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こどものRSウイルス感染症について

夏に流行が始まることが多く、秋から冬を中心に流行するのがRSウイルス感染症です。主に乳幼児が感染し、呼吸困難に陥ることもある呼吸器感染症です。
日本で毎年12~14万人の2歳未満の乳幼児がRSウイルス感染症を発症し、そのうち約3万人が入院すると言われます。
今日はRSウイルス感染症についてお伝えします。

★感染経路
RSウイルスによって感染し、接触感染・飛沫感染により感染します。潜伏期間は4~6日です。

★症状
発熱・鼻汁・咳・喘鳴などの症状が出ます。
年長児や大人が感染しても軽い風邪の症状で済むことも多いですが、乳児が感染した場合、急性細気管支炎や肺炎となり、呼吸困難から人工呼吸器管理が必要になることもあります。
乳児の呼吸状態が一気に悪化することがあるのが特徴です。

★治療
有効な治療薬がないため、対症療法になります。

基礎疾患がある乳幼児に対しては重症化を抑制する薬として
シナジス(RSウイルス抗体)を使用します。RSウイルスの流行期に抗体を月1回筋肉注射することで、発症予防と軽症化ができるためです。
ただし、基礎疾患のない大部分のこどもには使えないという問題点があります。

★★RSウイルスワクチン
一般の乳児への対策として5/31からRSウイルスワクチンの発売が開始となりました。
24~36週の妊婦さんが接種するワクチンです。
お母さんの抗体を胎盤を通じて、母体から胎児に抗体を移行することで、新生児および乳児のRSウイルス感染症による下気道疾患の発症と重症化を予防することが出来ます。

詳細は日本小児科学会参照ください。

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