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車いす、旅に出る(北海道・前編) 準備、旭川から富良野へ

7月、第4月曜日。今日から北海道に初めての一人旅だ。

富良野の空

ゴールデンウイークに、テレビのニュースを見ていると「今年はコロナ後の始めての連休で旅行者が多い」と言っていた。

うらやましいな、みんな羽を伸ばして楽しいだろうな。自分も旅行に行きたいな。行けるだろうか…行ってみたい…行こう!と思い立ち、計画を進めてきた。はじめはどこかのツアーに申し込もうかと考えていたが、調べてみると、車いすのツアーはあるものの添乗員と看護師がついていて、手厚く安心感はあるが、私のように何でも一人でやってみたい旅行者には向かないのでは、と思い至って自分で計画を立ててみたのだ。

私は3年前に脳出血を発症し、幸いにも生還したが、後遺症で右半身がマヒし失語症もある、車いすの障害者だ。今は自宅で歩行のリハビリと在宅勤務の仕事をしている。極端な話、自宅の近くで用事は事足りてしまうので、出かける必要がない。「WHILL Model C2」という電動車いすを使い、会社・病院・スーパーなどには時々出かけるが、それも慣れた。

失語症にもいろいろ症状はあるようだが、私は考えることはできても、言葉にすると途端に言葉を失ってしまうことがある。同時に口が回らないため、ゆっくり喋らないと、考えていることが伝わらない。

このような私が知らないところへ出かけて、そこで思いがけないことに出くわすと、いったいどうなるのか。臆病になってそういったことから逃げていたが、もう取っ払いたい。YouTubeなどで元気に活動している片麻痺の方もいるではないか。私にもできる!かもしれない…やろう!やるなら1人で!そう思ったのがきっかけで、この話が始まった。


計画と準備

仕事は夏休みも自由に取れるため、いい機会だ。7月も終わりの方なら、梅雨明けで夏本番と思われる関東地方を避けられるし、涼しい北の大地を目指そうと進路を決めた。

まずは目的地だ。夏の北海道らしく雄大な景色が見たいな。調べるとこの時期はラベンダー畑がいいらしい。そうすると富良野だ。行き方は旭川空港が近いようだが、そこまで列車は来ていない。最寄りの駅までバスである。旭川駅は方角が逆なので、美瑛駅行きがいいだろう。そこからJRに乗って富良野駅に移動。そこでホテルを予約して2日目にラベンダー畑に行こう。その日はホテルでゆっくりして、3日目は帰るだけにしようか。それでは冒険が足りないので、観光らしいこともしてみたい。それでは帰りの便を新千歳空港からにして、途中の札幌で時計台や大通り公園に寄ろう。時刻表を調べておおまかな旅程はできた。

ずいぶん楽な気がするが、私にはチャレンジなのだ。次は予約に進む。できるだけ移動に不安をなくすのがポイントだ。


航空会社はAirDoにした。安いし、旭川便もある。予約は迷うことなくスムーズにできた。ホームページには障害者対応について説明が載っていたし、それに従ってすすめれば間違いないだろう。たぶんどこも同じだと思う。

JR北海道は障害者対応が手厚いと思った。メール対応だが、個別に答えてくれる。旅程を伝えて、乗る列車まで指定できた。その列車に時刻どおりに乗らないといけないが、予定どおりに進めれば目的地まで運んでくれるので、安心だ。

同じJRでも東日本だとそう簡単には行かないようだ。首都圏は乗る電車は指定できないし、どんなに余裕をもって駅についても、希望の電車に乗れるかというとはっきりしたことは言えないのだ。大勢のお客さんがいる中で、私だけに対応するとなると無理がある。答えてあげたいし、ほとんどの場合で答えられるだろうが、100%じゃないので、できないというのだろう。仕方ない。余裕があり、旅行者に手厚い北海道だからできるサービスだと真摯に受け取った。

