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「『NHKから国民を守る党』とは何だったのか?」(新評論)とは何だったのか 1 ~校正不在レベルの出鱈目な立花孝志ひとり放送局株式会社に対する記事~ 

 今回から不定期連載で選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんの著者である「『NHKから国民を守る党』とは何だったのか?」(新評論)(以下、「本件書籍」という。)について触れていこうと思います。

立花孝志ひとり放送局株式会社に関する記事における会社法の知識の無さをさらけ出す選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さん

株主を登記する株式会社など存在するのか?

 このnoteでもしばしば触れていますが、選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんは、一緒に面白いことをする株式会社の代表取締役、つまり社長です。当然のことながら、選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんは、会社の登記を行い、会社経営全体に目を光らせているはずですが、本件書籍の記載内容を拝見する限り、会社経営については不案内であるようです。

 なお、これに関連して、「立花孝志ひとり放送局」の問題を取り上げておく。第1章でも述べたように、この会社は株式を発行していながら、7年近くにわたって株主を登記せず放置していた。もちろんその間、自身以外の株主を招いての株主総会も開かれていない。年商がごく小規模で、株主の多くがN国信者だったため大事にならずに済んでいただけで、法的には大問題である。

「NHKから国民を守る党」とは何だったのか?(新評論)

 この部分を読んで私は目を疑いました。株主を登記する株式会社など日本国内のすべての株式会社を探しても存在しませんし、株式会社の登記簿に株主を記載する欄も存在しません。少し考えればわかることですが、証券市場に公開している株式会社の株式は金融商品化しており、投資家は配当を受け取ることを狙うより株式の売買差益を狙って売買を繰り返す方が多く、株式会社に株主を登記することを義務付けたなら大変なことになることはわかりそうなものです。そもそも、一緒に面白いことをする株式会社の代表取締役である選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんはご自身の会社で株主を投棄したことなどないはずですし、出版元の新評論の校正担当はあきらかに誤っている表現をなぜ修正すらさせるに出版まで放置したのか不思議でなりません。

立花孝志ひとり放送局株式会社の株主構成に対する私見

 そして、立花孝志ひとり放送局株式会社の株主総会に関する法的な問題については「わからない」としか言いようがありません。

 その後、立花はパチンコで生活費を捻出する傍ら、2012年9月に「立花孝志ひとり放送局株式会社」を設立する。だがすぐに立ちゆかなくなり、資金調達のため動画視聴者を相手に株主を募集し始める。大勢の従業員を雇っているわけでも、店や工場のような巨額の設備投資を必要とするわけでもない、まさに「立花ひとり」を養うだけの会社である。自分で自分に給料を出し、事務所の家賃やら何やらの固定費を払うのに月100万円もかからないだろうから、せいぜい3日ほどパチンコ通いをすれば賄えたはずなのに、彼はそれをしなかった。なぜか。すでに友人の経験談から明らかなように、「パチプロ伝説」が誇張にすぎなかったからではないか。だいたい、パチンコが本当に「3日で100万稼げる」ものならば、今以上に人が殺到するはずだ。

「NHKから国民を守る党」とは何だったのか?(新評論)

 株主構成については、令和5年5月25日に立花孝志ひとり放送局株式会社は変更登記を行っていますから、その際に株主総会が行われ、株主総会議事録が登記申請書の添付書面として添付されており、それに加えて株主リストもまた添付書面となっているはずです。株主リストとは、株式会社の株主の氏名や名称と保有する株式数が記載されたもので、株主総会に出席した株主の所有する株式数、株主総会で決議に賛成した株主の所有する株式数を明らかにするためのものです。ただ、この株主リストは法務局で一般の閲覧者が閲覧することができないものとなっています。したがって、株主総会議事録が添付書面として変更登記申請書に添付され、法務局の登記官が申請に基づいて立花孝志ひとり放送局株式会社の登記を変更している以上、法的に問題のない形で株主総会が開催されたと推測される程度しか述べることはできません。
 そして、立花孝志ひとり放送局株式会社の株主総会に立花孝志さん以外の株主が出席していなかったとしても法的な問題があると断言することはできません。なぜならば、株主総会で決議する議案について定足数と決議要件を満たしているならば決議そのものについては法的な問題がないからです。例を挙げてみましょう。

株主
立花孝志 保有株式 67%
他の株主 保有株式 33%

このような株主構成となっていた場合、立花孝志さん一人が株主総会に出席して、決議に賛成すれば、定款の変更などの重要な変更登記の申請においても株主総会は有効に成立しており、決議要件も満たしているということになります。ただ、この株主総会が法的に問題がなかったとするためには株主総会開催の通知が適法に発信されていたことが条件となります。
 株主総会開催の通知は、会社法によって通知の発信時期、通知に添付すべき情報などが定められており、それを満たしていなければ株主総会の決議が違法性を帯びることとなります。つまり、一応ジャーナリストを自称している選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんがなすべきことは、立花孝志ひとり放送局株式会社の株主となった者を探し当てて株主総会開催の通知がきちんとなされているかを聴き取ることで、その取材をもとに記事にするのが正しい取材のやり方であると言えます。そのような正しい取材のやり方をなさずに株主総会に関する的外れの批判をなしている選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんは、ジャーナリストとして必要な資質をまったく持ち合わせていないと言っても間違いではないでしょう。