反省すらしない立憲民主党と、菅野完さんの「民主党の後継政党は国民民主党」という詭弁
立憲民主党を何とか上げたいという意図しか感じられない菅野完さんのポスト
その言動を推察するに、2019年の参議院議員通常選挙で立憲民主党公認候補の石垣のりこ候補の選挙を取り仕切り、その後に当選した石垣のりこ参議院議員とかつて交際していたというスキャンダルが発覚しておそらく立憲民主党から切られて、2021年の総選挙では立憲民主党寄りではあるものの無所属の福島伸享候補の選挙を取り仕切っていたと思われる菅野完さんですが、立憲民主党公認候補候補の選挙を取り仕切りたいという気持ちはかなり強いように感じます。
「悪魔の民主党」とは、民主党の悪しき面を多くの国民が嫌ったということに他ならず、例えば長崎県知事選挙で石井一民主党選挙対策委員長が民主党が推薦する候補が当選しなかった場合に、「(民主党を選ばないという)そういう選択をされるのであれば、民主党政権は長崎に対し“それなりの姿勢”を示すだろうと私は思います」と述べて有権者を恫喝したり、松本龍元復興大臣の人を人とも思っていないかのような東日本大震災の復興について協議する宮城県知事との会談における態度などを見て有権者が完全に民主党を見放したのが有権者が懸念する「悪夢の民主党」の姿です。そして、その姿はヒアリングと称して官僚を恫喝する立憲民主党の国会議員に受け継がれていると言え、民主党の法的な後継政党がどの政党であるかには全く関係がないことであると言えます。
切られた立憲民主党に「秋波を送っている」としか解釈することができない菅野完さんですが、最近のポストを拝見したところ、気仙沼市への移住を考えているそうです。気仙沼市と言えば、選挙に強い自由民主党の小野寺五典衆議院議員の地盤であることから考えると、頼まれもしないのに対抗馬の選挙に協力してご自身の選挙に関する力量を見せつけることで立憲民主党公認候補の選挙を取り仕切ることができるようになりたいという強い意思を感じます。平凡な識見しか有しない私から見ると、立憲民主党のそれなりの立場の人に石垣のりこ参議院議員に迷惑をかけたことをきちんと謝罪することが一番近道であるように感じるのですが、菅野完さんには菅野完なりのお考えがあるのかもしれません。
パンパカ工務店さんに「強い処罰感情」を示していた立憲民主党
その「悪魔の民主党」を思い起こさせる事件が、愛知県の立憲民主党所属の県議会議員が飲食店を退店した後に人糞が残っていたというパンパカ工務店さんに対してなされた立憲民主党の刑事告訴と、その刑事告訴において「厳罰を望む」旨の意向を添えてパンパカ工務店さんを有罪にすべく動いていたのです。
幸いにも検察は立憲民主党の刑事告訴を不起訴としてとりあえずパンパカ工務店さんが罪に問われることはなくなりました。しかしながら、岡田克也立憲民主党幹事長は、このような対応を積極的に行なっていくなどとおっしゃっています。そもそも、国会議員は国権の最高機関である国会を形成する大きな権力でありながらも、自由な発言を保障するために国会での発言に対しては罪に問われないこととなっています。そのような立場にあることを自覚しているのならば、民事、刑事の訴えにおいてもそれなりの自制心が求められるものと考えるのがまともな感覚であると思うのですが、立憲民主党に所属する国会議員(今回の脱糞騒動においても、愛知県選挙区から選出された参議院議員が同席したことが明らかとなっています。)は、このような自制心が皆無です。
菅直人元総理大臣が総理大臣時代の言動を批判した安倍晋三総理大臣に対して提起した民事訴訟などを思い浮かべる方が多いのではないかと思いますが、私がタチの悪い民事訴訟であると考えるのはいわゆる「Dappi」裁判です。
Xアカウント「Dappi」のポストが名誉毀損であるとして、小西洋之参議院議員と杉尾秀哉参議院議員が発信元である株式会社ワンズクエストとその代表取締役に対して民事訴訟を提起することはお二人のお考えに沿ってやればよいと思うのですが、この民事訴訟において「Dappi」のポストにまったく関わっていなかった株式会社ワンズクエストの財務担当取締役をも被告として民事訴訟を提起していたのです。しかも、会社を代表する立場でもない財務担当取締役個人が何らかの責任を負うべきであるとする論拠は、訴状からも準備書面からも書証からもまったく見当たりませんでした。株式会社ワンズクエストと会社を代表する代表取締役個人に対する民事訴訟に対する法的評価とは別にして、財務担当取締役個人に対する民事訴訟は権力による嫌がらせを目的としたSLAPP訴訟という側面を多分に含んだものであると私は考えます。
迂闊に物も言えない立憲民主党の全体主義
立憲民主党の問題点を指摘する際に外してはならないのが、本多平直衆議院議員(当時)に対するパージです。
本多平直衆議院議員は、性交同意年齢引上げに関する刑法改正論議の中で、「本多平直さん自身のような五十代の男性が14歳の女性から同意を得て性交すると罪に問われるのはおかしいのではないか」と具体的な事例を挙げたに過ぎません。それだけのことで国会議員を辞職せざるを得なくなるばかりでなく、その後の国政選挙にも立候補できなくなるという全体主義が横行しているのが立憲民主党です。本多平直元衆議院議員と反りの合わない特定の立憲民主党所属国会議員の暗躍によるものなのかは分かりませんが、政党が必ず備えていなければならない自由な議論の場すら存在しないという事実には眩暈がします。
立憲民主党はなぜ自由民主党から学ばないのか
このような立憲民主党の惨状を見ると、なぜ自由民主党という先行事例から学ばないのかと不思議でなりません。自由民主党においては、迂闊に物も言えない立憲民主党と異なり、党所属議員は一定の党議拘束事項を除いては発言が自由です。そして、党議拘束事項においては、自由民主党所属議員はきちんと守ります。その理由を突き詰めると、ほぼ全員参加の形で全会一致に至るまで討議を続ける総務会という仕組みがあることに突き当たります。立憲民主党は、なぜ自由民主党のように総務会を作って党議拘束事項についての結束力を増し、党所属議員が自由に物を言うことができる政党を目指さないのでしょうか。私は不思議でなりません。