しかし、どうしてもできないこともある。私は当初、2日目に富良野駅から普通電車で中富良野駅に行く予定を立てていたが、中富良野駅はホームではなく駅舎の出入り口に2~3段の段差があって、電動車いすでは通れない可能性があるというのだ。

「はっきりしたことはわからないので、一度見てきます」と回答が来て、その1週間後、写真付きの資料が届いた。本当に現地に行ってきてくれたのだ。写真を見ると、たしかに中富良野駅は駅舎に段差があってWHILLでも通れない。残念だが諦めるしかなさそうだ。ところが隣のラベンダー畑駅も一緒に資料が届き、「臨時駅ですが、確実に通れます」と付け加えてあった。臨時駅は観光列車が止まる駅だそうだ。別に興味はないし、別料金もかかるので考えてなかったが、言われる通りに従おう。乗るとなったら観光列車も楽しいだろう。期待しよう。それにしても5月から計画を立てていて、本当に良かった。

問題はバスだ。旭川空港から美瑛を経由して富良野に向かう「ふらのバス」に連絡した。ホームページで見る限りではこちらでいう観光バスに近い感じだ。このタイプは手すりがあるので自分自身は乗れるが、WHILLが下のトランクに入れられるか。重量は50キロだ。

電話に出た職員はWHILLを知らなかった。うまく回らない口で一生懸命説明したが、重量について話すと簡単に断られた。どうやらトランクにスロープがないようなのだ。いけない、何としてもここで許可をもらわないと、空港に降りていきなりとんぼ返りをする羽目になる。私は必至で食らいついた。でも暖簾に腕押しで、聞く耳を持たない。がっくりと肩を落とし、電話を切った。

他のバスは美瑛には行かず、皆旭川に向かう。旭川を経由すると1時間は違うだろうが仕方ない。この中のバスは受け入れてくれるだろうか。びくびくしながら電話をする。すると1件、旭川電気軌道バスの職員が、「あ、いいですよ」と、ほとんど何も聞かずに受け入れてくれた。安堵したが、本当に大丈夫だろうか。


ホテルも予約したが、インターネットからなので不安な点はある。さっそく電話していろいろ聞いた。事情を聞いて親切に対応してくれたし、基本的にホームページに記載された通りだったが、細かく聞くと色々出てきた。

まずはお風呂だ。バリアフリーに対応しているようだが、だといっても一度も体験したことがないので一応詳細に聞いた。車いすのレンタルはあるが、大浴場には入れないそうだ。しかし、浴槽には屋内用の補装具のまま入れるという。膝から下を固めた、スキーブーツのような片麻痺患者が使う靴だ。ちょっと考えたが、風呂に靴が入ってたら自分がいやだなあと思って、はだしで行こうと決めた。しかし、直接右足をつくとむくんでいて痛むので、スイムシューズは必須だ。

タオルは人より多く使うので、それを頼めるかどうかだ。そうしたら、毎回フロントへ連絡していただければすぐにお届けします、との回答だった。あといくつか確認して、当日もこれで心配なく眠れるだろうとホッとした。

羽田までの電車も確認する。最寄りのJRの駅で聞いたら前述の通り断られたので、途方に暮れた。あまり使いたくなかったが、蒲田に実家があるのでそこを頼る。母親に計画を伝えたら驚いていたが、いつでも来なさいと言ってもらえた。実家がなければ羽田か蒲田に前泊だから、ありがたく計画に入れた。

これで準備は整った。1週間前まで、ワクワクする時間を楽しんだ。それからウェザーニュースを時々チェックしたが、私の旅程の日だけ曇りと雨のマークがぴったり張り付いているのが気がかりだった。関東は梅雨明けなのに。

天気を気にするのには2つ理由がある。1つはやはり雄大な北海道を満喫したいことだが、もう1つが大事だ。車いすは基本的に雨には弱く、傘を使えない。特にWHILLが防水に対応してないので、屋外で雨に降られたら頭から車いすまですっぽりかぶるレインコートに頼るしかないのだ。これが最悪で、かぶっていると左右が見えない。ただ進むだけで、行軍のようになる。だから、どうか晴れてほしいと願うのだ。

