モデルハウス見学-A工務店の場合-

B工務店に続き、今回はA工務店のモデルハウス見学。

A工務店はB工務店と同じ市内にあって、車で10分くらい。

向かった先は…せ、狭い。

道がね。

どうにか切り返してモデルハウスに駐車。

A工務店のホームページに載っていたモデルハウスは、黒い外観の平屋風の建物。

外には先日お会いした優しい雰囲気のA工務店社長が。

到着してまず、モデルハウスの外観の説明から。

黒い外観は焼杉の板壁。

玄関ポーチには大谷石のベンチと、造作の外物置。

外物置まで造作とは!と驚いていると、「この家に市販の物置なんて置いて欲しくないんですよねぇ」と社長。

実はこの時点まで僕の本命はC工務店だったので、A工務店のことは全く意に介していなかった。

ので、こだわり強くて何かあれだなぁ、早く中を見せてもらって、さっと帰りたいなぁ、なんて思ってた。

妻も同じことを思ってたらしい。

この時点までは。

無垢材の引き戸を開けると、ふわっと香るお香の匂い。

玄関先でお香が焚かれていて、今ちょうど灰になったところ。

茶道を嗜む妻曰く、これは茶道の考え方で、お客様が到着するタイミングでお香が燃え尽きるようにすることで、これほど前からあなたを迎え入れる準備をしていましたよ、ということを表しているそうな。

間違ってたらすみません。

この時点で妻はおっと思ったらしい。

モデルハウスに入ると、部屋中に広がる無垢材の木の香りと、小さいんだけど狭くない、そんな空間の広がりに圧倒された。

先ほど見せてもらったB工務店の、どの建物とも違う空間の使い方、そして木の使い方に驚くばかり。

リビングのソファに座った視線の先には大開口の木製サッシが存在感を放ち、フルオープンにすれば内と外が繋がって、どこまでも世界が広がっていくようだった。

ずっとここに居たいなぁと思った。

それもそのはず。

このモデルハウスの名前はⅰ-Works4.0。

建築家の伊礼智さんが設計した規格住宅。

とんでもない居心地の良さだ。

A工務店社長も、家の中に入ってからはあまり喋らず、この空間を堪能する僕たちを見守っていた。

娘も気付けば柔らかい杉の床に座り、どこからか見付けてきたおもちゃで遊んでる。

「この家に市販の物置なんて置いて欲しくない」と言った社長の言葉も、今となっては良く分かる。

社長はこだわりが強いというよりは、伊礼さんの世界観を壊したくないんだなぁと思った。

この後はA工務店社長の自家焙煎コーヒーを飲みながら、ゆっくりと話をした。

「どうしよう、何か、コーヒー薄い」と慌ててたけれど、心のこもったとても美味しいコーヒーだった。

何か、家というものの固定観念を覆された日だった。

気付けば2時間が経過していて、気持ち良くモデルハウスを後にした。

A工務店社長は、豆粒くらいの大きさになってその姿が見えなくなるまで、僕らを見送ってくれていた。

プレゼンのプランはもう完成してます、とのことで、とても楽しみだ。





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