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早口ってなんだろう!! 早口1

Bonjour! パリ在住、日本語の声とことばのトレーナーゆうじです。

今回は、早口の治し方について解説しようと思って書き始めたんですが、この問題、思ったよりも根が深かったので、書き始めて後悔しています。

なんで、このテーマを選んだかと言うと、僕自身が20代の終り頃までは早口だったんですが、その早口を克服した経験と専門的な知識を元に記事にすれば、ちょちょいっと簡単に記事が書けるぞ!と気軽な気持ちで書き始めまたんです。

ところがです。早口の問題がうまく書けないんです。

一般的なことはもちろん書けますよ。

でも、他の人も書いているようなことを僕がネットで書いても誰も喜ばないと思うんですよ。広いネットの世界で、偶然こうして記事を読む時間を取っていただいているんです。聞いたことがないような話をしたいじゃないですか。読み終わった後に、考えたこともなかったって、思ってもらいたいじゃないですか。

この「声が良くなるコラム」はタイトルの通り、読んだだけで本当に声を良くするという、非常に挑戦的なコンセプトで書いています。

今回も、ただ読んだだけで早口の人の悩みの全部とは言いませんが、一部でも解決したいところです。と言うことで、書き始めてしまったのも何かの縁、今回は早口について、真剣勝負で考えてみたいと思います。

早口ってどんなことを言うの?

まずは早口ってどういう意味なんでしょうか。

辞書で調べると、しゃべり方が早いこと(出典:小学館デジタル大辞泉)くらいしか書いていないんですね。

で、それは知っているので、もう少し詳しく早口について考えていきましょう。

早口の人と話していると、何を言っているのか聞き取れない単語がありますね。

文章で書くと「昨日、急に雨が降ってさー」みたいなことをじゃべるときに

早口の人だと、「きの きゅに 雨ふてさー」みたいに聞こえて、なんだなんだと思いながら、雨という単語と、前後の話から、ああ、雨って言ってるなら、昨日降った雨の話をしているんだろうなーと予想して、「大変でしたねー」なんて、あなたは普段わかったようなふりをして相槌を打っているわけですよね。

「きのお、きゅうにあめがふってさー」と全部の音(専門用語でモーラと言います)が聞こえれば、早口ではありません。つまり、早口と言うのは、しゃべるのが早すぎて音の一部がうまく発音できていないか、聞き取れない状態のことを言うんですね。

一方、治す必要のない早口もあります。例えばテレビタレントの明石家さんまさんなどは早口な印象がありますね。でも彼は高度に訓練されたしゃべり方で、早口なのに全ての音が聞きとれるようにしゃべっています。あの速さと勢いのあるしゃべりでテンポを生んで、テレビ番組をぐいぐい引っ張っていくわけです。早口が魅力的になることもあるんですが、このタイプの早口は、日々ステージに立ったり、訓練したりして獲得するもので、今回のゆっくり話すことができない人が目指すにはレベルが高すぎます。

ここで扱う治すべき早口と言うのは、言葉が聞き取れない、しゃべっている意味が理解してもらえない、ことをどうやって改善していくのかについて解説していきます。

で、まあこのくらいは、やっぱりみんな経験的に知ってますよね。

なぜ早口になってしまうの?

それで、ここからが本題なんですが、なんで早口になっちゃうんでしょうか。

一音一音が聞き取れないのが早口なんだったら、ゆっくりしゃべればいいんです。ものすごく簡単な解決方法があるのに、なんでみんな早口になってしまうんでしょうか。

よく学校とかでみんなの前で発表するとき、もう少しゆっくり話しましょうって言われませんでしたか?

僕の印象ですが、大抵の人は人生で一度くらいは、もう少しゆっくり話しましょうって、注意されたことがあるはずです。

それで、そんな注意を受けて、あなたは早口を治すことができましたか?

あなたはゆっくりしゃべろうとしたはずです。

ただ、ゆっくり発音するだけなら簡単なはずです。

でも、「ゆっくりしゃべる」たったこれだけのことが、できなかったんじゃないですか。

不思議ですね。

ということはですよ、この早口を直すにはゆっくりしゃべるようにすればいいという単純明快な解決方法が、実は間違えているんじゃないかという疑問が湧いてきますね。

どうにか早口を直す、いい方法はあるんでしょうか。

早口を治す方法って、検索するだけで簡単にわからないかな?

ということで、やっぱりいつものごとく、早口を直す方法について、google先生に聞いてみました。

そうしたら、声優の幸田夢波さんのブログが検索トップに出てきて、とても分かりやすく早口の対策がまとめられていました。

幸田夢波さんのブログはこちら

https://yumemon.com/archives/4381

簡単的確にまとめてあり、すばらしい記事だなと思いました。この記事で特に素晴らしいと思ったのは、ゆっくりしゃべろう!という言葉が一つも入っていないところです。さすがに現役で活躍されている声優さんですね!!しかも読み手が理解しやすいように短文でまとめられています。

それで、先ほども書いたように、僕が同じことをここで記事にしても仕方がないので、もう少し違った角度から早口の問題を解決してみたいと思います。

幸田さんの記事を、声か良くなるコラム恒例の超ザックリまとめにすると、

早口の人の特徴は、呼吸が浅い、無自覚、思考が単純化できない、口先しゃべり、自分勝手、などがあって、それらの特徴は改善できる練習方法があるよって話なんです。

それで、それらの弱点を一つずつ克服さえすれば、早口は治るんです!

簡単ですね!!、、、プロを目指す人には、、、。

くれぐれも、幸田さんの記事を非難しているわけではありません。幸田さんはプロの声優さんですし、声優を目指す人がメインターゲットの記事だと思います。

早口では、厳しいプロの世界を絶対に勝ち残れませんから、何がなんでもトレーニングして勝ち残る必要があるんです。だから、プロを目指す人は、歯を食いしばって練習できるんですね。

でも、僕がこのコラムで対象にしている、言葉のトレーニングなんて面倒くさいぜ、でもちょっとは気になってるよって人には、難易度が高すぎると思うんです。

例えば、呼吸が浅い人が、深い呼吸を手に入れようと思ったら、それこそ専門的なボイストレーニングを受けたり、ヨガをしてみたり、場合によっては滝に打たれて悟りを拓いてみたりとか、もうそれはそれは、かなりの努力が必要なんです。

呼吸のこと一つを解決するだけでも、相当時間がかかります。更に他の練習までしていたら、本当に大変です。

で、多分ですが、インターネットで検索してみたら奇跡が起きて、早口治らないかなー、くらいの気持ちの人は練習もしないので、当たり前ですが早口は治らないですよね。

僕もボイストレーナーですから、もちろんこういうトレーニングはしますし、教えます。でも、このコラムを読んでいるような、なんとか練習せずに簡単に早口を治したい普通の人には、ちょっと難易度が高すぎると思うんです。

ということで、今回は前振りで終わってしまいましたが、次回、ボイストレーニングなんてしたくない普通の人が早口を治すには、どんな対策が有効か、引き続き真剣に考えていきたいと思います。

ではまた!


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