そして前日も変わりなし。絶望だ。しかし旅程をこなしていくだけでも私にとっては意味がある、と気を取り直して荷物を作る。


出発

当日。前泊しての朝は、梅雨も明けて晴れ。母に心配をかけるのは忍びないが、大丈夫だから、と明るく言って出かける。9時半過ぎに羽田空港に到着。

羽田空港発旭川行きは11時15分。あらかじめ、AirDoのホームページに「出発の一時間前には来て欲しい」と記載されていたのを見ていたので、早目に到着した。

数日前に空港まで来て、WHILLの実機を見せていたので大丈夫だろうと思ったが、電動車いすはやはり時間がかかった。以前チェックした充電器と予備の充電器をもう一度二人で確認したが、コードシェア便が災いしたか、ANAに引き継ぐところであたふたし、梱包でも時間がかかり、やっとWHILLも預けられた。しかし充電器は2つとも預かることはできないと、手荷物にされてしまった。これは想定外だ。

そこからグランドスタッフの女性がタラップまで車いすを押してくれる。なんだかんだ時間がかかり、昼食に空弁を買おうと思っていたがあきらめて、その方に教えてもらった自動販売機でおむすびを2つ購入した。

搭乗口に着いたらすぐ搭乗が始まったので、ゆっくりと記念写真を撮ることができなかったのは残念だった。しかしグランドスタッフにお願いしておいたのが幸いして、搭乗口を過ぎたところのタラップで記念撮影をすることができた。しかもポケモンジェットだ。ちょっとラッキー。

これから乗るポケモンジェット

飛行中は揺れずに安定していた。予約したのはエコノミークラスだったが、「前の方が空いているので移動してよろしいでしょうか」との案内に従ったら、ビジネスクラスの席だった。かなりラッキー。


旭川

旭川空港には13時頃に着いた。思ったとおり曇りで、かなり落ち込んだ。車いすを押してくれた男性グランドスタッフによると、「昨日まではよく晴れて、東京と変わらない天気でしたが、今日は先ほど雨も降っていまして、しかもムシムシします」だそうだ。さらに落ちる。

さて問題のバスだ。すでに到着し、私を待っていたようだ。こちらは観光バスが普通らしい。旭川電気軌道バスの担当者は、電話で軽く「いいですよ」と言っていたのが気になったが、私の格好を見た係員は、(聞いてないよ、それを乗せるんかい)といいそうなくらい、顔が青ざめてあたふたし始めた。

問題の電動車いす・WHILL

こりゃダメか。とんぼ返りという最悪のパターンがよぎったとたん、係員が運転手を読んできて2人がかりで乗せ始めた。やはりこのバスもスロープはない。荷物も含めたら55キロか。「よいしょっ」と声を出してWHILLはトランクに納まった。私はホッと安心して、手すりをつかみながら狭い階段を上る。そしてお客さんに一番前の席を空けてもらって座った。やっと出発だ。

予定を数分遅れて出発したが、バスは順調に雨の中を旭川駅に向かって進んだ。途中、畑や草原の中を通ったが、景色が霞んで、ちっとも北海道らしさは無い。またもや心がしぼんだ。途中、旭川市大病院とその周りにベッドタウンがあった。そこの家を眺めていて気がついたのだが、この辺には日本家屋がない。古くても新しくてもコンクリートの家が多くて、しっかりした作りとなっている。きっとこのほうが雪や寒さに強いとか、何がしかの理由があるのだろう。このようなことに北海道らしさを感じた。


14時頃に旭川駅に着いた。車窓から見るとヨーロッパの郊外の町みたいだ。乗客が全員降りるのを待って、最後にゆっくりと降りた。運転手はさっさと降りて、車いすを下ろす手伝いをしていた。ここは終点なので、係員がいるのだろう。私がバスから降りて車いすに座るのを見とどけると、ほっと顔を緩めて「お気をつけて」と言ってくれた。私が「運賃払ってないですけど」と言ったら、はっと気がついたように慌てて、苦笑いして私からお金を受け取った。私もちょっとだけ笑った。

