【無料】#109 子育てにおける『気配り』とは?
中学受験期の子育ては、「反抗期」との戦いの側面があります。
SNSなどでは、「うまく行っている」正の側面を強調する特徴が見受けられます。しかし、その実、日々反抗期と戦っているなんていうことは、日常茶飯事のことだと思います。
本日は、そんな親子関係の中で、親が子にする「気配り」とは何かを投稿してまいります。「気遣い」と「気配り」は根本的に異なりますので、この点ご注意ください。
親が子にしてはいけない「気配り」とは?
自分の価値観を押し付ける
気に障ったことに感情をぶつける
失敗しないように先回りする
この3点は、子供の自立を阻む行いだと、私は考えています。
「気配り」の正体
気配りの前に必要なこと
社会経験をお持ちのご両親様ならご実感いただけると思いますが、気配りができる大人は、まず「目配り」ができます。
気配りができる人は、周囲の状況を静かに観察して、自分ができることをさりげなく行うことができる、とても素敵な行動特性をもっています。
つまり、気配りをできる人は、まず目配りができていると思います。
子育てにおける目配りとは、日々の健康・生活観察を継続しながら、「変化」を敏感に察知できる能力だと思います。
計算ミスが減った。字を丁寧に書いていた。文房具をキチンと整理していた。直ぐにプリントを出してきた。
当たり前のことを当たり前にすることの難しさを身をもって実感していると思います。
この当たり前に直ぐに反応し、褒めることを忘れることをしないと子供の行動様式は徐々に変化していきます。
愚息は、一向にプリントを親に渡さぬだらしないところがあり、大事な提出物を学校に提出できずにいたなんていう事件は、度々ありました。
時折、学校へもっていくカバンの中を確認するようにしたところ、プリント類が、カバンの隅で丸まっていました。
本来なら、ここで大激怒だと思いますが、私は、
「プリントをカバンに入れて、家に持って帰れるようになったね。実は、大切な提出物を提出できずに学校から電話があって、叱られたことがあったんだ。助かるよ。」と伝えたところ、クリアファイルにどんどん入れて、まるごと手渡すように変化しました。
叱るところを褒めることによって大きくトラブル要因が改善した事例になります。偶然の賜物だと思いますが、真正面から向かって行っても上手に問題解決しないことが、子育て中にはよくある話です。
子供の性格と改善ポイントを絶えず観察しながら、生活状況をそっと目配りして、機会を逃さずに様々な方法で会話と思いを伝えていくことこそが、子育て中に効果があがる気配りの正体のように思います。
学力伸長に必要なこと
以前にも投稿しましたが、学力伸長には、正しい生活態度と学習姿勢が絶対必要条件です。
しかし、この正しい生活態度と学習姿勢の構築が、最も難しいテーマになります。
まずは、自分自身を客観的に観察する習慣をもち、自分自身の行動を正しい方向にもっていきながら、子供に対しては、丁寧な目配りと工夫を凝らした気配りをすることが重要ではないかと思います。
本投稿の冒頭に3大NG事項を記載しましたが、自分の価値観を押し付けることは、子供が別人格であるという真実を無視する行動になります。
躾という名の子供の個性の強制制御は、反抗的態度を増長させるだけだと思います。
子育てにおいて、自分自身の価値観を発信し続けることは重要なことです。しかし、押し付け、自分の思い通りに子供を制御しようとすることは、むしろ反抗的態度を強くするだけの行動に思えて仕方ありません。
また、気に障ったことを感情的にしかることも身勝手な程度の軽い虐待行為ではないかと思います。
気に障った時は、「子は親の鏡」と考えて、自分自身が同じ行動をとっていないかをまずは顧みることが大事だと思います。
宿題をしていない。解答を丸写ししている。自室がぐちゃぐちゃ(整理ができていない)。など、一日に何度もイラッとすることがあります。
つまり、やるべきことをやらない。やりかたに明らかな間違いがある。美的意識に大きなギャップを感じる。ということになります。
これらは、すべて矯正する必要があります。
だからこそ、感情的にならずに、我が身を振り返った後、お父さん(お母さん)の反省点、失敗談から始めて、子供とやるべきことをやる重要性や正しいやり方をすると、自分自身がどれだけメリットがあるのかの語りかけ、整理整頓は、一斉清掃日を家族で決めて取り組むなどの工夫は施せるように思います。
これらの正しい生活習慣や学習姿勢の獲得には時間がかかります。
算数や国語などは、教え方によっては比較的早くできるようになります。
だからこそ、中学受験期の最大ポイントを「正しい生活習慣、学習姿勢」の確立におくと、学力を引き上げていくことを容易にすると思います。
子供一人一人に個性があります。
マニュアル化された子育て法などあるわけがありません。
だからこそ、子供の変化を注意深く観察する目配り力が重要であり、工夫を凝らした気配り力を発揮する必要があると思います。
「急がば回れ!」。
昔の人は良いことを言いましたね。
最後までお読みいただき有難うございます。