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生暖かい輪の中に(KOGADOの冒険ワークショップ vol.31 繋がった時のあの感じの巻)

北川:
 何を話すのか、全然考えてないんだけど。

水曜日:
 私も考えてないですねぇ。

北川:
 最近気になることでも話そうか。仕事でもそれ以外でも。

水曜:
 うーん、そうですね、今はあれかな。北川さんから借りてる本、読んでますよ。まだ半分くらいですけど。

北川:
 佐渡島さんの?

水曜:
 そうです。『WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE. ~現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ~ 』

北川:
 どうだった?

水曜:
 なんか面白いです。私が感じていたことが言語化されている感じが。

北川:
 どういうこと?

水曜:
 私の個人的な話も踏まえて、コミュニティとか持続可能な経済圏とか、ですね。コミュニティ論的な。

北川:
 ふんふん。

水曜:
 と言うのも、私、むかし大学でそういうのを学んでて。

北川:
 そうだったっけ。えーと、社会学?

水曜:
 そうです、ざっくりと「社会学」。卒論もコミュニティ論で書きましたねー。

北川:
 そうなんだ。

水曜:
 単純に自分が興味があった分野だったのもあって、ふむふむと読み進めてます。

北川:
 そうだったんだ。全然知らないで本は貸してたよw

分ける、分かち合う、共有する

水曜:
 コミュニティ論、って言うと硬い表現ですけど、シェアハウスを題材にして色々考えてみたってところですね。当時流行ってたんですよ。

北川:
 知らない人同士が一軒家を借りてみんなで一緒に住むみたいなアレ?

水曜:
 そうですそうです。家族とか血縁とかの関係がなく一緒に生活する。上野樹里さんが出ていたシェアハウスを舞台にしたドラマがちょうど学生時代にやっていて。

北川:
 『テラスハウス』とかもそうだよね。

水曜:
 ですね。多分ブームみたいなのが過去何度もあって、私が学生時代にも雑誌の特集になってたりとか、サブカル界隈(?)でなんとなく流行ってて。

北川:
 そうなんだ。

水曜:
その時は、北川さんが教えてくれた家入さんの「リバ邸」みたいな、自治体や組織が薦めるものというより、もう少しカジュアルな、コミュニティサイトとかで住民募集みたいに集めるみたいなものが多かったと思いますね。

北川:
 うんうん。

水曜:
 私も二、三件かな、応募したんです。自分が住みたいなって思ったところを選んで、住んでいる人たちと会って、その人たちから承認を得て入居してって。いろんな人が出たり入ったりして、私を入れて4人で一軒家に住んでいました。

北川:
 実際に住んでみたんだ。

水曜:
 はい、なんか面白そうだなって思って。せっかくだし、みたいな。基本は好奇心からです(笑)
 それで、こういう形で老後も暮らしていくとか、社会の受け皿としてのシェアハウスというコミュニティってどうだろう、というのを卒論にしたんですよ。駆け込み寺、というとちょっと意味が変わってきちゃいますけど。

北川:
 セーフティネットというか、もう少し気持ち的にオープンなケアハウスみたいな感じかな。

水曜:
 そうですね、そういう場所がこれからは出てくるんじゃないか、お世話してもらわなくても一人でもまだ暮らしていけるけど、外部の人との接点をつくって孤独にさせないのが社会でありコミュニティである、みたいなところが、社会学の研究であったんです。

北川:
 なるほど。

水曜:
 私が所属していたゼミの先生が、社会学の中でも「家族」を専門にされてる人で。一緒に生活していく家族も、親と子で言えば良好な関係にあっても歳をとれば順番に……っていうのがあるし、結婚して家族になっても、離婚の可能性だって今は高いし。子供を持つか、持てるかもあるし。結局人間って、ひとりに向かっていってしまう。

北川:
 うん。

水曜:
 核家族化も進んでいろんな世代の人と交流できる場所がなくなっちゃってるので、おじいちゃんおばあちゃんから孫までが接点を持てるコミュニティがあった方がいいんじゃない?みたいな目的でシェアハウスって改めていろいろ注目されてきてるようです。

北川:
 そうなんだー。

水曜:
 法人が運営しているシェアハウスなんですけど、マンションみたいに個々の部屋が独立している建物で部屋数も多くて、若い人たちとお年寄りが入居してる、それで若い人たちは少し安い家賃で住めて、お年寄りの方たちは少しだけ高額なんです。で、若い人たちは毎日、お年寄りのお部屋に立ち寄って、ご挨拶をする。「元気ですか??」って。そういうのをネットか何かで見ましたね。

北川:
 それ面白いね。利害が一致してるというか、みんなに少しずつメリットがある。

水曜:
 面白いですよね。

北川:
 ちなみに水曜ちゃんは、そういうことに興味があったから進学して大学で勉強をしたのか、それとも勉強してるうちに興味を持つようになったのか。

水曜:
 高校の時に社会学とか文化人類学とかが好きな先生がいて、授業の中でちょこちょこそういう話をしてくれたんです。それを聞いてだんだん興味を持っていった感じですね。

