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地域と共に歩く

B型事業所つばきラボは常に地域を意識している。地域に守られる存在ではなく地域を守る存在、もしくは共に歩んでいく存在でありたいと思っている。

その1つが「温泉施設の清掃」だ。別府市には約200箇所の共同浴場がある。市民にとって「温泉」はすごく身近な存在で大切な地域コミュニティの場なのだ。僕自身、子供の頃は家のお風呂には入らず近くの共同浴場に行って近所のおじさん達から優しく接してもらったり時には叱られたりと「社会」というものを教えてもらった記憶がある。が、今その「温泉」は後継者不足による存続が危ぶまれている施設もある。その温泉施設の清掃につばきラボが関わることはすなわち地域と関わることになり地域を守ることになるのだ。

1年半前、「障がい者のために何かしたい。一緒にやりませんか?」と代表が僕に声をかけてくれた。そして「B型事業として温泉施設清掃をやるのはどうか?」と代表に言われた時「これだ!」と思った。

僕は障がい者福祉の世界で仕事を始めてから「障がい者の自立」の為に自分はどう動くべきか?を考えていた。「自立」の捉え方は様々あると思うが、僕は地域に溶け込む事が自立の一歩だと思っていた。だから「温泉施設清掃」を聞いて「これだ!」と思ったのだ。

実際、温泉施設の清掃を始めて、温泉に来るお客さんとつばきの利用者さんが触れ合う事が多くなった。お客さんはおそらく「障がい者」としてではなく毎日掃除を頑張っている清掃会社の人。という認識だろうと思う。が、それでよいのだ。地域で暮らしていく中で「障がい者」とか「健常者」などという概念はないのだ。という事を体現してくれている。当たり前の風景がそこにはあるのだ。

もう1つは代表が高齢者の「孤食」を失くしたいという思いから始めた「別府食堂」だ。

昨年から始めた取り組みで、高齢者だけでなく、近隣の方が気軽に立ち寄って一緒に食事を楽しむ場を提供している。先月、先々月はコロナウィルスの影響でお弁当の販売という形で開催した。つばきラボの利用者さんも準備等を手伝っている。これも地域に向けた取り組みであり、地域の人達にできる事として今後も定期的に開催していきたいと思っている。

障がいの有無に関係なく「できない事」を探すよりも「できる事」を見つけてチャレンジしていきたい。この僕の考えを代表は暖かく応援してくれている。本当に感謝。



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