修了考査とやら

前回からだいぶ飛びます(大体3年ぐらい)が、修了考査の話も備忘で書いておこうと思います。

◆どうやったら公認会計士になれるんや

世間的には、国家試験である公認会計士試験合格=公認会計士というイメージだと思いますが、現実は違います。公認会計士合格は登録要件の1つを満たしたにすぎません、
公認会計士になるには、以下3つの要件が必要です。
公認会計士法第三条に書いてあるので、確認してみましょう。

(公認会計士の資格)
第三条 公認会計士試験に合格した者(同一の回の公認会計士試験において、第八条に規定する短答式による試験及び論文式による試験の試験科目の全部について、第九条及び第十条の規定により短答式による試験及び論文式による試験を免除された者を含む。第十二条を除き、以下同じ。)であつて、第十五条第一項に規定する業務補助等の期間が二年以上であり、かつ、第十六条第一項に規定する実務補習を修了し同条第七項の規定による内閣総理大臣の確認を受けた者は、公認会計士となる資格を有する。

わかりづらいので誤解を恐れずにかみ砕いて記載すると、以下3つの要件が必要です。

要件1.公認会計士試験に合格していること
要件2.実務経験2年以上
要件3.補習所を修了する

このうち、
要件1.皆様がイメージしている公認会計士試験です。
要件2.は監査法人に就職して2年働けば満たします。就職市場に左右されるところではありますが、監査法人に入った方はそこまで心配する必要はないかと思っています。
要件3.が最も認知されていない要件です。
公認会計士試験合格者は補習所という学校みたいなところに3年間通う必要があり(短縮制度あり)、授業受講(ライブ講義、eラーニング、合宿、ゼミを含む)、考査受験、レポート提出等をこなして単位をかき集めます。単位をかき集めた暁に、修了考査という名の最終試験の受験資格を得ることが出来ます。そして修了考査という最終試験に合格すれば、晴れて要件3.を満たすこととなります。要件3.が一番時間かかるやないか。

今回のnoteはこの要件3.の修了考査というものにスポットライトをあてて書いていこうと思います。

◆修了考査って何科目あるんや

以下の科目から構成されます。

・会計実務(試験時間3時間)
・監査実務(試験時間3時間)
・税務実務(試験時間3時間)
・経営実務(試験時間2時間)
・職業倫理(試験時間1時間)

上記5科目を丸2日間かけて受験します。
試験時間長すぎ(論文式試験は会計学Ⅱが3時間でその他の科目は2時間だった)。
そして論文式試験の時みたいに法令基準集の配布はないのである程度暗記していかないと詰むっていうのが特徴だと思います。

◆修了考査対策(申し込み編)

めでたく修了考査の受験要件を満たした場合、まず資格予備校の対策講座に申し込みます。
実務補習所の修了要件を構成する修了考査を資格予備校で対策するってどうやねん、って意見もあります(自分もそう思います)が、いったん置いておきます。
大体講義が前年の10月頃(自分の場合は2017年10月)からスタートしますが、年明け(2018年1月)に申し込みました。
申し込みが完了すると教科書が届き始めます。1月にちょくちょくWebの講義見てましたが、ガッツリやってなかったですね。12月決算のクライアントがあったので。

◆修了考査対策(お勉強編)

年明けから期末決算で半年忙しかったので教材にはほぼ触れておらず、ただただ家に届く教材を平積みしてました。
本格的に勉強始めたのは8月中旬頃からかな。休日はWebの講義見たりテキストの例題やったり。9月ぐらいから答練が届いてたので、論文式試験の勉強の要領で進めていきました。
答練解く⇒間違ったところの原因分析⇒対策を講じ、できない箇所を少なくしていくといういつものやつです。頭に定着していれば答練は何度も回転させる必要はないですが、自分は4~5周ぐらいやらないと頭に入りませんでした。
残念ながら、教科書の使い勝手が悪い科目もあったので、そういう時は論文式試験の時のテキスト(監査実務)、補習所のテキスト(職業倫理)を組み合わせて使ってました。
監査法人勤務だと試験前14日間休みがもらえるので、少し余裕があります。
ここで最後の追い上げをやってました。
試験勉強で何よりも大事だと思っているのが勉強仲間作ることですね(あくまで自分の場合なので万人に当てはまるとは思わないですが)。
公認会計士試験の勉強時にメンタルがやられそうになった過去があるので、今回は会社の同期4名でライングループ作って一緒に昼ご飯食べに行って雑談したり、わからない点について議論したり、とメンタル崩壊しないように心がけてました。

◆試験前日

試験前日は絶対に勉強しない人間なので、予備校のロッカーの教材を引き上げ、同期としゃべってました。
前泊するホテルが巣鴨にあったので、チェックインの前に試験会場の下見に行きました(高田馬場で開催だった)。試験会場を確認し、晩御飯。その後はホテル付近のスーパーで買い物をし、翌日に備えました。ちょうどホームアローンとか一本グランプリやってたのでずっと見てました。

◆試験当日

1日目は会計実務と監査実務でした。とりあえず3時間座り続けるのが苦痛でした(椅子もそんなにいいやつやないし)。監査実務と会計実務もご多分に漏れずこんなん誰も知らんやろ、っていう問題が出てきたので、その辺は無視しました。
会計実務は持分比率計算させられたのがきつかったな。数学苦手やしやめてほしい。しかも補習所の教科書に載ってたらしい。
監査実務は監基報丸写し問題かよ、ってのがいっぱいありました。
2日目は税務実務、経営実務、職業倫理でした。
税務は過去問に比べて異常に難しくなってました(法人税と消費税融合になってる)。受かんのかな、って初めてこの科目で思いました。
経営実務は途中お手洗いに行ったので時間が異常に短く感じました。しかも点取り問題であるはずの財務諸表分析、去年に比べて出題数めっちゃ減っとるやないか(代わりにPPMとかいう懐かしいのが出てきた)。
職業倫理は記号選択の問題だったので、入り口から殺しにかかってるなという印象でした。
補習所のガイダンスで「職業倫理で落ちる人いる」って偉い人が言ってたけど、意味が分かりました。しかも幾多の○○実務に係る試験が終わった後に待ち受けてるし、気抜けるわな。
無事2日間受け切り、補習所の友達と高田馬場の牛角でお肉いっぱい食べた後、渋谷の裏(静かな方)にあるバーで飲んでました。

◆合格発表

4月頭に合格発表があったので、ネットで検索しました。さすがに自分の名前検索する時は震えた。無事名前を確認、受かってよかった。二度と受けたくない。
ひとまず2012年12月から受け続けた試験はこれで終わり。だいぶ時間かかったな。残すは登録のみになりました。

おわり

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