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有識者会議の意見書に沿って皇室典範改正が行われた未来の一つの物語 2 ~皇族から逃れようとする旧11宮家の末裔たち~

「有名な人で言えば、旧11宮家の末裔と皇室が現在においても深くお付き合いしているという書籍を書いた大学の憲法の先生がいただろう?今、どうしていると思う?」
「いや、それほど気にかけていなかったからわからないけれど」
「その先生は、いわゆる『旧宮家の皇族復帰』を主張する一方、自分が皇族には相応しくないなどと言っていただろう?」
「矛盾するよな」
「その後、皇室典範改正と旧11宮家を皇族とするという特例法が施行されたけれど、但書(ただしがき)があったことは覚えているかい?」
「一つは旧11宮家の末裔は5年後に皇族とするというものと、三権に属する一定の者は皇族となることはできないという但書だったな」
「この但書自体、旧11宮家の末裔が皇族となる準備期間を設けたものと、天皇や皇室が国権と関わらないことを貫くためのものだったんだけれど、旧11宮家の末裔で皇族になりたくないと思う者はこの但書で自分たちを守ろうとしたんだ」
「どういうことだい?」
「その人は憲法の研究に没頭して、重要な論文をいくつも発表するようになったんだ」
「結構なことじゃないか」
「しかし、その目的が最近明らかになったんだ。この夏の最高裁人事を見たかい?」
「いや、何かあったのかい?」
「学者枠でその先生が最高裁判事となって、皇族になることができない条件を見事満たすことになったんだ」
「そこまでして皇族になりたくなかったのか」
「そればかりじゃないよ、最近東証1部上場した急成長の会社を知っているかい?」
「『株式会社くぁいしゃ』ってヘンテコな名前の会社なので印象に残っている」
「その会社は選挙に立候補しようとする人のコンサルティングをしているんだけれど、最近の太客は旧11宮家の末裔なんだよ」
「どういうことだい?」
「但書で国会議員、都道府県知事、政令指定都市の市長、都道府県と政令指定都市の議長が三権に属するとして皇族になることはできないと定められただろう?その中で前の三つよりなりやすい都道府県と政令指定都市の議長を狙って都道府県議会議員や政令指定都市の市議会議員になるためのコンサルティングをしているんだ」
「議長って持ち回りで、毎年辞任して新しい議長を選ぶところが多いからだな」
「それで、株式会社くぁいしゃは売上を急速に伸ばして東証1部上場に至ったんだ」
「もう一つ。Xに褌姿をアップしていて、その後弾劾裁判で裁判官を辞めた判事がいただろう?今、何をやっていると思う?」
「専門書の著作があるなど優秀な人だから、それなりに法律に関わっているんじゃないか?」
「それはそのとおりなんだけれども、その判事は司法試験の予備校講師になったんだ」
「適任だね。それがどうかしたの?」
「その予備校では、『旧皇族コース』というものがあって、旧11宮家の末裔を司法試験に合格させるための特別講義を行っているんだ」
「それはひょっとして・・・」
「そのとおり。判事や判事補になれば三権に属するものとなるからね。その判事は今や褌先生として旧11宮家の末裔だけでなく、司法試験を志す者から大人気講師となっているよ。特に著者である刑法の『構成要件マニュアル』は司法試験受験生のバイブルだ」
「皇族になってもいいという旧11宮家の末裔がいないことなんて、保阪正康さんが取材して明らかにしていたよね。亡くなった安倍晋三さんもあるときから『旧宮家の皇族復帰』を言わなくなったし」
「総理大臣として様々なルートから旧11宮家の末裔の意向を聴く機会があったんだと思うよ。絶対男系継承論者の急先鋒で、悠仁親王殿下の誕生で小泉純一郎内閣の有識者会議の意見書を握り潰したとも言われている安倍晋三さんが触れなくなったことからも、絶対男系継承論者にとって相当まずい情報だったと思うよ。」
「その情報が菅義偉さん、岸田文雄さんに引き継がれなかったということになるのかな」
「政府の諮問機関は政府の意向に沿った事務方の進行で結論が変わるからね。小泉純一郎さんのときの有識者会議は宮内庁がオブザーバーで同席していたから、天皇陛下や皇太子殿下などのお考えから大きく乖離することがなかったけれども、菅義偉さんから岸田文雄さんのときの有識者会議ではそうではなかったのかもね」
「上皇陛下の譲位による代替りは、絶対男系論者から『摂政を置け』とかかなり批判されてきたけれども新しい時代を明るく迎えることができて良かったよね」
「昭和天皇の体調が優れなくなって、新聞で天皇の容態が常に取り上げられ、天皇のご回復を願って自粛が相次いでいたあの時代の暗さを三十何年か経ったら忘れてしまったのだろうね。漫画家の江口寿史さんが自粛漫画を漫画アクションに描いていたのもこの頃だった」
「四コマ漫画の四コマ目が『自粛』になっているのから始まって、最後は四コマ全部が『自粛』になっていたアレね」