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子連れ美術館 【豊田市美術館 サンセット/サンライズ展】

久しぶりの記事です。皆さまいかがお過ごしでしたか? 相変わらずのコロナに加えて、世界情勢まで不安定になってきちゃいましたね…

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先日、娘と出かけられる日があり「どこに行きたい?」と聞いたところ「とよたしびしゅつかん!」とのことだったので、行って参りました。

ちょうど新しいコレクション展『SUNSET/SUNRISE』が始まったばかり。平日ということもあり空いていましたが、嬉しかったのは他にも子連れの方がちらほらいたこと! 4、5歳の女の子連れの女性と、2歳くらいの男の子の手を引いて鑑賞してる方を見かけて、勝手に「同志よ!」と思ってました。

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同展は、「サンセット/サンライズ」から派生する多様なイメージを手がかりに、豊田市美術館のコレクションを紹介するもの。コレクション展ですが、お馴染みの作品から「こんな作品も持ってたのかー」という初見の作品まで、さまざまでした。

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「眠り」や「死」「マジックアワー」など、日の出や日没からイメージされるテーマに沿って、展示が進みます。結構じっくりひとつずつ鑑賞していく娘。

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今回の招待作家の小林孝亘氏さんの作品。別室で新作展も開催中です。

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クリスチャン・ボルタンスキーの作品。思わず、ウクライナの子どもたちことを想起して心が痛くなる。

河原温の『Today』シリーズも、前回に続き再び展示されていた。つい最近、愛知県美術館の「ミニマル/コンセプチュアル展」にもこのシリーズの作品が出ており、短期間で三回目の鑑賞。はじめはあまりピンと来ない作品だったんだけど、ここのところこの作品について色々考えたのでメモします。(下の画像1枚のみ、前回の豊田市美術館での展示のものです)

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温さんの作品に記された過去の日付を見る時、
それはただの数字なんだけど、自分にとっては
「私が生まれる1年前の母の誕生日だな」とか主観的にその数字を捉えるわけで(人が見る限り、そうするしか捉えようがないと言うか)
愛知県美術館のキャプションの文章にあった
「グレゴリオ暦で記された普遍的に広がる絶対的な時間と、より主観的な感覚でもって認識され
記憶される時間のあいだの拮抗関係が現れている」というのが非常にその通りだなと。

更に、河原さんにとってこの日はどんな日だったのかなぁと考え始め、ああそうか、他の人間ひとりひとりにとっての「この日」があるんだなぁって思いを馳せられたときに、これはアート鑑賞でしか得られない視野の広がり体験だなぁと感じました。

アートは世界を救うなんていうといかにも綺麗事っぽいんだけど、本当にそうだよねと、私は思ってます。アートを見るって、自分を見つめて他者を想うってことなんだ。

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とまぁ私のゴタクは置いておいて、娘的に今回一番気に入ったらしいのは、この篠原有司男さんの『ボクシング・ペインティング』。2007年にこの美術館のお庭で製作されたときの映像も流れていて、やたら熱心に見ていました。

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ボクシンググローブに墨をつけて、キャンバスを殴っていくっていう手法で、アクションペインティングのひとつ、と言っていいのかな。「こんな描き方もあっていいんだ」っていうのが新鮮だったのかな? もしくは、自分のおじいちゃんと同じくらいの歳の人が半裸でバンバン殴ってる映像が珍しかったのかもしれません笑

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「これ、まあるくなってたらおもしろいかもね? 」と娘が言っていて、なるほどねぇと思う。馬蹄型の内側に沿わせるように展示して、中に入って見るっていうのも面白そう。

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最近写真を撮るのが好きで
「すてきなところがあったからカメラ貸してー」とスマホを奪っていく娘。

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撮影OKな美術館がだんだん増えてきましたよね。作品を写真に撮ることの良し悪しもありそうだなと思いながらも、今は何が彼女の琴線に触れているのかが気になるところです。簡単なカメラを与えてみようかな…?

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帰りは恒例の中庭でのかくれんぼ、噴水ぐるぐる走り、それからアプローチでのドングリ拾いと、豊田市美術館の空間も満喫して、ついでに豊田市民芸館まで足を伸ばしてから帰りは産直でお花と野菜を買い、充実した豊田市アート巡りの一日となりました。

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毎日でも来たい美術館ナンバーワンの豊田市美術館&いつ来てもほぼ貸し切りの贅沢空間、民芸館。皆さまもぜひご体感ください。お読みくださりありがとうございました!


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