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中村文則 『逃亡者』

最近あまり小説は読んでいなかったけど、ゴールデンウィークで時間もあるので一冊くらいは小説読んでみるかと思って、買い物帰りに本屋にふらっと立ち寄ってみた。本は読むけど、小説にはあまり手を出していなかった。著者はほどんど中村文則と西加奈子という偏食ぶりがすごい。

今回『逃亡者』を選んだ理由は、たまたま中村文則の新作が出ていたことと「隠れキリシタン」。いつか長崎の浦上にも行ってみたいと思っていたところ、ちょうどいい題材の本と出会った感じ。

【概要】
「1週間後、君が生きている確率は4%だ」突如始まった逃亡の日々。男は、潜伏キリシタンの末裔に育てられた。
「君が最もなりたくない人間に、なってもらう」第二次大戦下、”熱狂””悪魔の楽器”と呼ばれ、ある作成を不穏な成功に導いたとされる美しきトランペット。あらゆる理不尽が交錯する中、それをかくしもち逃亡する男にはしかし、ある女性と交わした一つの「約束」があった–––。(抜粋)

中村文則は「宗教」「戦争」「多様性」をテーマにすることが多いが、今回は全て含まれているという感じで個人的はすごく興味のある内容ばかりだった。また、どこかの記事で今のコロナの状況と戦前の状況が似ていると著者が語っていたが、読んでまさに同じ感覚を持った。

リベラル寄りな内容の『逃亡者』が百田尚樹『日本国記』と同じ幻冬舎から出版されたのも面白い。

次は隠れキリシタン繋がりで遠藤周作『沈黙』も読んでみよう。

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