『碧眼ところどころ』野口晴哉|全生社
『碧眼録』の頁をめくられたいのであれば、西片擔雪の三巻ものがたしかであろう。まだ古書店で時折、眼にはいる。逆にところどころでよいのであれば、禅坊主に道樂者と叱られながら、本書を手にとられたい。
こちらは古書店でも最近は見かけなくなってきた。
全生社は整体協会が出版されてきた本で、文字通り生を全うするための修身がまとめられている。その中でも『碧眼ところどころ』は最も人氣がなかったのだそうだ。
概して百年さきまである書物は売れぬものだが、かえってそのために残るといった節もあ