マガジンのカバー画像

わたしの本棚

私が棚に並べるのは、古風な日本人からたまたま譲りうけた古書ばかりで、元の持ち主が亡くなった方も少なくない。要は私の本棚で一時期お預かりしているだけに過ぎない。そのような絶版ばかり…
¥500 / 月
運営しているクリエイター

#碧眼ところどころ

『碧眼ところどころ』野口晴哉|全生社

『碧眼録』の頁をめくられたいのであれば、西片擔雪の三巻ものがたしかであろう。まだ古書店で時折、眼にはいる。逆にところどころでよいのであれば、禅坊主に道樂者と叱られながら、本書を手にとられたい。 こちらは古書店でも最近は見かけなくなってきた。 全生社は整体協会が出版されてきた本で、文字通り生を全うするための修身がまとめられている。その中でも『碧眼ところどころ』は最も人氣がなかったのだそうだ。 概して百年さきまである書物は売れぬものだが、かえってそのために残るといった節もあ