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小説「双校の剣、戦禍の盾、神託の命。」

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声プラが贈る、小説と音声ドラマによって紡がれていくファンタジー作品 ~あらすじ~ その国の名はシュバルトメイオンと呼ばれていた。  国内には東西に分かれた学園があり、互いに競い… もっと読む
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#全力全開の群像劇

155 ささやかなる興味

 ウェルジアは食堂へと今日も足を運ぶ。  心なしかその足取りが軽い。  彼にとって食堂と…

153 才能というもの

「ティルス会長」  ドアを開く音と共に小柄な人影が室内へと入ってくる。 「リヴォニア、お…

152 突拍子もない話とこれから

 話を進める中、ドラゴがこれまでのことを全く話を理解していないかのように首を傾げる。 「…

150 試作品披露会

「これ、なんですか?」  リリアは目を丸くしつつ開けられた箱の中にあったものに首を傾げる…

149 完成した試作品

 西部学園都市内にある商業区画の路地裏で細々と営まれている武具店「ラグナレグニ」その店内…

148 穏やかな放課後

 とある日の授業終わりの校舎裏。  いつものこの場所でウェルジアが神妙な顔をしたままで文…

147 清廉潔白すぎた野心

 学園祭が終わり程なくして、九剣騎士として王都から視察に来ていたヴェルゴとクーリャは学園から王都へと帰路に就いた。  西部学園都市内の空気は徐々に通常の学園内の様子へと戻っていく。  ヴェルゴはあの夜以降は問題を起こすこともせず、大人しく学園内を調査していたのだという。  その数日前へと時は遡る。  彼の目的は定かではないが、マキシマムは最大限の警戒をプーラートンに共有していた。  以前よりヴェルゴの九剣騎士としての言動そのものに疑問を持っていたプーラートンは大きく頷

146 極致への一歩

「クーリャ。すまんが事のついでにもう一つだけ頼みがある。いいかい?」  ひとしきり笑い終…

145 不屈の師弟

「そうですか、やはり以前と変わらず異変などの痕跡はありませんか」  西部学園都市の学園祭…

143 抜き打ち実力テスト

「ふんっ!」  目の前の男が背中に手をやり身体を丸めるように前傾姿勢を取りながら飛び出し…

138 運命のチョココロネ

 双校祭の後はこれまでの事はまるで何事もなかったかのように穏やかな日々が学園内では続いて…

134 夜空に昇る炎

 シュレイドを庇ったその瞬間、思い出したのは自分の母の最期。  まだ幼いながらも決して記…

132 はがれたかさぶた

「リーリエさん」 「ん? ディアナ君、どうしたのかな?」  ディアナは槍を構えて厳しい表…

131 迫る地鳴り

「トドメだぜェ!!!」  小さく鋭い拳が腹部へと突き刺さり、シルバは膝を折り地に伏せる。口元を滴る唾液に土が混じる。 「ガハ…くそったれ、アイギス。てめ、バケモンか、よ」  辛うじて視線を上げると息も切らさずニヤリと笑みを浮かべて腕を組んだ彼女に見下ろされている。 「可愛いレディにバケモンとは失礼な奴だ。はぁ、及第点だが足りねぇな。会長のライバル派閥のトップだし、実際どんなもんかと思ったが……正直期待外れだぜ」  奥歯を噛んで悔しがるが身体がいく事を利かない。 「