見出し画像

「自閉症・発達障害を疑われたとき・疑ったとき」を読んで感じたこと

平岩幹男先生。テレビにもたまに出演されているお医者様です。その平岩先生が書かれた本「自閉症・発達障害を疑われたとき・疑ったとき」を読みました。

専門家であるにも関わらず、上から目線で語ることがなく、障害者やその周りのご家族への配慮が行き届いた書籍でした。

本書前書きにある

「保護者が子どものことで何か問題を感じていたら、その問題にどのように具体的に対応していくかを、保護者と一緒に考えて実行してみることを基本にしてきました。期待どおりになる場合もあれば、苦労しながらのことも多く、模索しながら診療や相談を続けています。」

との言葉が、グッときます。ABAなどのスキルを上から目線で語ることはたやすい、うまく療育に取り組めない人をダメだと切り捨てるのもたやすい。切り捨てることは全くせずに、平岩先生がいる相談に訪れる方々と真摯に向き合ってきたんだろうなぁと感じました。

療育は大切、でも、療育は難しい。だからこそ、どのような療育であれば、取り組んでもらえるのかを考えて、家庭でも取り組める療育の手法を分かりやすく、写真も入れて紹介してくれています。そんな平岩先生がたどり着いた答えが、「ライフスキルトレーニング(LST)」の習得であり、子どもとの「つながり」を持つことを最優先するということだと思います。

本書では、普段の生活の中でも取り入れやすいLSTのトレーニング方法がいくつも紹介されています。また、本の後半では、乳幼児検診、就学準備、就学後についても詳しく書かれています。本書はタイトル通りで、自閉症・発達障害を疑われたとき・疑ったときに是非読んで欲しい本だと思いました。

トレーニングを実行してみて上手く行けば御の字ですが、平岩先生は以下のように言っています。

「対応が「うまくいく」ことが望みではありますが、そうではない場合も残念ながらあります。しかしその場合でもあきらめるのではなく、できることを探すことが大切と思います。」

うまくいくこともいかないことももちろんあると思いますが、私も、療育に関わる人として、ひとつひとつ丁寧に寄り添って前へと進んでいきたいと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?