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私の税理士事務所敗戦記 始末書を書きました。EPISODE16

 税理士としての失敗、税理士業そのものでの失敗として、そんなにたいした失敗はないのですが、

 税理士会に呼び出されて始末書を書いたことがあります。

 2ヶ所事務所にひっかかったというか、

 もろに2ヶ所事務所でした。

 高校が、塀もない校則もほとんどない(酒、タバコ、バイクはみつかったらだめ)自由な校風だったため、規則を守るというよりも、どこまでやったら先生に叱られるかというせめぎあいを繰り返していました。

 いろいろ試した結果、夏場にビーサンで学校にいくとさすがに「学校なめすぎやろ!」と叱られるというような経験則で暗黙のルールができていました。

 おとなになってからも若い頃はそんな感じで世の中をなめていました。

 大阪市内で税理士事務所を開業しましたが、その後自宅に事務所を移転しても登録は大阪市のままでした。大きな支部は税理士会の役が回ってこないので楽でした。

 まだ長女が赤ちゃんで仕事の合間にベビーカーを押して昼間から家の近所を散歩していました。妻から近所のひとが不信に思うので自宅に税理士事務所の看板をたててくれないかと訴えられました。

 それで看板を立てたら速攻で税理士会に通報があり呼び出しを受け証拠写真を何枚か見せられました。暇な人もいるもんだと思いながら「二度とこんなことはしません。」という始末書を書きました。

 どういうわけか、税理士事務所は1ヶ所しか持つことができないのです。おそらく複数の事務所を開くと、そのうちどれかで資格のないニセ税理士が仕事をすることになるという問題ではないかと思います。

 ニセ税理士の排除というのがこの業界における大きな戦略課題です。

 とはいえ2か所事務所の規制は、クラウド環境があればどこでも仕事ができる昨今ではかなり時代遅れなルールです。

 交通の便がよく住所の聞こえがいい都心のシェアオフィスに事務所登録して顧客対応を行い、実際の業務は郊外の自宅近辺で行うスタイルをとる人もいると思います。

 キャンピングカーを改造して確定申告時期に税務署の近くで出張税理士事務所を開くといったビジネスモデルも考えられるでしょう。

 また、私は以前、在宅勤務のスタッフに仕事を依頼していましたが、2か所事務所のルールに抵触するといろいろな人から言われました。これからリモートワーカーが増えていくという情勢を考えても、ここは考え直していただきたいと思います。

 主たる、通信手段がFAXという情弱の人が多い業界は、いまクラウドとかAIとかフィンテックとかRPAとかSNSとかYoutuberなどの黒船に戦々恐々としており、幕末の様相を呈しています。

 私のような安政の大獄で処罰された世代の屍を乗り越えて 若き志士たちに維新の扉を押し開けていただきたいと思います。

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