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Theme 3: 消毒(全3話 その1)

disinfection, 1

医師/精神分析家(慶應義塾大学環境情報学部)
岡田暁宜(おかだ・あきよし)さんが綴るワンテーマ・エッセイ
《ぼくたちコロナ世代》避密ライフのこころの秘密
テーマ1「マスク」
テーマ2「検温」
につづき
みっつめのテーマは「消毒」です
あちらこちらでこの文字を目にする毎日ですね。
全3話でお届けいたします。
まず 1話目は


1/3 懐かしき消毒

 消毒というと、私の頭に最初に浮かぶのは、コロナ対策防止における「手指消毒」ではなく、皮膚の傷に対する消毒液のことです。

 子どもの頃、祖父の診察室の机の上には赤チン*、白チン**、ヨーチン***の消毒液が置いてありました。転んで出来た擦り傷にそれらの消毒液で処置をしてもらったことを覚えています。それは私にとって大切な思い出であり、私は金属製の舌圧子とともに、三つの消毒液が入っていたガラス瓶を今でも大切に保管しています。
 赤チンは「水銀が含まれている」という理由で時代とともに使われなくなり、国内で唯一製造していた会社が2020年12月末で赤チンの製造を終了しました。このニュースを見て私は、先の思い出とともに寂しい気持になり、赤チンを一本購入したものです。

 かつて医療機関では、採血や注射の際には、瓶に入れた綿に酒精(アルコール)を浸して自前で「酒精綿」をつくっていました。現在では清潔に包装された既製品が使われています。そのうえ、近年、擦り傷に対する処置として「湿潤療法」が普及し、傷口を流水で洗い流すだけで、消毒液を使わなくなりました。それは「消毒液が正常な組織を傷つける」という理由からです。
 幼い頃に私が祖父から受けた処置は、現在ではおこなわれておらず、かつての消毒液の姿は時代とともに失われていますが、私にとってはとてもお世話になった懐かしき消毒液です。

*赤チン: 消毒薬であるメルブロミン液の商品名であるマーキュロクロム液の通称で、赤色をしていたことから、赤チンと呼ばれていました。
**白チン: 逆性石鹸の塩化ベンゼトニウムを主成分とする消毒薬で、無色透明であり、赤チンとの対比で白チンと呼ばれていました。
***ヨーチン: ヨードとエタノールからなるヨードチンキの通称です。

(Theme 3:消毒 次回につづく)

予防での「消毒」ではなく 
傷を負った後の治療による「消毒」のための *赤チンや***ヨーチン

昔は近所で遊んでいる子どもたち(わたしも含まれます)のヒザやヒジが
赤くなったりしていたのを思い出します

治療により「消毒」で治すと思っていたのに余計に傷つける作用があったならビックリですね
毎日、何度も行う「手指消毒」や「手洗い」も 
やり過ぎてアルコールで手が荒れてしまったり、
必要な油分もとってしまい、かさかさになってしまったりと
「ウィルス感染対策」をする一方で弊害もおきてくる
副作用も人それぞれであったりしますね
そのあたりも、しっかり自分での実体験を含めて
見極めていく必要があるのでしょうか
便利ばかりが人間にとって”イイもの”ということではないってことですね

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