見出し画像

ご利用は計画的に(薬局の感染予防助成金の受給申請について)

新型コロナウイルス感染症 包括支援事業(助成金)

皆さんの会社ではすでに医療・介護分の感染予防助成金(とりあえず、こう呼びます)の申請は終わっていますでしょうか。オンラインでのセミナーや地方での研修が少しづつ始まっていますが、この助成金の申請に関する質問を非常に多く受けます。地域での集合研修など開催できない中、情報が少ないことは仕方がないですが、緊急事態宣言まで発動したコロナの影響、そして規制改革会議のやり玉に挙がった薬局改革など、環境が変化をする中、「これから」の戦略を考えなければいけない時間をこれらの助成金の申請についての質問で終わってしまうことを少し残念に思ってしまいます。

これらの補助・助成をしっかりと受けることはとても大事です。しかし、これらはあくまでも「非生産」なもので、短期集中で一気にやってしまう必要があります。厳しい時代の変化の中、「生産性」を上げるための取組が必要とされています。ということで、今回はお伝え出来る限りのことをこちらに記載して、皆さんの考えが少しでも早く経営に向き合えるようにまとめてみたいと思います。
※あくまでも最終的な判断は、ご自身で行ってください。

新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(介護分)

今回の助成は支援事業は「医療」「介護」に分かれます。基本的に内容は似通っていて、かつ介護の方が少し複雑なため、介護分の説明をします。介護分の助成は大きく3つに分かれているのがポイントです。

スライド1

前提論ですが、介護分なので「介護事業所・施設」が受ける支援だということを理解しておく必要があります。薬局に関しては、薬局開設時に「みなし」で介護保険の請求施設になります。その点から、今回の申請が可能になっています。ですので、医療・介護ともに請求できるのは例外的だと考えるのが良いと思います。支援の種類は
(1) 介護サービス事業所・施設等における感染症対策支援事業
(2) 介護施設・事業所に勤務する職員に対する慰労金の支援事業
(3) サービス再開に向けた支援事業
です。

(1) 介護サービス事業所・施設等における感染症対策支援事業

スライド2

薬局が介護の支援を受けることができるのかという質問を受けます。スライドは要綱をまとめたものですが、赤字にしています「居宅療養管理指導事業所」に薬局が該当します。
この項目は事業所ごとに金額がちがうのですが、薬局は「3.3万円」の金額が割り振られています。

スライド4

対象となる経費は「感染症対策の徹底」のために講じた「かかり増し経費」が対象となります。

スライド3

金額が金額なので、具体的な項目としては、「マスク」「消毒液」「ペーパータオル」「フェイスガード」「非接触体温計」などが該当します。なにが申請に通るのかという具体的な名言はできませんが、「白衣のクリーニング代」も対象となるという情報を得ています。たった「3.3万か」と思われるかたもいるかもしれませんが、基本的には「介護事業所・施設」が対象となる支援金です。薬局以外の施設には相当額の助成額が割り振られています。

(2) 介護施設・事業所に勤務する職員に対する慰労金の支援事業

次に、従業員の慰労金に関する項目の説明をします。こちらは医療の方でもありましたが残念ながら医療分に薬局薬剤師は含まれませんでした。その代わりという訳ではありませんが、介護分については「薬局の薬剤師」も支援の対象となっています。(在宅業務を実際に行った薬剤師に限る)

スライド5

スライド6

全ての都道府県の管轄に聞いたわけではないのですが、きちんとしたエビデンスがあれば、在宅業務のサポートを行った非薬剤師の従業員も支給対象になるようです。(北海道・宮崎県で確認)
こちらの支援のポイントは期間中に「在宅業務を10回やった」ではなく、「在宅業務を10日間」行ったということです。
※Q&Aは愛媛県のものになりますが、他都道府県では解釈が少し曖昧なものが多いです。不安な方は要確認お願いいたします。