北川:
 そういうのって結構いろんな人の人生を決めていくよね。

水曜:
 だから進学を考えた時、社会学やってみようかなって。あるいは妖怪学にしようか、迷いましたね。

北川:
 妖怪学……。

スナック的サスティナビリティ

水曜:
 『WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE. (~以下略)』の著者の佐渡嶋さんは、5年くらい前かな、全然別の文脈で知って、たしか『宇宙兄弟』関係のことで面白い取り組みをしている会社があるって。それが今回繋がったっていうのが、個人的には面白かったですね。

北川:
 なるほど。俺も少し前からずっとコミュニティを作りたいって言ってるでしょう。それでそういうテーマの本とかをいろいろ読んでいるんだよね。西野(亮廣さん、キングコングの)さんとかも小さいコミュニティを作りなさいっていうようなことをよく言ってるよね。「場末のスナック」って。

水曜:
 北川さんも、よくその言葉をいってますもんね。

北川:
 そう、受け売りw でもその発想って大事だよなって思って。

水曜:
 私が音楽が好きってこともあるんですけど、佐渡島さんがこの本の中で「なぜミュージシャンは活動休止しても復活できるのか」っていうところ、なるほどなっていうのがありました。ずっと走り続けずにお休みする期間があったとしても、その後に復活したときに自分の表現したいものがもう一度できる。それを例えば漫画家さんとか他のジャンルのクリエイターさんでも支えられるようにコミュニティとかを作ってあげられるのを目指されてるんですよね。

北川:
 ミュージシャンの方の方が作品とご本人との距離が近いからね。漫画とか小説はやっぱり距離が少しある。

水曜:
 作品にフォーカスが当たることが多いから、作家ご本人にあまり当たりずらい。だから作家さんが違う活動を始めた時に、ファンの人たちに情報が届かない、気づいてもらう術がない。それをコミュニティの力で解消したいと佐渡島さんは言われてますね。とても理解できます。

北川:
 そうだね。

水曜:
 もともと興味のあるジャンルだったので「そうそう!」って思いながら読みました。私の興味と繋がったって思ってなんか嬉しいですね。

北川:
 なるほど。

水曜:
 繋がったといっても、それで直接的に仕事になったわけではないんですけど。

北川:
 XのスペースのAMAとかもね、広義の意味ではコミュニティ作りだしね。

水曜:
 そうですね。本当に個人的なところなので果たしてここで話すことなのか?っていうのはあるんですけど、何か「繋がった」「ぴったりした」っていう喜びがありましたということをお伝えします(笑)

出会いは本屋さんがいい

北川:
 本って、いいよね。コンテンツ業界の俺がいうのはちょっと微妙な感じになってしまうかもだけど、古本って文化があるでしょ?あと図書館とか。図書館とか登録すれば「無料」で本が借りれて読める。これってすごいことだよね。

水曜:
 私、少し前に300~400ページぐらいの分厚い小説を買ったんですけど、それも学生時代に学校の図書館で読んでいて、手元に物体として残しておきたいって気持ちがあって買いましたね。

北川:
 俺も地元の図書館で、テーマとかタイトルでざーっと検索かけて借りて、頭だけ読んで「これはなんかちょっと違う」「これは面白い」ってふるいにかけて、面白かったのはあとで買ったりするかも。それができる仕組みってすごい。

水曜:
 やっぱりインターネットだと、……「インターネット」っていう言い方すごいですね(笑) インターネットのピックアップだと検索したものしか届かないし、ある程度おすすめって出てくるものも、元々自分の好みに紐づいているので、狭いんですよね。

北川:
 おすすめのアルゴリズムがね、便利ではあるけど物足りないよね。

水曜:
 図書館とか本屋さんとかだと、ふとした出会いがあったり、それこそジャケ買いじゃないですけど、装丁がいいな、表紙の絵がいいな、このタイプ気になるな、みたいなのに出会えたりするんですよね。それが好きだったりします。もちろんネットも便利なんですけど(笑)

北川:
 セレンディピティってやつだ。

水曜:
 その月によってテーマが決まってたり、司書の人がおすすめしてくれてるから。あとは本屋さんの店頭POPとか、そういうのやっぱりいいな、「インター」ネットじゃないなって。

北川:
 それよくわかるなー。

水曜:
 ネットだと、全部平坦に感じちゃうかもしれないですね。

北川:
 高円寺文庫センター、よかったなぁ。

水曜:
 私は本屋さんに行く時は、時間がしっかり取れる時にしか行かなくて、最近の雑誌はどうかなとか、最近の本は何が売れてるのかな、面白いのあるかなってパトロールをしに行く感じになってます。

北川:
 パトロールね。よくわかります。あと俺は速読の能力が欲しいなっていつも思ってる。読みたい本が多すぎる。

水曜:
そうして気になるものが多くて、いろんなものが積まれていきますよね(笑)
 結構、話す内容なかったけど、話せましたね。

北川:
 ね。話せたし、多分文章にもできるけど、これが誰かの何になるのかは、よくわからないけどねw


 あっちにこっちに話題がジャンプしていましたが、こういう話を雑談できる機会になるBWSはなかなか私にとってはいい媒体になっていますw
 佐渡嶋さんの本、お勧めですので皆さんも興味持たれたら是非。
 社会学、勉強してみたかったな(今からでもやれ

 今回もお読みいただき、ありがとうございました。
 それではまた!

※「KOGADOの冒険ワークショップ」では、ソフトウェア開発部の北川がその時思いついた事柄を駄文にしたためております。取り上げて欲しい事柄などありましたらお気軽にリクエストください。
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