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レッスン型・オンラインフィットネスの利用状況と今後の予想

ZOOM等を使ったオンラインフィットネスが注目されています。利用実態の簡易調査を基に今後の展開を予想しました。


■どんなタイプの講座が多いの?価格は?

まず、どんな種類のオンラインフィットネスがどの程度あるのか確認してみます。講座数の正確な調査は難しいので、ストアカ、ココナラ、Peatixに登録されたフリーインストラクターの講座を調べてみました。
その数なんと600講座以上・・・これに企業が運営する講座も含めると、めっちゃあるな💦

スライド1

予想通り、自宅でやるハードルの低いヨガ、ダンス等は乱立してる一方、設備が必要な球技などが少ない状況。(ココナラの講座数が多く、死に講座もありそうなので「いいね・レビュー」の数10以上の講座に絞ってます。)

・1回あたり500~1500円程度がボリュームゾーン
・本格的、上級者用でなく簡易版・初級編が多い
・高評価講座は全体の10%弱ぐらいで競争激しい

という感じで、微妙なニュアンスや高度な技術はオンラインで伝えにくいため、初級者向けグループレッスンを安価に提供している印象です。

この「気軽なフィットネス」領域はSOELU、LEANBODYなどオンラインフィットネスサービスが複数台頭しており、リアルタイムレッスンや動画を月額980円程度のサブスク提供しています。
本格的に安価or無料のオンラインフィットネスを提供する企業が増えており、従来の格安受講できるのが売りだった個人インストラクターの講座(ストアカ等)は、今後は一握りの売れっ子以外は厳しい戦いになりそうです。

また、グループレッスン型のサービスは、レッスン人数が増えるほど指導要素は薄まり、「一人で動画見るのと変わらなくない?」ってなる可能性があるためYouTubeなど無料動画との差別化は今後課題になりそうです。
YouTubeには既に大量の動画がアップされ、有名インストラクターや世界チャンピオンのコンテンツも簡単に視聴できる状況ですしね・・・。

■利用状況や満足度は?

利用状況や満足度も見てみましょう。
定期的にフィットネスをする層にアンケート(N=108人)を実施したところ

・44%がオンラインフィットネスを体験済み(有料・無料問わない)
・68%がオンラインフィットネスを今後利用したい意向

フィットネス好きには思ったより受け入れられていました。
(急増アンケートにつき母数が少ない、フィットネスしない層の意見がないなど、精度は低いです。目安のデータとしてみてね💦)

オンライン講座グラフ

続けてオンラインフィットネスを「今後も利用したい」と考えている層に対し理由を聞いたところ
「外出する必要がない」が最も多く、「安価」、「楽しい・実用的」、「気軽で参加し易い」が続きました。

安さや気軽さが上位ランクしているあたり、サービス提供側の価格設定やコンテンツ設定は利用者心理とある程度合致しているようです。

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一方、利用しないと回答した層は「無料コンテンツを見て自分一人でできる」が圧倒的に多い理由でした。
独力で継続できる知識ややる気を持っている、「ガチ勢」が多そうですね。
安価であろうが「親しみやすいビギナー向け」サービスは利用する価値がないのかもしれません。

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■レッスン型 オンラインフィットネスの今後の予想

最後にオンラインフィットネスの将来展開について考えてみました。
引き続き「安価」で「気軽」なメニューによる会員の奪い合いは続くと思いますが、今後の方向性として以下のような発展が考えられます。

①高付加価値・高単価シフト
オンラインフィットネスの参加者が増えれば、今後は高付加価値型のサービスも当然発生すると思います。付加価値は必ずしも、専門設備、高負荷、高難度の指導だけではないため様々なものが考えられます。

<マンツーマン>
既存のパーソナルトレーニングのオンライン化。
目標管理、メニュー作成、フォームチェック、食事管理などオンラインでの対面会話を活かす。
         
<高機能化>
VR等を用いてリアルフィットネスより高付加価値へ
例:対戦相手のいるボクササイズ
例:理想フォームと自分のズレを常時チェック
例:リングフィット的にゲーム・エンタメ要素追加

②価値の置き換え
無料コンテンツが溢れている状況では、レッスン=教える・上達させる、という概念からの脱却し、価値の置き換えも必要になると思います。

<例: 物販 + エクササイズ >
新しいフィットネス機器が発売された場合インストラクターは「製品のファン獲得」という機能を担えます。
例えば「試供品送付+無料オンラインレッスン」など、正しい使い方や効果を実感してもらい購入につなげる形です。
この場合、インストラクターの価値は「上達させること」ではなく「実演販売能力」にシフトし、「レッスン」という特殊技能のあるインサイドセールスマンとなります。
もしかしたら彼等を多く抱えた営業代行会社も出現するかもしれません・・・?

③コミュニティ化
オンラインで繋がれるのはインストラクターと参加者だけではありません。当然、フィットネス仲間同士も繋がれます。
仲間同士で切磋琢磨し目標をクリアしていくSNSサービスなどの需要も高まる可能性がありますよね。

既に三日坊主防止アプリとして「みんチャレ」などが存在しますが、より緊密にオンラインで同時にエクササイズし脱落者を減らすような取り組みは付加価値として有効だと考えます。


ざっとまとめてみましたがいかがでしたでしょうか?
今回はざくっとレッスン型のオンラインフィットネスというくくりでまとめましたが、まだまだ設備依存でオンライン化対応できない種目などもありますので今後も様々な動きがあるでしょう。

フィットネスの流れが変わった節目なので注目していこうと思います。

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