見出し画像

暗号資産犯罪

病院の床にどんなウィルスや菌が付着してるかはわからないが、2週近く過ごした結果、純ジャパの私は、ベッドの上以外のエリアでは履物を履くという事が、どうにも気に食わなくなってきてしまった

シャレたシープスキンのサンダルと、リザードのサンダルをしばらく履いた挙句、タオル地のスマイルマークがアップリケされた2千円くらいのスリッパに行き着いたさらに後の話である

病室のベッドをロック外して、コードもろもろ抜いて動かして、床這いつくばってアルコールシートで床中拭き清めて、可愛いマスキングシールでエリア区切って、ひんやり裸足生活を始めた

可愛いいちご牛乳のパックの形のふかふかバスマットをベッドの足元に敷いた

ヘッドボード上には、病院のマグネットで
金持ちん家みたいに、大地真央みたいに、まぁ大地真央は金持ちだろうから二重構文みたいになるので
大地真央達、金持ちの家の様に
エルメスのスカーフを飾っていた

みんながナースステーションに借りに行っているドライヤーをすぐに自前で用意するのはもちろんの事、コテも持ってきて毎日巻き髪で過ごした

これら全てのアイテムがピンク色なので
最初の10日くらい、来る人来る人に

「ピンク好きなんですか?」

と聞かれた

病院から1分のコンビニへの外出許可もおりないのに、足繁く面会に来てくれる彼の暗躍があり、見る度にアイテムが増えていくのを皆さん非常に面白がってくれた

実はこの様なご機嫌な日々を綴ってはいるが、その裏で私は大変な犠牲を払っている
詳細は別記事で書こうと思うが、とにかく今回の入院では断腸の思いでの辛い予定変更を余儀なくされ、先の見えない目処が立たない中、初期には、担当医に泣きながら食ってかかり、シクシクと

「もうお家に帰りたいぃ」

と訴えたりもしていたのだ
この話もぜひ別記事で記録を残したい
51日間で唯一、クソむかつくババァが出てくるエピソードだ
後にそのメンタルの不安定さは、投薬中の薬の副作用によるものであったと知る
PMSのひどいのみたいな有様だった

とにもかくにも部屋を快適にすることに全集中した結果

「すごーい!」

「5階で同業で働いてる旦那さんにも見せたいからお部屋の写真撮っていいですか?」

「10年以上の働いてて初めてです」

「あっ、今日退院の別のお部屋の○○さん、せっかくだから最後に{∞⊕さんのお部屋見ていったら?」

と、誰もが驚く部屋にカスタマイズされ、長い入院生活をなんとかやり過ごしていた
しかしながら、穴を開けたり何かを貼り付けたりしてるわけではないものの、やり過ぎ感は否めない

「わー!!すごーい!可愛いっ!」

と新たな看護師さんに言われる度に、仰々しいしかめっ面と弱々しい声音で

「緊急入院で突然の事で戸惑って…しかもこんなに長くなるなんて思いもしなくって、せめて居心地よくしたくって…」

と、要は怒られたくなくて、同情買う作戦である

最終的に

「本当に退院が先延ばしになったら、不貞腐れてコレやるから!」

と看護師さんに画像を見せて爆笑していた“ネタ”だった

  天  蓋  

を、退院3日前にマジで取り付けて、退院前日に滑り込みお見舞いに来てくれた「ミッキー、宇宙、トレーナー」の生みの親にもらった

  バ  ル  ー  ン  

を浮かせて、お部屋は完成した
いや、やりきった
前例がなさすぎて誰も怒れない
法整備が、追いついていない仮想通貨、暗号資産犯罪みたいなもんである

発想だけでなく、行動も犯罪者
であった

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?