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そんな時は、世渡り上手になればいい

「うちの子、忘れ物が多いのですがどうしたらいいのでしょうか?」
「そうなんですね。……実は、うちもなのです。」


残されたカバン

「いってきます!」
息子の声が消えて一息つきます。

さぁて、掃除機でもかけるか。
部屋を掃除していると、
1つのカバンが転がっていました。

!?
これは、月曜日の朝にもっていくはずの
上靴と体操服とリコーダー!
またか。
また、忘れていったのか弟よ……。
そうして母は絶望しました。
もちろんこれを届ける選択肢もあるけれど。

もう、どうにでもなれ。
彼は学校で困る経験を積めばいい。
と、そのまま放置することにしました。

残された1つのカバン。
上靴と体操服とリコーダーが入った
膨らんだ布製の手提げカバン。
結構、存在感があります。

それを見つめてふと考えます。
(どうしてこれを置いていったのか)
母は、いったい彼に
何を望んでいるのだろうか。

親の心子知らず

お兄ちゃんは絶対忘れ物をしないように
毎朝、チェックを欠かしません。
やりすぎなぐらい念入りに(笑)

弟は、出発時間も忘れます。
追い立てられてやっと気がつきます。
家にチャイムが欲しい。そんなことを思います。

これは、その子の性格で、どうしようもありません。

兄は不安が強いから、リスク回避で自然とやれます。
真面目で先生に怒られないように。
怖がりすぎちゃうと生きにくそうって思うけど。
チャレンジ精神が育ちにくいのがデメリット。
それでも、母は安心でこの子の方が育てやすい。

弟は楽観的で何とかなる。
だから忘れても、表面上は気にしない。
それすら明日には忘れてる。楽天的でマイペース。
実は気にしているけれど、そこは深堀しないでほしい。
わかっているからわざわざ言うな!と怒りだす。
(実は、心は繊細さん)

母の希望は、それぞれが自立した時困らない。
そんな大人になってほしい。
それだけ。だから放っておく。
なるべく、自分で気づけるように。
自分で何とかできるよう。

って、あれ?
でも、私も忘れ物することあるよな。
ハンカチや、折り畳み傘、ボールペン。
時には忘れてしまうことはあります。
それなのに、息子には忘れ物しないように!
なんて都合がよすぎるんだろう……。
自分の事は棚にあげて。

忘れ物をなくしてしまおうと息子を叱るのはお門違い。
忘れ物はあったとしても
大人なら、その場で買ってしのぐとか
誰かに一時的に借りればいい。そうやって乗り切れる。
そういう知恵の方が大事かもしれません。

私は「またか」と絶望してしまいました。
それこそ、息子に失礼です。
1年間に月曜日は約50回。
そのうちの数回忘れたぐらいで
「またか」と絶望することはないですね。

とっても厳しい評価の押しつけです。
そんな母になりたくはない。
だって、正直うざいから(笑)

今までに赤白帽子を届けたり、
公園に忘れたリュックを
取りに行ったこともあったけど
親が裏で何回も対処してくれたなんて、
彼はちっとも覚えてない(笑)

まさに、「親の心子知らず」ですが
そんなのだって当たり前。
だって私は親であり、子どもよりも視座が高い。

本当に子育ては学びが深くておもしろい!
世渡り上手になることこそ
生きる上では大切で彼らのためになるはずです。

親としての成長と新たな視点をもらいます。
自分の中の厳しさと失敗許せる親心。

残された1つの手提げかばんから。
忘れ物、完璧にはなくせない。

世渡り上手が最高

人間は忘却の動物です。
もし人間が記憶力100%だったなら、
みんな受験に受かってる。競走すら必要ない。

世の中みんな天才で、約束反故もなくなる。
政治の間違い指摘され、嘘もすぐ見破られる。
辻褄合わない事はなく、隠せることが何もない。
だって、みんな覚えてる。一言一句覚えてる。

だけど、それは幻想で
現実は誰も興味がないし見てもいない。
人は都合のいいように解釈して
すぐに忘れてしまう生き物です。

忘れるのが人間で、忘れちゃうのは当たり前。
そんな世界に住むならば、世渡り上手が一番で
空気を読んで生きていく。

忘れ物。

困ることはあるけれど、何とかなること多くって
不安に押しつぶされるより何とかする力の方が大事かも。

忘れ物は仕方がない。
そうやって笑い飛ばせるぐらいが丁度いい。
私の姿勢が試される。

「ただいま」と
今日帰ってきたときに、笑って流せる母であろう。
そんな誓いを立てておこう。

忘れちゃうのは、しかたない。
何とかできたか聞いてみよう。
防止策より、打開策。
切り開いていく力。
その力があった方が、たぶん世の中生きやすい。
楽しく笑って生きやすい。


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