旭川駅はとても大きかった。駅前は閑散としているが、駅舎には思ったより人がたくさんいた。その中には観光客もいるのだろう。大きなトランクを抱えた人たちもいる。駅の北側はビルやマンションがいくつも立ち並んでいるが、南側は雰囲気がガラッと変わって建物がない。公園などが整備されていて、その向こうは見える限り草原や林などが広がっている。晴れていれば横浜では見られない景色が広がっているのだろう。ここでは自然に近い暮らしができるのかな、と想像した。雨雲が恨めしい。

次の列車まで時間があり、雨もパラパラと止みそうになってきたので、ひと気のない駅の南側で少しだけ歩行のリハビリをしてみた。写真も撮った。欲張ったがちっともいいのが取れない。悔しいので駅舎の中を撮った。

15時33分、富良野に向けた普通列車に乗る。車両は出入口に段差のある形だったが、乗り込むとき長いスロープをかけてもらい、難なく乗れた。私は障害者のスペースにWHILLをつけるように指定されたのだが、車両の反対側はトイレで、せっかくの車窓があまり見えない。残念だけど、曇っているので仕方ないとする。

しばらく行くと、写真で見たような富良野らしい高原の世界が広がっていたが、景色も曇りではそれほど響かないので、まあこんなもんかと諦めた。


富良野に到着

16時43分に着いた。富良野駅はエレベーターがないと聞いていた。どうやってWHILLを運ぶのだろうと思っていたが、自分が乗ったまま大きな機械で階段を持ち上げて運ぶと聞き、驚いた。飲料の段ボール箱をたくさん階段で運ぶ機械を見たことがあるだろうか。あれの人間版だ。

運搬車と言うのか

面白かった。しかしちょっとだけ怖かった。明日もまた乗るのだろう。2度目ならちょっと慣れているかもしれない。

ここまで時間を気にしてきたが、富良野に着いたらあとは心配しなくていい。ゆっくりと記念写真を撮った。せっかく買った三脚も使ってみた。片手だが使えてよかった。

ホテルは駅から歩いて5分という「ラビスタ富良野ヒルズ」というところだ。

(写真は3日目)

予約の時に障害を伝えていたが、実際に泊まると若干手際が悪く、戸惑うこともあった。例えば、部屋は狭く車いすが入ると人の出入りができない。「今夜はいっぱいで、お部屋の交換ができないんです」とはいうものの、こういう状況を想像はできなかったのか。また、ドアを入ってしまうと車いすでは一人で出られないことも致命的だった。

係員となんとかできないかいろいろ試してみたが、結局は私の提案で車いすを外に出したままにしてみた。盗難・いたずらは防犯カメラで抑止すると言ってくれたし、部屋が一番奥なので他の方に迷惑も掛からない。自分は距離的に全然問題ないので、手を打った。やはりバリアフリーをうたっていても、具体的にバリアのイメージがわかないのだろう。障害者に対応しようという意識だけでもありがたい。

先ほどの通り部屋は狭いが、逆に言えば移動を最小限にできる。それにベッドはクイーンサイズでのびのびだ。この部屋にした。

フロントでは他に追加のタオルセットと手押しの車いすを借りた。車いすは早い者勝ちと聞いていたのだが、無事に借りられた。ついでに大浴場のある最上階の9階に上がると、他に高い建物がないからか、遠くまで見渡せて気持ちが良かった。曇っているのでイメージとは違うが。晴れていたらどうだったのか想像して、慰めつつも満足して大浴場のチェックに行った。

