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自分の仕事がプロジェクトかどうかを測る図表

プロジェクトクリニックのカウンセリングや企業研修などで、ときどき相談者や受講者の方から「自分の仕事はプロジェクトなのか?」「何をもってプロジェクトと言うのか?」という質問を受けます。

新しく知り合った人と同人誌をつくることも、新しいツールの導入や制度を策定することも、様々なものごとに「プロジェクト」という言葉がついてくる昨今です。

PMBOKの定義ななら、「独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施される有期性の業務」となりますが、私の書籍や研修などでは、プロジェクトは非ルーティン的な仕事であると大きく定義して、以下のような説明を補足してきました。

  • インプットとアウトプット(或いは、原因と結果)の相関関係が不明瞭な仕事。

  • 部署横断的な、他者と協働して進める仕事。

  • 大なり小なり自分にとって未知の要素を含む仕事。

  • 多くの既知と未知の要因が存在し、要因が複雑に絡み合う仕事。

自分の仕事がプロジェクトかどうかを知るのは目標管理の方法を決める上で重要なことです。既知の要素が多いルーティンワークと、未知の要素が多いプロジェクトでは、仕事の計画の立て方進め方、マインドセット、目標管理や評価方法が変わって然るべきだからです。

プロジェクトの定義を説明すると上記のようなものになりますが、もう少し視覚的にわかりやすくできないかと考え、下の図表を作ってみました。

縦軸に「施策・手段の明確性」。横軸に「結果の明確性」を置きます。
縦軸は上にいくほど、施策・手段をどのように行えばいいのかがわからない、どんな施策・手段が最適なのかがわからない、まったく新しい手段を創案しなければならないという状態になります。
横軸は右にいくほど、どのような施策・手段を選択し、どのような過程を経ていけば意図した・期待した結果が出るのかがわかりにくい状態になります。
上と右にいくほど未知の要素が増えていきます。

四象限にすると、左下には「施策・手段の明確性」と「結果の明確性」が高いルーティンワークが入ります。
右上には「施策・手段の明確性」と「結果の明確性」が低いプロジェクトが入ります。右下の「施策・手段の明確性」が高く、「結果の明確性」が低い象限は、他社事例はあるけど自社とは条件が異なるような仕事が入ります。これもまたプロジェクトの部類に入るといっていいと思います。
「施策・手段の明確性」が低く「結果の明確性」が高い仕事にどのようなものがあるのか思いつきませんでした(こんなのあるぞというものがありましたらお教えください)。

右上と右下の象限に入るプロジェクトの計画を立て、実行し、他者と協働し、ふりかえって進めていくための方法をまとめた新刊が出ましたので、よろしければご覧ください。


未知なる目標に向かっていくプロジェクトを、興して、進めて、振り返っていく力を、子どもと大人に養うべく活動しています。プ譜を使ったワークショップ情報やプロジェクトについてのよもやま話を書いていきます。よろしくお願いします。