マガジンのカバー画像

小説「天蓋のジャスティスケール」完結編

169
『天蓋』 は、選ばれた『選人』とそれに関わる人間しか入れない特別な場所。 選人は天蓋の奥深くに封印され、わざわいをよぶものを封じる蓋の役割を担う。 選人に選ばれてしまった不運… もっと読む
運営しているクリエイター

#ファンタジー

Second memory(Sarosu)23

「……やっぱ別人、、、なんだな」 「……残念だった? あたしがヤチヨじゃなくて……」 「……

Second memory(Sarosu)21

 その後はいつも通りだった。  食材を調達し、後はそれを調理する。そう……いつも通りだ。 …

Second memory(Sarosu)13

「とうちゃーく! あー! 楽しかったー!! また、海に行こうね。サロス」 「当分は無しだ…

Second memory(Sarosu)12

「なーに、そんなとこでぼーっとしてるの?」 「ピスティか……もう気は済んだのか?」    突…

Second memory(Sarosu)02

 森を抜けた先は、信じられないくらい開けている所でさっきまでの木々が嘘みたいに一本もない…

First memory(Hinata)Last

 まぁ、言葉の通りよくそんな時間があるなと思うくらいには遊びにきてフィリアを誘惑して私を…

First memory(Hinata)14

「あなた、フィリアのこと好きなの?」  握っていたペン先がバキリと音を立てて壊れた。 「ちょっと、アイン! あんた、直接的すぎ!!」 「好きなの?」  机に腰かけたアインさんを無視して、私は新しいペンを取り出し続きを書き始める。 「あなたが本気なら、私、フィリアを譲ってもいいわよ」  その言葉を聞いた瞬間に私は、反射的にアインさんの白衣を掴み上げていた。 「おー怖い顔。恋する乙女の顔とは程遠いわね」  握る手に更に力が加わる。余裕ぶっているアインさんの顔面目掛けて折れたペンを

First memory(Hinata)13

「はぁ、疲れた……」  疲労した体は私が思っていた以上に重くシャワーすら浴びる気力が起き…

First memory(Hinata)12

「あの日……サロスとの最後の勝負の時。初めて、僕は彼に勝ちを譲ろうとした。きっと、サロス…

First memory(Hinata)11

「そろそろ帰ろうか。ヒナタ」  私が言い出す前に、彼がその一言を口にした。もう、学院内で…

First memory(Hinata)10

 フィリアもきっと私と同じなんだろう。ヤチヨちゃんとサロスがいなくなってしまってどうした…

First memory(Hinata)09

 ヤチヨちゃんが選人(せんじん)となり、あんなに仲が良かった二人が喧嘩してしまった。だか…

First memory(Hinata)08

「ごめんね、ヒナタちゃん。こいつらバカだから」  ヤチヨさんが手を合わせて、私に謝罪の言…

First memory(Hinata)07

「やっ、やったぁぁぁぁ!!!」  私は、らしくもない大声で喜びを叫んでしまった。  外の天気は、先ほどまでの悪天候が嘘だったかのように満点の星空が広がっていて、まるで私たちを祝福してくれているかのようだった。 「まだだ!! 警報はまだ鳴っている!!」  シャッターで切断されたままで未だに足を掴んでいる警備ロボの腕を投げ捨てフィリア君が叫ぶ。 「みんな、もうひと踏ん張りだ!! あそこまで走るぞ!!」  私たちはサロス君が指をさした方向。学院から少し離れた見晴らしのよい展望台の方