見出し画像

安田浩一さん、佐野眞一さんの思い出話でノンフィクションの筆圧を見せつける

1か月以上記事の更新を放置した上での新規記事

 1か月660円という購読料を徴収しながら、かつて1年4か月も記事を執筆することなく、その説明をなぜか有料記事として購読を検討している者への判断材料とすることがなかった安田浩一ウェブマガジン「ノンフィクションの筆圧」ですが、8月1日に「コラム 李良枝没後30年に寄せて」と題した共同通信に執筆した記事を再掲する無料記事と8月13日に「『笑い』という暴力 杉田水脈に見る『笑う側』の無責任さ」と題した2018年に『一冊の本』に執筆した記事を再掲した有料記事を更新した後に1か月以上更新をサボった末に「佐野眞一さんのこと」と題した記事を9月30日に更新しました。

 そしてさすがに更新頻度にあきれ返ったのか、安田浩一ウェブマガジン「ノンフィクションの筆圧」の更新に触れるツイートは数少ないものでした。

佐野眞一さんのヘイト記事に一応触れた安田浩一さん

 今回の記事で一番の着目点は、佐野眞一さんがなした橋下徹さんへのヘイト記事をどのように扱っているのかという点でした。さすがにノンフィクションの筆圧を見せつける一流ジャーナリストである安田浩一さんは、佐野眞一さんのヘイト記事に一応触れて批判していました。

 橋下徹元大阪市長を題材とした『週刊朝日』の連載記事は、部落差別を助長させるものだったために各方面からの抗議が相次ぎ、連載は初回のみで中止となった。当然の結果だったと思う。
 取材対象者の問題点をその出自に求め、家系図まで用いて言及することは、日本社会に根強く残る被差別部落への偏見と差別に対する理解がなさすぎる。

佐野眞一さんのこと

 しかし、1か月以上更新をサボる前の「直前」の記事である「『笑い』という暴力 杉田水脈に見る『笑う側』の無責任さ」では、セクシャルマイノリティの側からも評価する声が少なくない杉田水脈衆議院議員の家族の無理解に触れた投稿記事などにも触れた上で、衆議院議員当選3回という少し遅いともいえる総務政務官就任を「要職」としてこう述べていました。

 これではっきりした。いままで幾度も差別発言を繰り返してきた杉田議員をあえて要職に起用することが、岸田政権の意思なのだ。
 差別を許容する。その姿勢を見せつけた。

「笑い」という暴力 杉田水脈に見る「笑う側」の無責任さ

 しかしながら、差別であるかどうか見解が分かれる杉田水脈衆議院議員と比較して、鳥取ループさんが民事訴訟で敗訴したことで裁判所でも不法行為として認められた被差別部落出身者の出自を暴く正真正銘のヘイト記事を執筆した佐野眞一さんに対する批判の程度が明らかに違いすぎます。これは、安田浩一さんが「何を」述べたかではなく、「誰が」述べたかに力点を置いて記事を執筆していることのあらわれであると思います。
 ただ、ノンフィクションの筆圧を見せつける一流ジャーナリストの安田浩一さんのことですから、次回の「No Hate TV」で佐野眞一さんを杉田水脈衆議院議員並みにクソミソにご批判されるものと確信し、楽しみに待っています。