対象となる期間は

①当該都道府県における新型コロナウイルス感染症患者1例目発生日または受入日のいずれか早い日
②緊急事態宣言の対象地域とされた日

上記のいずれか早い日から令和2年6月30日までの期間になります。

慰労金支援事業の注意点ですが、支給されるのは薬局ではなく「従業員」です。薬局は代理という形で申請をし、実際の支援金は従業員に給付を行う必要があります。

基本的には「5万円」の支給対象だとおもいます。対象となる顧問先や問い合わせがなかったので調べていませんが、実際にコロナ感染症に罹患した利用者への訪問指導を行った場合には、給付金が変わる可能性もあるので、ご確認をされたほうが良いかと思います。

(3) サービス再開に向けた支援事業

3つ目の項目の説明をします。これが一番わかりづらい、見つけづらい項目でした。まとめてしまえばなんてことないのですが、実際の資料ではかなりわかりづらく記載されており、通知直後は見落としていた方も多いと思います。

スライド7

介護サービスの再開に向けた支援事業で、全ての薬局が対象となった「医療分」の70万円と同じ性質のものと考えてよいと思います。要綱の中では「薬局」ではなく「在宅サービス事業所」と分かりづらい用語で表現をされていましたが、こちらに薬局が該当します。(東京都福祉保健局確認)
支援対象の経費はざっくりと記載されていますが、「タブレット端末」「アクリル板などの飛沫防止対策」「空気清浄機やエアコン関係」「イスなどの待合設備」が該当します。「対話支援機器」などもこちらに含まれます。

スライド8

こちらの支援額は全事業所一律で「20万円」になっています。薬局に関しては(1)同様に「居宅療養支援事業所」が該当します。

申請の詳細

スライド9

申請は都道府県ごとになっています。医療分と違い上限に達するまで申請可能となっていますが、事務作業の煩雑を回避する為に、出来る限り「早い申請」「一発申請」のリクエストが出ていると聞いています。締切などについても各都道府県ごとで違うようですので管轄にご確認されるのがいいと思います。
都道府県のリンクはこちら https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13342.html

よくあるご質問

厚生労働省の方に、Q&Aが掲載されています。詳しくはそちらをご参照頂くのが良いと思います。
https://www.mhlw.go.jp/content/000652801.pdf

当社にもよくご質問を頂きますが、やはり細かなことについては、明確な回答をすることはもちろんできません。ですがよく受ける質問として

「医療分と同じ伝票を使っていいのか」

という質問を本当にたくさん受けます。明確なQ&Aは見ていませんが、こちらの判断は良識をもって対応して頂ければと思います。(残念ながら、本当に多い質問です)

しかし医療・介護両方に掛かるものについては「按分」して「医療」「介護」で申請が可能というQ&Aはありますので、よくご確認くださいませ。

「消費税も含まれるのか」

こちらの質問もよく受けます。こちらも明確な文章をみつけてはいませんが、その発想は思い浮かびませんでした。
私自身、厚生労働省の科研事業の経理を長く経験してきましたが、予算内に「消費税込」で納めることが原則ですので、助成額は税込で考えています。

まとめ

在宅業務に取り組んでいた薬局は「医療分:70万円」「介護分:23.3万円」(合計:93.3万円/事業所)の支援を受けることができます。両方の支援を受けられる施設は多くはないと思います(医療機関、訪問看護ST、薬局)。介護分については「介護事業所・施設」の助成金であることを忘れてはいけません。
実際に何を申請するのが良いのかというご質問を多く受けます。今回の支援は感染予防対策を軸に幅広く対象となっています。弊社の回答としては、ぜひ「現状必要な対策や機器」そして、これからの「インフルwithコロナ」という対策に利用できるものを選択して頂くのが良いと考えています。

具体的なこと、詳細についてもう少し知りたいなどは「note」を読んだとお伝えいただければ、ホームページ等からメールを頂けましたら対応させて頂きます。

短期集中で理解を深めて頂き、そして申請をして頂き、環境の変化が大きい時代への「対応、対策、行動」を考える『生産的』な時間にこれからを使って頂ければ幸いです。
※ボリュームが多くなったため、誤字脱字に関してはご容赦ください。
 また記載内容に関しては一通り確認した事項になりますが、解釈不足などもあるかもしれません。あくまでも最終的な判断は直接管轄にお問合せ頂く等、ご自身で判断くださいませ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?