「Still Summer Short Stories」その1
これは、夏の終わりの終わらない夏の終わりの、お話―――
『それはいつかの星々のように』
ここだけの話。
ええ、はい、うん、あのですね。わたし、聞きました。
聞いてしまいました。知ってしまいました。それは、それは……なおちゃんの秘密。
わたしの大事な妹で、結ばれた恋人で、両方合わせて〝恋妹(こいいも)〟の。たぶん、なおちゃんはわたしに知られてるって、まだ気づいてない。珍しい。わたしの秘密、隠し事はなんだってなおちゃんに知られてしまうけど。いつの間にか知られてしまうけど。