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百字の物語

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たった百字の物語。 そんな手紙を君に贈ります。
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#釣り

 日曜の朝、三途の川に糸を垂らしている父にこう訊ねた。
「釣れていますか」
 すると浮きが静かに沈み、竿が下界の方へと曲がった。
「引きは強いがね」
 父は微笑し、川の上流へとのぼっていった。