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全力で嘘をついた日

母のおでこに1か所だけ。
ちょうど眉毛と眉毛の間から2㎝ほど上に。

もう、大人だからニキビなんて
かわいい言葉を使えません。
できもの
ぷちっと
いくら

とにかく、できてしまったものは仕方ありません。
前髪で隠しておきます。

誰にも気づかれませんように……。

いや、待てよ?

おもしろいかもしれません。
むしろ家族になら公表しても。
(ここで海の珍獣ハンターの血が騒ぎだします)

旦那に、
「ねぇ、見て見て!第三の目!」(にんまり)
と、前髪をあげて見せてみます。

なんだか、ほほえましく仏のような顔で
スルーされた気がします。
近くにいた息子は何事かっていう顔を
しているので、仕方なく説明します。

「お母さんのおでこに、
目ができちゃったんだよ。ほら、みて!」

彼らはまだまだ小学生。
そんなニキビができるような肌をしておらず
つるつるのすべすべなのです。
この存在すら知りません。(羨ましい)

「これね、第三の目みたいでしょ。飛影とか。」
(旦那にしか幽遊白書は通じなかった。改めて)
「えっと、プリンみたいに。」
(ワンピースなら通じるであろう)

ONE PIECE 86巻より

そんな風にふざけてたら
次男が
「え!それ本当に見えるの!?」
と無邪気な質問をしてくるではありませんか。
しかも割と本気で疑問をもっている。
そうきたか。

母は、全力で答えましょう。

「うん!バッチリ見えるよ!」

……。
この全力がイケなかった模様です。
「それじゃあ、嘘だね(笑)」


嘘をついてはいけません。
そんなルールがこの世の中にありますが、
こんな丸わかりの嘘もいいじゃないですか。
楽しいし、場が和むし。

嘘つきって言われてもいいや。
私には家族の雰囲気づくりの方が大事だから。

こどもたちが笑っていられる世界を
今日もまたつくっていこう。

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