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小玉すいかの加工・調理方法

「小玉すいか」をテーマに卒業研究に取り組んでいる生徒さんのために、加工・調理を考えてみました。【農産加工は科学実験】いつも生徒さんに言ってる言葉です。楽しんで遊びながら試行錯誤。創造力と直感に従って、手と頭をめいいっぱい使います。この楽しさに目覚めてくれる方が一人でも多くなることが私の目標。まあ、いつも一番楽しんでるのは私ですが。

農産加工・調理について

はじめましての方へ

私は某農業短大で農産加工実習という
講義を受け持っています。

クラスは2つ

①米・大豆・麦・雑穀などの
 穀物生産を学ぶクラス

②野菜・果樹を学ぶクラス

実は本来の専門は畜産なので
お肉・乳製品などの加工もやります。
(蜜蜂・蚕も畜産なんですよ)

授業で使っている加工方法やレシピ、
素材研究などなど

少しづつnoteにまとめていくので
ご興味のある方は
時々覗きに来てくださいませ。

小玉すいかについて

今回研究してみたのは「小玉すいか」

品種は「紅しずく」

果肉は綺麗な桃紅色(すいからしい色)

糖度が12~13度と高く(甘い)

適度にシャリ感がある
美味しいすいかです。

ちなみに「すいか」は野菜です。

そして、農業関係者は野菜を
「ひらがな」で書きます。

なので、この記事では「すいか」と
表記しますね。

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栽培の様子。
きゅうりに使う資材(アーチ)を使った
空中栽培。キレイです。

すいかジュースを使った加工調理

まずは定番のジュース。

すいかには独特の「瓜(うり)臭」があり
あまりジュースには向かないようです。
日本ではたぶん生産されてないと思います。

台湾で「西瓜(すいか)牛乳」なるものが
コンビニで売られてると聞き
いろいろ調べてみると
すいかは乳製品との相性がいいようです。

そういえば、
某コンビニの「すいかフラッペ」は
すいかかき氷にミルクを注いで作るもの。

東京に上陸した台湾の「西瓜牛乳」も
生クリームなどが使われているようです

すいかジュース

まずはフードプロセッサでジュースに

そのまま飲んでも甘くて美味しい。

ただ、私には甘すぎで
たしかに「瓜臭」と言われるクセは感じました。

そして

すいか1:牛乳1の割合で割ったのがこちら

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写真の色合いがうまく出てないのですが

もっとオレンジがかった
きれいなサーモンピンクで
飲みやすく優しい味。
とても美味しいです!

同じ割合で豆乳でも割ってみたのですが
お互いのクセが合わさってしまい
苦手な人が多そうな味となりました。

アイスにも混ぜてみたのですが
とても美味しい。
やっぱり乳製品との相性は鉄板のようです。

すいかの皮を使った加工・調理

すいかは漢字で書くと西瓜。
瓜(ウリ)の仲間です。

なので、皮は工夫次第で食べることが
できます。

まずは、きゅうりのように漬物

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スライスして、多めの塩でがっつり漬けます。

2日ほど経ってから水に浸し
適度な塩分にします。
水気を軽く切ったら出来上がり。

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皮付きのままで全然大丈夫でした!
色もきれいなままですし
歯ごたえが残って美味しいです。
からし漬けやキムチ漬けもいけそう。


次に、皮だけを使うパターン
千切りにして塩もみ

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見た目きゅうりの皮のようです。

しっかり塩もみしてから
水にさらして絞り
マヨネーズで合えました。

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酒のつまみにピッタリ笑

未熟な小玉すいかについて

最初に画像でご紹介したように
今回の小玉すいかは空中栽培。

成熟する前に落下してしまうことが
どうしてもあります。

すいかは、置いておくと熟する、
いわゆる追熟(ついじゅく)という
ことが起こりません。

つまり、未熟なものは未熟なまま。

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食べられないことはありませんが
甘さはありません。

未熟な実の加工・調理

煮物とピクルスにしてみました。

結論から言うと煮物まあまあ。
ピクルスいける!

という感じ。

煮物は、冬瓜と同じように
一回煮こぼしてから
出汁と醤油で煮ました。
(すいかの甘みあるので)

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みょうがとジュレにした煮汁を
添えてみましたがどうでしょう?
なぜか独特の魚臭い感じがあるので
ツナとの炒め煮や、
なまり節と合わせた煮物の方がいいかも。

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ピクルスはかなりいい感じ
米酢・塩・ローリエ・粒胡椒
・オリーヴオイル・鷹の爪
そしてレモンがめっちゃ合います!

スパイスの組み合わせなども
今後試していきたいな
と思いました。


まとめ

すいかには
シトルリンというアミノ酸と
カリウムというミネラルが
豊富に含まれています。

天然の「白虎湯」と呼ばれ

利尿作用・むくみ防止
身体の熱放出
渇きを癒す
口内炎の緩和

などの優れた作用があります。

まさに夏にかかせない食べ物ですね!

赤く甘い部分には、トマトと同じ
リコピンとアスタキサンチンが
含まれています。

今回の研究で

皮や未熟な実でも
美味しく食べる加工法が
あることがわかりました。

生徒さんには、甘く美味しい実を
グミにする研究もしていただいてます。

その成果も後ほど載せていくので
楽しみにしててくださいね!

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