「『flows』を見る/読む」のこと②

本日2022年12月10日、映像「『flows』を見る/読む」をYouTubeで公開した。2日間の記録を32分13秒の映像にまとめてくれたのは、岡安賢一さん。彼とは、彼の拠点とする群馬県中之条町の芸術祭「中之条ビエンナーレ2013」に、私がイマジンというグループで参加した際に知り合った。そのとき、私が立案した企画を岡安さんは面白く思ってくれ、その後、初めて会ったのはいつ・どのような機会だったか覚えていないが(岡安さん、ごめんなさい)、私が2015年、同じく群馬県に新設される太

映像「『flows』を見る/読む」のこと①

2022年12月8日20時40分、今年の夏に、iwao galleryで行った自主企画「『flows』を見る/読む」の記録映像を何度も見ながらこの文章を書き始めている。無性に書きたくなってしまった。映像の撮影・編集は岡安賢一さんにお願いし、イベント「『flows』をめぐって」にご出演いただいた方・関係者の方々に確認をしていただきながら、公開の準備を進めてきた。まだこの時点では公開しておらず、明後日2022年12月10日、『flows』の主役と言っていい、私の父・小金沢啓一の命

寄稿:私家版写真集『flows』について(吉江淳)

「flows」という写真集とは何なのか、「flows」を見る/読むという企画とは何だったのか、ということを会期中に幾度となく考えていた。 勿論、それらは小金沢智という人物によって生み出されたことは間違いがない。 前野さんも言っていた通りそこに意図は大きくあるものの、確信犯的だったり予定調和といった感じは一切しない。まるで海や大きな川に自ら小舟を浮かべて流れのままに彷徨っている、先へ先へと流れ進んでいるのを受け入れているような印象を受ける。 この写真集には中心がない。亡くなっ

私家版写真集『flows』について(note版)

写真集を作った。作ったと言っても、写真を撮ったのは私ではなく、デザインをしたのも私でもない。私はそういう具体的なことは何もできない。どなたかにお願いして、その物事に関わっていただいて、作っていただく、ということしか私にはできない。 これまで、写真集を作ろう、と思ったこともなかった。2021年12月10日、父が亡くなって、ここ数年ほとんど実家に帰らず、数年来病気の父と会わなかった私の後悔から、「父の葬儀の1日の写真を撮ってもらいたい」と思い、ほとんど無理やり写真家の吉江淳さん