ホテルのチェックは片付いたので夕飯を取りに出かけた。事前にネットで調べてここにしようと思っていた、カレーとソーセージのお店が定休日でお休みだった。定休日だったら調べてるときわかるだろうと自分に文句を言って、しかたなく駅前のお店が並んでいそうなところをぶらぶらと歩いた。すると、「ご当地メニュー」と書かれたのぼりを見つけた。よく見たら「野菜カレー」がご当地メニューらしい。まあ、もともとカレーを食べるつもりだったし、野菜カレーでもいいかと思って入った。そこは「まちなか食堂」というハンバーグとオムライスが売りの店で、店内にはお花も飾ってあった。新しくはないが綺麗。若いお客さんもいた。

さっそく「富良野オムカレー」という野菜カレーを頼んだら、それほど待たずに来た。見ると、ズッキーニ、人参、ジャガイモの焼き野菜はカレーと同じ皿に乗っているが、若干よけて盛られていた。まあ、野菜は付け合わせなんだろうな、と高を括る。しかし食べてみたら、思ったよりも焼き野菜の味が濃く、とても美味しかった。カレーは豚バラが入っていて、オムライスの深みも加わって大変美味しい。そしてカレーをつけて野菜を食べるとさらにうまい。これだったか。富良野野菜とカレーとのマリアージュ。野菜カレー、見くびってごめんなさい。

満足して店を出ると、ドアの外には「CLOSED」の板がかかっていた。驚いて時計を見るとまだ9時過ぎだ。他のお店も閉まっている。富良野はだいたい9時で閉まるらしい。あぶないあぶない、もう少しで夕飯を食べそびれるところだった。

最も緊張するイベント

ホテルの部屋へ帰ってWHILLから普通の車いすに乗り換え、大浴場へ向かう。左手と左足でこぐのは入院中以来だ。町に出ても片手片足で漕いでいる人は見かけないので、脳卒中で必要な方は電動車いすなのだろう。ほかの方は回復して歩いているとか。私も頑張ろう。

先ほど行ったときは一通り見たが、実際に入るとなると緊張する。のれんをくぐると段差がある。ここで車いすを降りて、片手で押して持ち上げて入る。力は要らず、車いすをテコのように動かせばすんなりと上がってくれた。車いすを部屋の隅につけて、バスタオルを広げて準備OK。車いすに座って靴や装具、服を脱いだ。立ち上がって杖を突き、ゆっくりと浴室に向かう。足は裸足だ。実は、先ほど部屋で準備をしていて、プールソックスを忘れてきたことに気づいたのだ。残念だが仕方ない。裸足だと痛いが耐えられないほどじゃない。痛みは忘れるのだと、自分に言い聞かせた。

まず洗い場に座って体を洗った。家の場合はタオルに紐で輪をつけておき、麻痺手にそれを引っ掛けて背中を洗うのだが、ここではそうはいかない。苦労するかと思っていたが、緊張で右手の指が握ってあるのをいいことに、ここにタオルの端を押し込めば、それでなんとか背中も洗えた。

次に浴槽に入った。ここは慎重にゆっくりと。大きな柱があったので、そこにつかまる。浴槽の縁に腰掛ける。縁の高さが問題なのだが、ここはひざ下ぐらいで許容範囲だ。左足、右足の順に入る。少し体が傾いてヒヤリとしたが、うまく入れた。

気分がいい。伸びをする。障害を得て以来、足が延ばせる大きな風呂に入るのは初めてだ。しかも一人で。自分には無理ではないかと勝手に決めつけていたのだが、思い切って来てよかった。窓の外には露天風呂がある。行ってみようか、チラッと欲が出たが、頭を振って忘れることにした。

長湯は危険なので早々に出よう。右足が突っ張って足の指が握ったようになり、歩きにくいし痛い。プールソックスを忘れたからだ。履いていれば多少は違ったと思う。湯船の中で右足をマッサージすると、少し柔らかくなってきたから対策はできるはずだ。タオルを左手で絞り、軽く体を拭いて大浴場を出た。車いすにはバスタオルがかけてあるので、これに座るといつもの通り体を拭く。服を着て完了だ。

今回の大事なイベントの一つである、大浴場はクリアできたと言っていい。



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