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あなたのプロジェクトの立ち位置は?

ある1つのプロジェクトはより大きなプロジェクトの一部を構成するもの(部分)であることがあり、そのプロジェクトもまた、より小さなプロジェクトで構成されていることがあります。

新規事業開発をプロジェクトの単位とするなら、そのプロジェクトは所属する企業の大きなプロジェクトの一部分であり、その内にはプロダクト開発、新規見込客発掘や育成といった小さなプロジェクトが存在しています。

これらのプロジェクトの関係は入れ子構造のようになっており、自分が任されているプロジェクトがどこに位置するかによって、プロジェクトの未知の量、難易度が変わってきます。
本noteでお馴染み「プ譜」を用いて説明すれば、それぞれのプロジェクトにプ譜が存在します。

ある会社のプロジェクトの入れ子構造

世の中に先例のない新規事業開発は未知の度合いが高いですが、展示会に出展して見込客を獲得するのは未知の度合いが低いです。
しかし、まったく新しい製品で出展するとなれば、展示会という手段としての未知度は低くても、結果についての未知度は高くなります。
これを、下記の「自分のプロジェクトかどうかを測る図表」にマッピングすると、下図のようになります。

大なり小なり未知を含めば、それはルーティンワークではなくプロジェクトだと言えます。

任されるプロジェクトの立ち位置の違いは、見る時間的距離や範囲、自身がコントロールできる・影響を及ぼすことのできる要素とその度合いが異なることを意味します。

新規事業で開発する製品によっては、このプロジェクトはその製品を購入する顧客のプロジェクトに接続します。(製品を購入して使用する顧客の活動もまた上述の入れ子構造になっている可能性が高いのは言うまでもありません)

このようにプ譜は、上位にも下位にも、縦横無尽にプロジェクトを記述することができます。

顧客がどのような目的で製品を使用するのかによって、未知の度合いが変わってきます。世に前例のない制度の策定であれば未知度が高いでしょうし、先例がありそれを支援してくれるコンサルティングサービスがあれば未知の度合いは低くなります。

自分のプロジェクトの立ち位置を知り、見るべき時間的距離・範囲、影響を及ぼすことのできる度合いを知ることができれば、自分がコントロールできない対象に無駄なリソースを費やさずに済みます。

大なり小なり未知を含む種類も規模も異なるプロジェクトを複数抱えて進めていくことは、決して一人ではできません。
ここでプロジェクトがどのようなプロジェクトによって構成され、その未知の度合いを把握しておけば、誰になら任すことができるのか?が判断しやすくなり、任せるときどのような点に注意すればいいのかということもわかりやすくなります。

このようなプロジェクトの種類によって異なる未知の度合いに応じ、どのような進め方をすればよいのかを、あるSaas事業開発プロジェクトを題材に、新著『ゼロから身につく プロジェクトを成功させる本』で詳しく解説しています。

ちなみに、新制度策定という顧客のプロジェクトに接続し、部分として或いは手段として組み込まれると、Saasビジネスであればカスタマーサクセスが顧客と相対することになります。

多くのカスタマーサクセス職にある人は、顧客のプロジェクトの未知の度合いここで自身が与えられる影響範囲の狭さに苦しむでしょう。
本書ではカスタマーサクセスに関してページを割くことができなかったため、noteにスピンオフ企画として以下のコンテンツを掲載しています。

よろしければご覧ください。

未知なる目標に向かっていくプロジェクトを、興して、進めて、振り返っていく力を、子どもと大人に養うべく活動しています。プ譜を使ったワークショップ情報やプロジェクトについてのよもやま話を書いていきます。よろしくお願いします。