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「日常」と「記憶」の話

僕たちが生きる「日常」のふとした瞬間に、
これまで生きてきた「記憶」の断片が、
顔を覗かせる。

「それ」は五感以上の、
例えば鼻の奥の、耳の裏の、背中の後ろの、
「身体の深部」が感じるもので、

「それ」は風景以上の、
例えばあの校庭の、あの街角の、あの川の、
「存在の辺部」に触発される。

覗いてくるその記憶の顔は、どれも
まどろんで、セピア色で、そして生温い。

過去からのプレゼントなのか、
現在からのリクエストなのか。
分からないけど、私たちはいつも、
その断片に触れていたいのだと思う。

たぶん、帰る場所はそこで、
それでいてずっと追いかけている。

「あの頃に戻れたら」「もう一度会えたら」
きっと、人生はその繰り返しだ。

私たちは「日常」に生きているようで、
「記憶」に生きている。そんな話。

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