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譜を書き起こす仕事

2018年に「プ譜」というツールを開発し、世に問うてから二年が経とうとしています。「プ譜」とは、プロジェクトを進めるための内外の状況や、関係性の変化、意思決定のプロセスを可視化し、共有するツールです。

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将棋に棋譜が。音楽に楽譜があるように、プロジェクトにも「譜」があっていいんじゃないかと考えたところから「プ譜」という名前になっています。
多くの方々にプ譜のコンセプトに共感いただき、様々なプロジェクトがプ譜化されているなか、もっと譜の世界を学ぼうと、ヘッダーの画像にも出したこの書籍を読みました。

音楽活動をしていらっしゃる方はご存知のことと思いますが、私はこの書籍で「写譜家(写譜師、copist)」という職があったことを知りました。
写譜家はバッハが活躍したバロック時代には存在しており、作曲家が書いたスコアからパート譜を作ることを仕事にしていたそうです。著名な作曲家になると、専属の写譜家を抱えていたとも。

譜面に書き起こすことが仕事になるのだなぁという感想を持ちましたが、よくよく考えれば、楽譜という“耳に聴こえる音楽を目で見られるように変換”したものを書くということは、専門的な知識・技術を要します。
音の高さと長さ以外にも、強弱や音色、リズムや速さを表すための記号などの駆使して、そこに記された音楽を表現できるように蓄積された知識・技術は容易には習得できません。

そう考えると、プ譜という形式でプロジェクトを書き起こすことも、立派な仕事になるのではないかと思いました。

プ譜はプロジェクトの状況を表すだけでなく、プロジェクトを進めるための仮説を創り出し、遭遇した事象や獲得した情報を記録し、プロジェクトMTGのファシリテートを支援するツールでもあります。
ただ記録する以上の価値・ポテンシャルがプ譜にはあるのですが、プ譜を世に問うてからの二年間に蓄積した実践の成果を、新たに上梓することになりました。
プ譜をつかったプロジェクトの合意形成方法。プロジェクトMTGの進め方など、世の中のプロジェクトに携わる方々の一助になることを期待しています。ぜひお手にとってご覧ください。



未知なる目標に向かっていくプロジェクトを、興して、進めて、振り返っていく力を、子どもと大人に養うべく活動しています。プ譜を使ったワークショップ情報やプロジェクトについてのよもやま話を書いていきます。よろしくお願いします。